正社員で働き続けたい女性9割のいま、専業主婦・パートを求める男性が2割を超える温度差の正体
専業主婦になりたい女性より専業主婦になってほしい男性のほうが多い理由
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結婚・出産後も正社員としてキャリアを継続したいと考えている女性は少なくありません。 一方で、正社員として働くことを希望しながらも、育児との兼ね合いで退職を経験したり、退職を検討したりしている女性が「全体の3分の1に上る」という調査結果もあります。 なぜ、望むキャリアを実現するのは難しいのか。ライフステージが変わってもキャリアを諦めたくない女性は、どのように行動すべきか。専門家のコメントをもとに解説します。

画像提供=MEETS CAREER by マイナビ転職
監修者 中野 円佳(なかの・まどか)
1984年、東京都生まれ。東京大学教育学部卒業後、日本経済新聞社入社。育休中に立命館大学大学院先端総合学術研究科に入学。同研究科に提出の修士論文を基に、2014年『「育休世代」のジレンマ――女性活用はなぜ失敗するのか?』(光文社新書)を出版。15年よりフリージャーナリスト、東京大学大学院教育学研究科博士課程、23年に満期退学。25年、博士号(教育学)取得。。現在、東京大学多様性包摂共創センターDEI共創推進戦略室准教授。著書に『上司の「いじり」が許せない』(講談社現代新書)、『なぜ共働きも専業もしんどいのか――主婦がいないと回らない構造』(PHP新書)、『教育大国シンガポール――日本は何を学べるか』(光文社新書)、『教育にひそむジェンダー――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる』(ちくま新書)
「妻に正社員で働いてほしい」と考える男性が、「正社員希望」の女性より少ない理由
マイナビ転職が実施したアンケート調査(※)によると、小学生以下の子どもを持つ正社員のうち、育児との兼ね合いで退職を経験した人、あるいは退職を検討したことがある人が全体の3分の1に上りました。

この結果について中野さんは「子育て中の女性のキャリアについて調査を始めた2012年ごろは、子どもを育てながら正社員として働き続けるというケース自体が少なかった。当時と比べると、育児を機に退職する女性は減ってきているのでは」と述べます。
「日本経済の先行きが不透明で、夫の給与がこの先どこまで伸びるかは読みにくい。そんな中で、夫が大黒柱、妻は専業主婦というモデルを目指しにくくなっているのではないかと思います。

























