ご飯は「子供用茶碗に大盛り」のほうが満腹になる…自分の体を騙して痩せる「食器を変える」という方法
人は「目」でどれだけ食べたかを判断する
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食事量を抑えるにはどうすればいいのか。医学博士の山下明子さんは「人間は目で食事量を判断している。小さな食器に大盛りで盛り付ければ、同じ量でもより満腹感を得ることができる」という――。 ※本稿は、山下明子『食べる瞑想 幸せな毎日が続く新しい心の整え方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
人は目で「食べた量」を判断する
さて、仕事中にお菓子をよくつまんでいる方に質問です。
「仕事中、お菓子を平均どれくらい食べますか?」
すぐに答えられたでしょうか。
案外、何を食べたかは覚えているものの、自分が「どれくらい食べているのか」はわからないと思います。普段の食事の場合も同様に、あなたは「自分がどのくらいの量を食べているのか」をしっかりと把握できていないかもしれません。
食品消費に関する行動心理学の第一人者であるブライアン・ワンシンク教授が行った実験を紹介しましょう。二つのグループに、スポーツバーでフットボールの試合を観戦しながら骨付きチキンを食べてもらいました。
一方のグループのテーブルでは、食べたチキンの骨をそのままにして片付けませんでした。もう一方のグループでは、食べたチキンの骨をウェイターが素早く片付けました。そして試合終了後、両グループの食べたチキンの数を数えました。
さて、チキンをたくさん食べていたのはどちらのグループだと思いますか。
答えは、チキンの骨を片付けたテーブルの人たちです。
つまり、私たちは食べた量が可視化できていると「これだけ食べたんだ」と理解して食べすぎないように調整できる一方で、食べた量が可視化できていないと、つい食べすぎてしまう傾向にあるわけです。
この実験から、人は「自分がどのくらい食べているのか」を目で判断していることがわかります。
満腹になれば「たくさん食べた」と気づけるでしょうが、そこまでの満腹でなければ、視覚情報なしに食べた量を把握するのは難しいのです。