プレゼン資料の99%は「この一文」で決まる…「パワポ作りに精を出す人」ほど相手に刺さらないワケ
Profile
相手に刺さる資料はどうすれば作れるのか。ITコンサルタントの江村出さんは「どのような資料にもメインの主張が必要だ。この主張を表現にこだわり魂を込めた一文に圧縮することで、相手に刺さる資料となる。刺さる一文さえあれば、補足資料のツメが少々甘くとも、問題ない」という――。 ※本稿は、江村出『仕事を上手に圧縮する方法 仕事時間を1/5にして圧倒的な成果を上げたITコンサル流 仕事の基本』(日経BP)の一部を再編集したものです。
長文メールは必要ない
あなたは普段、どんなメールを書いていますか?
本当に言いたいことはわずかであるにもかかわらず、10行や20行もの長文のメールを作成してはいないでしょうか?
あるいは、資料作成でも、調査に時間をかけたからといって5枚や10枚にもわたる資料をつくってはいませんか?
つい私たちは、自分が力を入れたことや多くの時間を費やしたことについては、必要以上に文章を書き連ねて説明をしてしまいがちですが、これは大きな間違いです。「全のせ」してうれしいのはラーメンくらいですから、メールも資料も今日から書き方を変えましょう。
最も力を入れるべきは「あなたが考え抜いた1つの光る解」だけです。それ以外の99%はメインの考えを補足するものにすぎません。
メインの考えを一文に圧縮する
例えば、ある企業をITコンサルとして支援していて、その企業がさらなるIT投資をすべきか悩んでいたとします。
事例調査をしたところ、「一般企業におけるIT投資の割合の目安は、全体の売上の1~2%が妥当」ということがわかったとして、これを文章にしてそのまま相手に説明するのは得策ではありません。
「結局、うちの会社ではどうすると最適なの?」
と問われてしまいます。調べた内容はあくまで補足であり、相手に最も伝えるべきことはこの情報ではないからです。
本当に伝えたいことは、
「御社のIT投資の割合を一般企業のレベルにまで引き上げ、○○というテーマに取り組むべきだ」
となるはずです。一般事例の情報はあくまでも相手に伝えたいことの補足であり、メインの主張がなければ意味はないのです。
メインの考えを一文に圧縮して書くことができれば、文章は99%完成です。補足として用意した資料のツメが多少甘くても問題ありません。詳しく聞きたければ相手から聞いてもらえばよく、それに対して口頭で返せば十分です。