入会だけで20万円なのに月数千円のアプリより良コスパ…結婚相談所を「最初の選択肢」にする若者の「結婚観」
「運命の出会い」よりも「条件、相性重視」
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20~30代の若者がマッチングアプリなどを経ずに結婚相談所へ入会するケースが増加している。婚活・結婚式業界に精通するタメニーの平田恵さんは「かつては恋愛に失敗した人の最後の砦というイメージがあったが、最近はアプリを忌避する若者や『堅実な結婚』を目指す若者の最初の選択肢になっている」という――。
「結婚相談所=恋愛に失敗した人が行く場所」ではない
「結婚相談所は恋愛がうまくできない人や失敗した人が行く場所でしょ?」――そんな固定観念は、もはや過去のものです。20代の結婚相談所新規入会者数(※1)は10年で約4倍に増加しました。Z世代にとって、結婚相談所は人生を合理的に進めるための“最初の選択肢”となりつつあります。
※1 フィオーレ、パートナーエージェントの2社の平均値で算出
かつて結婚相談所は「最後の砦」と呼ばれていました。恋愛が苦手な人が利用する場所――そんなイメージが定着していました。
しかし最新の業界データによると、状況は劇的に変化しています。新規入会者数の急増に加えて、新規入会年代別比率(※2)でも20代が2015年の14.5%から2020年の19.2%、そして2025年には21.9%へと右肩上がりで増加しているのです。
※2 ゼクシィ縁結びエージェント、フィオーレ、パートナーエージェントの3社の平均値で算出
26歳で相談所の門をたたいた研修医の女性
例えば、研修医として働く未希子さん(仮名・27歳)は、26歳の時に先輩から「この1~2年で結婚しないと、どんどん忙しくなる」と言われ、婚活を決意。マッチングアプリに登録はしたものの、「アプリで会った人に投資詐欺を勧められた」といったSNSの投稿を見て、安全性に不安を感じました。
「お金はかかるけど、変な人を避けるためのフィルター代」と考え、アプリでの活動は行わず結婚相談所に入会。28歳までには結婚したいという明確なライフプランのもと、真剣な出会いを求めて活動を始め、約1年で仕事に理解のある素敵なパートナーと出会い、成婚退会されました。
このような事例は決して珍しくありません。