なぜ平均年齢35歳で年収2067万円のキーエンスは年3回の長期休暇を必ず取得できるのか…強い組織の裏側
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強い組織に共通する企業文化は何か。キーエンスとプルデンシャルでトップの成績を残したSales Navi 代表取締役の田中大貴さんは「カルチャーづくりにゲーム性を取り入れ、メンバーの士気を高めるプルデンシャルに対し、合理性の徹底追求がカルチャーとして浸透しているのがキーエンスだ」という――。 ※本稿は、田中大貴『売れる組織 売れる営業』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。
フルコミッションのプルデンシャルで、チーム対抗戦が成り立つ理由
組織のカルチャーが強いプルデンシャルが上手だったのは、営業にゲーム性をふんだんに取り入れている点です。
プルデンシャルは3月決算ですが、多くの企業と同じように、3月は決算に向けてかなり追い込みをかけます。その結果、期が変わった4月に入った瞬間、案件のネタがカラカラになってしまいます。これはよくある話だと思います。
一方で、企業としてはそれでは困ります。4月こそ通常より多くの成果をあげ、スタートダッシュを決めなければなりません。
そこで、プルデンシャルでは「スタートダッシュキャンペーン」という名目で、営業パーソンを4月から必死に走らせる仕組みを支社ごとに考えて実施していました。
私がいた支社のゲーム設計は、チームで対抗させる形です。支社によってさまざまな形式がありますが、私がいた支社も年々ゲーム性のクオリティが上がっていきました。
フルコミッションのプルデンシャルで、チーム対抗戦が成り立つのか。そう思われる人もいるでしょう。しかし、人間は個人で戦うよりもチームの連帯感があったほうが頑張れるものです。
日本のプロ野球、アメリカのメジャーリーグ、NBAなどは、すべての選手があくまでも個人事業主です。しかし、チームのことを考え、チームとして団結することでより優れた成績を残しています。一匹狼の集団では、チームとしての成果をあげることはできません。