スタッフの制服を見ればすぐにわかる…「東京ステーションホテル」のリピーター率が驚異の40%のワケ
バックヤードに宿泊客のコメントを掲示するワケ
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日本交通公社の調査内容によれば、一般的なホテルのリピーター率は10%~30%だ。だが、東京駅の丸の内駅舎内にある東京ステーションホテルは、40%ほどに及ぶことも(2012年再開業後)。なぜこれほどゲストに支持されるのか。上阪徹さんの著書『東京ステーションホテル 100年先のおもてなしへ』(河出書房新社)より、一部を紹介する――。(第1回)
ホテルのスタッフの制服にある“こだわり”
2012年の再開業時、東京ステーションホテル総支配人の藤崎斉が唱えた「おもてなし三原則」がホテルには根づいている。装い・設しつらえ・振舞いだ。
「お茶の心、お点前てまえの心、と言うとわかりやすいかもしれないですね。お客様をお迎えするきちんとした装い、きちんとした設えと、ふさわしい振舞い」(取材当時、宿泊支配人の大谷潤氏。以下すべて同じ)
なるほど、お茶と聞くと“控えめで優しい”がピンとくる。“どうだ、自分たちはすごいだろう”とはならないことも想像できる。自分を律し、丁寧な準備をする。心配り気配りをする。そういうことを大事にしてきたのだ。むしろ求められているのは、謙虚、おしとやか、礼儀正しい、といった言葉に近いかもしれない。
「ユニフォームについてのこだわりも、すごいですよ。それこそ、藤崎に聞いたら、ユニフォームだけで1時間は話していると思います。一つだけわかりやすい例を挙げれば、ほぼセミオートクチュールで作っていることです」
多くのスタッフが働くホテル。職種に合わせて、いろいろなユニフォームがある。働く人はサイズが異なるので、S、M、Lといったものを用意していくのが普通だというが、東京ステーションホテルは違うのだ。
「ユニフォームはスタッフのサイズに合わせて作ります。服に体を合わせるのではなく、体に服を合わせていく。服を直して、ビシッとする。実際、フィットしているかどうかは、見てすぐにわかります。これだけでも印象を大きく変えるんです」

























