「俺はいつまで働けばいいんだ…」63歳会社員が寿命までに貯蓄2000万円を3倍にしないとダメな絶体絶命の事情
何十年も真面目に働いてきたのに旅行や自由な買い物ができない
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貯蓄は2000万円で、持ち家もある。老後は派手な生活をしなければ、年金だけで夫婦でのんびりと暮らせるかもしれない。しかし、家族のために数十年間まじめに働いてきた大黒柱の63歳男性が「いったいいくつまで働かなければならないのか」と深いため息をつく切実な理由とは――。
父親のため息「いくつまで働けばいいのでしょうか?」
「私は、いったいいくつまで働けばいいのでしょうか?」
相談に来たのは父親(63)でした。相談者には子どもが2人います。長男(35)は学校卒業後に就職し、そのまま仕事を続けています。今では結婚後に自宅を購入して、少し離れた場所に住んでいます。孫も2人います。
一方、次男(32)は現在仕事をせずに親に養われています。部屋から一歩も出られないというわけではなく、買い物には出かけます。ただ、仕事ができないのです。本人も何とかしなければと思っているようですが、焦るばかりで、どうしてよいかわからず、「自分に合う仕事が見つからない」と言っているそうです。
次男は、高校を卒業すると、地元のメーカーに就職しました。今後成長が期待できる業種ではありませんが、安定した企業で、両親は安心したものです。ところが本人は1年もすると物足りなさを感じるようになってきました。給料は安い上に、変化のない仕事で、将来への展望が見えません。上司を見ると、40代、50代になっても汲々とした生活をしているようで、自分がこの生活を続けていくのかと思うと、がまんができませんでした。
思い切って転職をすることにして、給料が魅力的な不動産業に就職しました。すると、一転して厳しい生活が待っていました。ノルマに追われて、休日も返上して営業に奔走しなければなりません。ぬるま湯のような前職が懐かしく、転職したことを後悔ばかりします。結局その仕事も長くは続かず、1年もしないうちに退職してしまいました。
次男は再び転職活動を始めましたが、3年で2回も自己都合退職をしていると、色眼鏡で見られてしまい、なかなかうまくいきません。条件の良さそうな企業では不採用が続き、誰でも採用してくれそうな企業には魅力を感じません。2回の就職の失敗が、どうしても次男を慎重にさせてしまいます。「またひどい職場だったら……」と思うと、積極的に応募をすることがためらわれます。
その間、アルバイトをすることもありましたが、バイトをすると時間を取られて、就職活動がままなりません。親元で暮らしていましたので、毎日の衣食住に困ることはありません。バイトを辞めたものの、就職活動にも積極的になれずに、やがて無職の期間が長引いてしまいました。
その間、父親は早く就職するように、何度も厳しく叱責しましたが、就職を決めるのは本人です。なんとか早く就職を決めてもらいたいと思いながら、月日が流れ、次男は30代を迎えていました。
「ほとんど職歴がない無職の30代なんて就職先はありませんよね。私が採用担当者だったとしても採りませんから」
父親は最近では、次男の就職については諦めているようです。
「次男はもうこのまま仕事をしない状況が続きそうです。そうなると、私が働いて収入を得ていかなければなりませんね」
「しかし、今のお勤め先で働けるのは65歳まで、あと2年ぐらいではないでしょうか」
「そうです。まあ、その後は高齢者向けの仕事を探して、何とか収入を得なければなりません。そこで、私は何歳まで働けばよいのか、調べてもらえませんでしょうか?」

























