なぜ日本人は急に「外国人嫌い」になったのか…「日本の治安を乱しているから」ではない歴史的理由
80年スパンで繰り返す「攘夷」という国民病
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これまでの反中や嫌韓とはちょっと違う
「外国人を嫌う人」が増えている。
ネットやSNSでは、特定の国や人種に対して、ここでは紹介できないような酷い悪態をついている人が少なくない。その中には膨大なフォロワーを持つインフルエンサーもいて、彼らに触発された人たちが、さらに過激な発言を広めていくという「憎悪の再生産」が活発に行われている。
それがうかがえるのが、出入国在留管理庁が2024年3月に公表した「外国人との共生に関する意識調査」(日本人対象)だ。この中で、「外国人に対する偏見や差別がある」と思っている人がなんと68.3%にも及んでいるのだ。

これまで中国や韓国など隣国に対して悪印象を抱く人は一定数いたが、ここ1〜2年のムードはちょっと違う。川口市で問題になっているクルド人、全国でモスク建設反対運動が起きているイスラム教徒、そしてちょっと前のJICA「のホームタウン騒動」におけるアフリカなど、国や地域を問わず、「外国人」に憎悪が向けられているのだ。
会ったこともないのになぜ嫌いになる?
しかも、日本の外国人ヘイトが特殊なのは、実際に外国人に知り合いもおらず、ロクに話をしたことがない人たちが、ネットやSNSの情報だけで「外国人ってのは」とワケ知り顔で憎悪を膨らませている点だ。
先ほどの調査でも、外国人と交流する頻度が「ない」と回答したのは73.0%。「外国人の知人はいないし、付き合ったこともない」も全体の41.5%に及んでいるのだ。

先日も、中国が日本国内に「侵略」を進めているということを盛んに仰っている方がいたので、「そこまで詳しいってことは、中国にいろんな知り合いがいるんですね」と質問をしたら、「中国人に知り合いなんているわけないだろ! ネットで勉強したんだよ」と怒られた。
この人のように、YouTubeで学んだ情報や、SNSのインフルエンサーの解説だけで、会ったことも話をしたこともない外国人を憎む日本人が増えているのだ。

























