大谷、山本との差は開くばかり…ドジャース佐々木朗希がマイナーでも勝てない"期待外れ"になった当然の理由

大谷、山本との差は開くばかり…ドジャース佐々木朗希がマイナーでも勝てない"期待外れ"になった当然の理由

菅野智之(35)を見ると佐々木に足りない要素がよくわかる

ロサンゼルス・ドジャースの佐々木朗希投手が苦しんでいる。ライターの広尾晃さんは「球速、奪三振率、制球力と日本での成績は抜群だった。しかし、メジャーでその能力が発揮されないのには、決定的に足りない要素があるからだ」という――。

メジャーで成功する投手とそうでない投手の違い

今季、ロッテからドジャースに移籍した佐々木朗希は、当初はマイナー契約だったが、開幕時にメジャー契約となり、山本由伸と共にローテーションを担った。

しかし、なかなか本領を発揮できず、5月3日にメジャー初勝利を挙げたものの、5月13日にはインピンジメント症候群を発症してIL(負傷者リスト)に入った。8月に入ってマイナーでテスト登板をしているが、メジャー昇格のめどは立っていない

ここ2年間、NPBからMLBに挑戦した投手の現在地を比べてみると「NPBから移籍して成功する投手、そうでない投手」に関するある種の「法則」が見えてくる。

2024年から25年にかけてメジャーに挑戦した投手の、日本在籍時とアメリカに移ってからのデータを比較してみた。

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数字は8月25日時点。

勝敗、投球回、防御率など一般的な指標に加えて、9イニング当たりの奪三振数である「SO9」と奪三振数を与四球数で割った「SO/BB」を示した。

いずれも単純な数値ではあるが、この2つの指標は、MLBでは極めて重要視される。MLBでは「SO=奪三振」は、打者に振り逃げ以外で塁を与えない投手にとって最も安全なリザルトだとされる。「SO9」が9を超した投手はパワーピッチャーだとされる。

また「BB=与四球」は、打者を絶対にアウトにできない最も残念なリザルトだ。SO/BBが3.5を超えた投手は三振が奪えるうえに歩かせることが少ない安定感のある投手だとされる。

なぜ上沢は活躍できなかったのか

数字を比較すると、昨年MLBに移籍した山本由伸、今永昇太のNPB時代の成績は、SO9もSO/BBも非常に優秀だったことがわかる。

MLB球団も、山本今永の投球データを吟味するとともに、こうした数値を評価している。その結果、山本はドジャースから12年総額3億2500万ドル(約465億円)、今永はカブスから4年総額5300万ドル(約77億円)という巨額の契約を提示され入団した。

しかし同じタイミングで移籍した上沢直之は、NPB時代の勝ち星や防御率は、山本や今永と遜色はなかった。にもかかわらず、メジャー契約のオファーはなく、レイズとマイナー契約を結んだ。のち契約にあったオプトアウト条項をいかしてレッドソックスに移籍し、メジャー昇格するも、わずか2試合で降格となった。

上沢は山本や今永のように三振を奪うタイプではなく、打たせて取るタイプだった。SO9が7.35と低いのはそのためだ。

奪三振が少なく、打たせて取るスタイルで長いイニングを投げる投手を「イニングイーター」というが、日本でこのタイプの投手はMLBには向いていない。

NPBでは凡打になっても、スイングが格段に速いMLBの打者は打ち取ったはずの打球が安打になってしまうからだ。MLB球団は、こういう部分を見極めて上沢に好条件のオファーを出さなかったのだ。

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2025.09.08

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