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在宅ワークにかかわる社会保険や税金、法律など。仕事をする上で知っておきたいこと
副業などで在宅ワークをしようと考えている主婦の方もいるのではないでしょうか。パソコンを使って家でできる仕事で、収入を稼ぐにはどのようにしたらよいのかと悩むママもいるかもしれません。今回の記事では、仕事をするなかで知っておきたい税金や社会保険、法律について厚生労働省の資料をもとにご紹介します。
在宅ワークに関する法律や制度について
家でできる副業などで稼ぐときに、自分の収入が増えた場合に社会保険は夫の扶養のまま入り続けられるのか気になる主婦の方もいるのではないでしょうか。
在宅ワークで仕事をして収入を得た場合は、それに対する所得税が発生するようです。また、在宅での仕事にまつわる税金や社会保険、在宅ワークの法律について知っておくのもよいかもしれません。
在宅ワークの税金
在宅ワークで必要な届出や納税、確定申告について、資料に沿ってご紹介します。
必要な届出は?
資料によると在宅ワークを始めたときには、開業してから1カ月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署に提出すると記載されています。個人事業の開業・廃業等届出書の他にも、青色申告をする場合など税務に関するさまざまな制度を利用したいときに必要になる届出もあるそうです。
在宅ワーカーは確定申告が必要
在宅ワーカーは、自分自身で所得税などの確定申告をする必要があると記載されています。資料によると正しい申告や納税をするために、収入金額や必要経費に関する日々の取引状況を帳簿に書き込んでおき、取引をするときに作ったり受け取ったりした書類などは保存しておくといった内容が記載されています。
納税と確定申告について
所得税などの確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に稼ぐことができた全ての所得の金額と、それに対する所得税などの金額を計算してから申告の期限(翌年の3月15日までが原則とされています)までに確定申告書を提出し、源泉徴収された税金や予定納税の支払いすぎや不足を清算する手続きです。
在宅ワークの社会保険
厚生労働省の資料をもとに在宅ワークにかかわる社会保険の「医療保険」と「年金保険」についてご紹介します。
医療保険
在宅で仕事をしている主婦の方は自分自身の収入が130万円未満で、なおかつ配偶者などの年収の半分未満であれば、配偶者などが入っている健康保険組合や共済組合の被扶養者として医療が受けられるようです。
厚生労働省の資料には、健康保険組合や共済組合などの他の医療保険に入っていない場合は、国民健康保険に入る必要があると記載されています。
年金保険
配偶者が厚生年金に加入しており、さらに以下の条件に当てはまるという主婦の方は国民年金の第3号被保険者になるようです。
・自身の収入が130万円未満である
・配偶者の年収の半分未満である
・20歳以上60歳未満である
配偶者が自営業や会社員の場合でも、在宅ワーカー自らの収入が130万円以上であるか、配偶者の年収の半分以上の場合には、国民年金の第1号被保険者となるそうです。
在宅ワークに関する法律
主婦が家でできる在宅ワークには、民法、下請法、消費者契約法、特定商取引法、家内労働法といった法律がかかわっているようです。厚生労働省の資料をもとに、在宅ワークに関する法律についてご紹介します。
民法
民法では、さまざまな契約に関する一般的なきまりが定められているようですが、そのなかでも在宅ワークをする主婦にかかわりが深いのが請負契約のようです。請負契約では、請負人である在宅ワーカーが自ら仕事を調整して、責任をもって仕事を完成させる義務があると定められています。
在宅ワーカーの責任でない災害などで、完成前の仕事を最初からやり直さなければならなくなっても、原則として余計にかかった費用を請求することができないそうです。できあがったものが不完全であれば、発注者から不完全な点の補修などを求められる場合もあるようです。
また、仕事の内容が契約の目的を達成できないほど不完全であれば、仕事を契約を解除される場合もあるかもしれません。
下請法
下請法は、下請取引の公正化や下請事業者にあたる在宅ワーカーの利益を守ることを目的としているそうです。厚生労働省の資料では在宅ワークと関係が深い取引として、情報成果物作成委託と役務提供委託について紹介されています。
下請法では、発注元が在宅ワーカーに対して不当に低い下請代金を定めることや、在宅ワーカーに責任がないにもかかわらず契約したときに決めた金額を下げることを禁止しているようです。
他にも、納品されているにもかかわらず支払日までに報酬を支払わないことを禁止する内容などが記載されています。
そのほかの法律
特定商取引法では、消費者と事業者との間でトラブルに起こりやすい取引について、事業者が守るべきルールと消費者を守るルールを定めているそうです。
対象となるさまざまな取引のなかでも、在宅ワーカーと関係の深い業務提供誘引販売取引には、制度として20日以内であれば書面によって契約を解除できるクーリング・オフ制度や、事業者が偽った情報を伝えて契約した際に取消しができる取消制度などがあるそうです。
ほかにも、在宅ワーカーが消費者と認められるとき、事業者の不当な勧誘で契約してしまった場合、契約の一部または全てが無効になる「消費者契約法」や、原稿に従って入力を行い、製造・加工業者などから預かったCD-RやCD-RWなどに保存し納品する仕事などに適用される「家内労働法」があるそうです。
家でできる仕事の知識を持とう
パソコンを使った副業などで稼ぐためには、届出を出したり確定申告をしたりとさまざまな手続きがあるようです。資料には、在宅ワーカーにかかわりの深い法律についても記載されています。主婦が家でできる在宅ワークで収入を得る場合は、社会保険の加入条件も調べてみるとよいかもしれません。
税金や社会保険、法律などの知識をもつことも意識しながら、在宅での仕事に取り組めるとよいですね。
※記事内で使用している参照内容は、2018年5月20日時点で作成した記事になります。