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【#私の子育て】岡本安代 ~5人の子どもを育て講演会、女優もこなす現役アナウンサー
Profile
KIDSNA編集部の連載企画『私の子育て』。#03はフリーアナウンサー・岡本安代氏にインタビュー。5人の子育てと家事をこなし、アナウンサーだけに留まらず全国各地での講演や女優としてもデビューを果たす彼女は、育児と仕事をどのように両立しているのだろうか。
「今しかない時間を子どもと向き合いたい想いが、仕事への不安を凌駕した」
「笑顔が一番のお化粧。そして褒められることが美容液」
「多忙のすべてが未来への投資だと思うとワクワクする」
こう語るのは、5人の子育てに奮闘しながらフリーアナウンサー兼講演家として活躍する岡本安代氏。
1999年に鹿児島読売テレビ(KYT)に入社。報道部門に所属し、ニュース番組「KYTニュースプラス1」「KYT Newsリアルタイム」などを担当してきた。2001年、同局アナウンサーとの結婚を機に退職後、5度の出産を経験しながらもフリーアナウンサーとして報道・情報・バラエティ番組にて活躍を続けている。
日本一の子持ちママアナウンサーでありテレビで見せるパワフルな姿が話題となり、日本テレビ系列番組「恋のから騒ぎ女子アナスペシャル」「踊る!さんま御殿」にも出演し、「人生が変わる1分間の深イイ話」では密着取材も放送されている。
アナウンサー業以外にも、育児・家事・仕事の両立や若き女性たちに向けた「女性学」を伝える講演会の開催するほか、2018年には鹿児島を舞台とした映画「かぞくいろ〜RAILWAYS私たちの出発〜」にて女優デビューも果たしている。
3男2女を育てながらも、仕事を楽しみ活躍の場を広げ続ける岡本安代氏は、どのようになスタンスで日々成長する子どもたちと向き合い、育児、家事、仕事を両立させているのだろうか。家族への想いや岡本家ならではの家族同士の関わり合いから、その方法を紐解いていく。
両立の苦悩に、誇りと夢をもつ
フリーアナウンサーとして鹿児島読売テレビのロケ番組を中心に明るくパワフルな姿を見せる岡本安代氏。事前に応えて頂いた質問シートからは、5度の子育てに奮闘したからこそ確立された想いが見えた。
テレビで見せる明るく元気な姿からは、不安を覚え悩む姿は想像しにくい。しかし、年を開けずに弟妹を授かり出産。同時に家事も仕事もこなしていれば、休む間もない毎日に弱音を吐きたくなることもあるだろう。
2年おきに5人の子どもを出産した彼女は、自分が選んだ道であっても想像を絶する多忙な毎日に精魂尽き果て、マイナス思考になったこともあるという。「母になり初めて”母ちゃん業”の重労働に気づかされた」と語る彼女の、育児、仕事に対する考えを聞いた。
"次あるわからない"仕事と子育ての両立
結婚を機に退職してからもフリーアナウンサーとして活動するなかで、出産によって自分の立ち位置が変わることへの不安や、それを超越する子どもへの想いを抱え悩んだ時期もあったという。子育てとキャリアのバランスをどのように整えてきたのだろうか。
出産で仕事がゼロになる不安
ーー出産にともない仕事を休むことへの不安はフリーの立場だとより大きそうに感じますが、いかがでしたか?
「一人目の時が一番不安でした。仕事のボリュームがイチからゼロになる不安と、子育てという未知の生活が始まる、ゼロからイチになる不安。
それまではコンスタントに受けていた仕事の依頼が、出産となると期間限定であっても有無を言わさずゼロになる。後輩アナウンサーもひしめいている中で、自分の立ち位置が変わるのではないか、復帰後は元通り番組に戻れるのか。一人目の時は、仕事から離れることに対する不安が大きかったですね」
ーー産後、どのくらいの期間を経て復帰されたのですか?
「現場には、産後3カ月で復帰しました。20年前の当時はまだ子持ちアナウンサーがいなくて、女性が子育てをしながらアナウンサーを続けられるような基盤が整っていなかったので、今では御法度ですが報道デスクにベビーカーをつけて仕事をしていました。
3人目まで報道の仕事をしていましたが、今思えばもっと大らかに、子どもを迎える喜びに満ちていてもよかったのでは、と感じています」
子どもへの想いが不安を超えた
ーーフリーでありながら長く勤めていた番組を離れることは大きな決断だったと思いますが、決めたきっかけは?
「自分の予定やタイムスケジュールなど関係なく飛び込んでくる仕事に対応している時、違和感を感じたことがきっかけでした。
鹿児島はよく台風が来るのですが、まだ1歳にもならない我が子を置いて、深夜でも構わず状況確認のために気象台などに取材に行っていた時期がありました。その時、私には仕事と子育てのどちらが大事なのか、自分は何をやっているのだろうと感じたのです。
体力的にも精神的にも常に張り詰めた状態が続いていたこともあり、今しかない時間を子どもとしっかり向き合いたい想いが、仕事への不安を凌駕したのだと思います」
ーーその後、お仕事はどのように確保されてきたのでしょうか?
