「お風邪などお召しでは」に三流は「体は丈夫なものですから」と答える…そのとき一流が使う心をつかむ言葉
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相手の心をつかむには、どんな言葉を使えばいいか。話し方講師の野口敏さんは「会話でもSNSのメッセージでも、ほとんどの人は『私』の話をするが、反対に相手を主役にするだけであなたの印象は大きく変わる。自分のことを心に留めて、自分を主役にして話をしてくれる人、メッセージを送ってくれる人なら、誰だって好きになるに決まっている」という――。 ※本稿は、野口敏『どんな人とも楽しく会話が続く話し方のルール』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
相手の心をわしづかみにする会話やメッセージの種類
少し話しただけなのに、心をつかまれてしまう人っていますよね。
その人から贈られた言葉はいつまでも心に残ります。それがLINEやメールで送られたものなら保存して、ふとしたときに見返して元気を取り戻す材料にすることさえあります。
それを送ったのがあなたなら、相手はそのメッセージを読むたびにあなたを思い出します。このときその人はあなたに心をわしづかみにされているのです。
そういう会話やメッセージには、ある法則があります。
それは相手が主役になっているということです。
会話でもSNSのメッセージでも、ほとんどの人は「私」の話をするものです。それをこの本では「マイストーリー」と呼びます。反対に、相手を主役にしたもの、または相手を心に置きつつ送るメッセージを「ユアストーリー」と呼びます。
たとえば、やや形式張ったつき合いの相手からこう問われたとしましょう。
「お風邪などお召しではないですか?」
こういった儀礼的な挨拶への返事でも、マイストーリーとユアストーリーのどちらで答えるかで、あなたの印象は大きく変わります。
「ええ、体は丈夫なものですから」
これはマイストーリーです。
あなたの心にあるのは自分自身。
「自分の優れたところをわかって!」
とアピールしたい気持ちがありありと伝わってきます。
「○○さんはいつもお気遣いくださって、優しい方ですね」
こちらがユアストーリー。
自分をアピールするよりも、相手の存在を心に置いてメッセージを送っています。人の心をつかむのは、当然こちらの人です。