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【小児科医監修】マイコプラズマ肺炎の治療法。安静にするなど看護やホームケア
Profile
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
子どもがマイコプラズマ肺炎と診断されたら、通院や薬で治るのか、入院しないと完治できないのか心配に思うママは多いでしょう。マイコプラズマ肺炎の治療法や治るまでの治療期間、安静にするなどのホームケアを解説します。感染者の看護から大人も感染することもある、マイコプラズマ肺炎の看護のポイントもご紹介します。
マイコプラズマ肺炎の治療法
子どものマイコプラズマ肺炎の症状として、発熱や頭痛、倦怠感に加えて、長引く咳が特徴です。治療法についてくわしく見ていきましょう。
マイコプラズマ肺炎は通院で治る?
肺炎と呼ばれているからには入院しなければいけないのでは、と心配するママもいるかもしれませんが、マイコプラズマ肺炎は、ほとんどの場合が、通院とマイコプラズマに効く抗生物質などの抗菌薬による治療で治る病気です。また、症状によっては、自然に治るケースもあります。
マイコプラズマ肺炎は、細菌が原因の肺炎です。処方薬で症状がおさまってきたからと自己判断で薬を飲むのをやめずに、医師の指示に従って回数、期間を守って服用することが大切です。
注意が必要な合併症
マイコプラズマ肺炎から合併症が起こる確率は低いですが、まれに高熱のためにけいれんを起こしたり、中耳炎や脳炎、肝炎、心筋炎、関節炎などの合併症を引き起こす場合があります。また、肺に後遺症が残ると、さまざまな感染症にかかりやすくなるので注意が必要です。
マイコプラズマ肺炎は、悪化すると重症肺炎となり、入院になる可能性もあるため、咳が長引いたり、発熱や全身の倦怠感などマイコプラズマ肺炎かもしれないと思われる症状が続く場合には、早めに病院を受診するようにしましょう。
治療期間
マイコプラズマ肺炎の主な治療法は薬の服用です。処方は7~10日間くらいが一般的なようです。しかし、症状が長引くと治療期間も長期化します。
完治の見極め方
マイコプラズマ肺炎にかかると、完治するまでに時間がかかるというイメージがあるママやパパも多いかもしれません。完治まで長期化しやすい一方で、マイコプラズマ肺炎は正しい治療で完治する病気です。完治の目安は咳がおさまることです。
発熱や頭痛、全身の倦怠感などの初期症状があらわれてから咳がおさまるまで大体3~4週間程度かかると言われています。処方薬を飲むことで、3日程度で咳が落ち着く子もいれば、咳が長引いて、完治するまで1ヶ月程度かかる子などそれぞれの免疫力で違ってくるようです。
マイコプラズマ肺炎の完治には、処方された薬を医師の指示を守って飲み切ることが重要です。一方で、マイコプラズマの原因菌は日常空間に存在するため、1度完治しても、また感染することもあります。
マイコプラズマ肺炎のホームケア
マイコプラズマ肺炎に感染したら、家庭での看護ではどのようなことがポイントでしょうか。
安静にする
マイコプラズマ肺炎は、咳が続くため全身の体力を使います。咳を落ち着かせるために、なるべく安静にすることが大切です。しっかり睡眠をとって体力を回復させましょう。
寝るときの向きに気をつける
咳がひどい時は、背中にクッションを挟んだり、大きめの枕を使ったりして上半身が下半身より高い位置になるようにしましょう。ただし、顔色が悪い時、呼吸が苦しそうな時は、救急病院を受診しましょう。
こまめな水分補給
発熱や長期続く咳は脱水症状になる危険性があります。普段よりこまめな水分補給を心がけましょう。
看護するときの注意点
マイコプラズマ肺炎にかかった子どもを看護するときは、感染者の咳から飛沫感染するため、ママやパパは家庭内でもマスクを着用し、手洗い、うがいなどの対策が大切です。
専門家の意見でも、
“
マイコプラズマは人から人に感染する細菌です。 大人でも感染はおこります。 マスクの着用や手洗いを徹底して予防してください。
出典: AskDoctors
とあり、大人も十分な予防対策が必要です。
また周囲にうつる病気なので登園許可についても確認しておきましょう。
マイコプラズマ肺炎の登園許可
マイコプラズマ肺炎に感染したら、保育園や幼稚園へは、いつから登園できるのでしょうか。
マイコプラズマ肺炎は学校保健法で明確な出席停止期間が定められていません。マイコプラズマ肺炎にかかったときは、医師が感染の恐れがなく、登園してもよいという診断をくだしてから登園すると安心です。保育園や幼稚園によっては、登園許可証の提出が求められる園もあります。マイコプラズマ肺炎にかかったら、通っている園に登園許可証の有無を事前に確認しておくようにしましょう。
早期治療でマイコプラズマ肺炎を完治させよう
マイコプラズマ肺炎と診断されると、入院を心配するママやパパが多いかもしれません。しかし、マイコプラズマ肺炎は必ずしも入院が必要になる病気ではありません。マイコプラズマ肺炎に感染した人のほとんどが通院や薬などの治療法で完治しています。
一方、マイコプラズマ肺炎が悪化し、治療期間が長引いたり、入院や合併症につながるケールは珍しくありません。マイコプラズマ肺炎を疑う症状がみられたら早めに病院へ受診し、早期治療、さらに完治するまでは、なるべく安静にすることが大切です。
マイコプラズマ肺炎にかかった子どもの看護をして大人に感染する可能性もあるので、手洗いうがいや、マスクの着用など家庭内での対策も意識しましょう。
監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)
Profile
眞々田容子
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
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