「これを守らせるのが一番難しかった」娘3人をハーバード大に入れた親が20年間貫いた"最高難度のルール"
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子どものしつけの中でもっとも難しいものはどのようなものか。3人の娘をハーバードに合格させたシム・ファルギョンさんは、「子どもたちは、夫婦で決めた子育ての原則を説明すればよく守ってくれたが、何度も害について説明しても、聞き入れてくれないルールがあった」という――。 ※本稿は、シム・ファルギョン『3人の娘をハーバードに合格させた 子どもが自ら学びだす育て方』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
夫婦はワンチームである
娘たちには優しい父親だった夫も、私と同志であることは忘れなかった。私は私なりのスタイルで母親役を担い、夫は夫なりのスタイルで子どもたちに接したが、父親と母親はワンチームであることを鉄則としていた。
私たちはこれを子どもたちにもはっきりと伝えておいた。いくら優しい父親でも、母親が決めた規則から外れようとする子どもをかばうことはせず、母親の権威に対抗することはどんなことでも許さなかった。私たちは子どもの前で、お互いの権威を傷つけるような言葉は絶対に言わなかった。私たち夫婦はお互いに非難せず、いつも同じ意見、同じ決断を保った。
もちろん、子育ての方針を立てる上で常に意見が一致しないといけないというわけではない。意見が異なる場合は事前に擦り合わせてから、子どもの前では一致した意見を出そうという意味だ。
夫婦は十分な会話を通して、育児の基本原則を合意すべきだ。夫婦の意見が食い違って言い争うような姿を見せてしまうと、子どもは内心でストレスを受けてしまう。
子どもを安定させるためにも、夫婦の合意が必要だ。夫婦が決めた子育ての原則の下、イエスかノーかという明快な信号を送ってあげれば、子どもが混乱することもない。夫婦は一致した考えを実行する権威者として、子どもの前では常に模範を示すべきだ。
もし親として不足な点があれば、率直に話し合おう。何よりも子どもの成長を最優先に考える勇気こそが、夫婦というワンチームに必要なのだ。
テレビを見ていいのは土曜日の2~3時間だけ
私たち夫婦が決して主導権を手放さず、介入を続けたのは、何といってもテレビだった。それ以外のことについては、説明すればよく守ってくれた子どもたちだが、ことテレビに関してだけは、なかなか素直に言うことを聞かなかった。それほどテレビに関するルール作りは難しいものだった。
わが家は、平日にはテレビを見せなかった。テレビを見ていいのは週に一度、土曜日にハングルの勉強が終わったあとの2~3時間だけ。しかも教会関係の集まりや信者の家庭訪問などがあれば、子どもだけを家に置いておくわけにいかないので、さらにテレビを見られない時間が増えた。たまに誰かの家に行ってそこの家の子たちと一緒にテレビやビデオを見るときも、宿題などやるべきことを終わらせてから、よい内容の子ども向けアニメなどに限定していた。
子どもたちには、何度もテレビの害について説明したが、テレビを見たい気持ちが勝ってしまい、私の言葉など耳に入らなかった。