「私が日々手作りしていた主人のお弁当がプロデューサーの目に留まり、ある番組内の料理コーナーを10年以上担当させていただきました。そこからまた新たな道が開けましたね」
子どもたちとの「今」が最優先
ーー子どもとの時間を優先したい、でも仕事もしたい。その葛藤とはどのように折り合いをつけてきましたか?
「今も葛藤は続いています。子どもが幼いうちは体力の消耗が激しく悩みましたが、子どもが成長したこれからは進路や子ども同士の人間関係など、複雑な悩みがさまざま出てきます。
先日、娘が悩んでいた時に私が仕事やPTA活動で忙しくしていたために、相談できずにいたことがありました。学校の三者面談で先生から娘の状況を聞いて初めて気が付き『これはまずい』と。
家族の状態に目を配れないほど忙しい状況は自分のキャパシティを超えているわけだから、しっかりできる範囲の活動に抑えようと思いました。私からは子どもたちに『身分相応の活動をしなさい』と言っておきながら、自分ができていなかった。
子どもたちがいつでも『話を聞いて』と言える状況にしておきたいと、今まさに反省しているところです」
ーーそのために、ご自身で仕事の量を調整されているのですか?
「そうですね、それができるのも、フリーの利点だと思います。
今は、『岡本さんにお願いします』と名指しいただいた仕事を優先的にやらせてもらっています。今一番多いのは、講演会ですね。
いただいた仕事はすべてこなしたいのが正直なところですが、そこを我慢して子どもと向き合える今を、後悔がないように過ごしていきたいと思っています」
周囲とのつながりが助けになる
ーー講演会は全国各地で行われていますよね。帰宅時間が遅くなる時は子どもたちを預けることもありますか?
「子どもたちが幼かった頃は、夫が早く帰れる時は夫に頼み、難しい場合は私の妹に来てもらうこともありました。幼稚園のお迎えに間に合わない時などは、ママ友にもとても助けてもらいました。周囲の人たちに恵まれていたと思います。
成長してからは、子どもたちだけでお留守番することもありました。その時はやはり心配なので、こまめに連絡を取り合い、火は使わない、来客が来ても出ないなどのルールを細かく決めて乗り越えてきました」
ーー子どもの病気で仕事をお休みしなければいけないこともあったのでは?
「ありましたね。どうしても休めない時は病児保育を利用したこともありますし、子どもが入院した時は病院から通勤していました」
プラスの姿勢が子どもの応援心を高める
ーー子育てをはじめてから、仕事への熱量に変化はありましたか?
「フリーアナウンサーという立場なので、『次があるかはわからない』という緊張感をもってすべての仕事と向き合っています。先方や視聴者の方々に100%喜んでもらえるために自分に何ができるのかを、より必死に考えるようになりました。
それに、子どもに自信をもって語れるように仕事をしていきたいですね。私が愚痴を言ってしまうと、子どもたちは仕事に対してマイナスなイメージをもってしまいます。そうすると、仕事をする私を応援してくれなくなるんです。
愚痴として出てしまいそうなときは『こんなことがあって、新たな学びになった』と変換して言うようにすると、子どもたちの好奇心や知識欲を満たせるので、より応援してくれるようになる。その連鎖を続けていきたいですね」
目標は、挑戦し続ける姿を見せ続けること
ーーこれからさらなる活躍に向けて、目標などはありますか?
「具体的な目標というよりも、子どもたちに『母ちゃん頑張ってるね』『母ちゃんにはかなわない』と見てもらえるような背中でいたいと思っています。女優デビューが叶った時も、『女優になりたい!』と言い続け家族に『何言ってるの』と呆れられながらも諦めず、40歳で受けたオーディションで受かりました(笑)。
『やってみたい』『こんな風になりたい』という気持ちを原動力に変え、向かっていく気持ちを子どもたちにも持ち続けてもらいたいと思うし、私もずっと続けていきたい。
岡本家のルールで、毎月それぞれが目標を掲げるんです。その目標をあえてみんなの前で言葉にし、脳にフィードバックすることで目標が明確になっていくのだと思います」
ーー具体的に今、岡本さん自身が取り組んでいる事はありますか?
「福岡の学校に在籍していて、インプットのために会合や講演会に行くようにしています。通学のため家を空ける度に帰宅後家族に報告会を開くのですが、子どもたちには『こういうこと学んだんだね。もっと学校や講演会に行ってきて』と言われています(笑)」
子どもとの時間と仕事、その狭間で揺れ続けた母親初心者の頃から、すべてにおいて後悔のないように生きると決めた。それこそが楽しく仕事をし子どもたちに応援されながら過ごす現在の日々へとつながったようだ。
夕飯時間が3度ある岡本安代の一日
一番下の子も既に小学3年生となり、子どもたちが幼かった頃に比べると時間管理もスムーズに進む。しかし子どもは5人。仕事をしながらそれぞれと意思疎通を図るには工夫も必要だろう。日々の生活で欠かせない岡本安代氏独自のルールについて聞いた。
3度の夕飯で家族時間をつくる
ーータイムスケジュールを見ると夕飯と夕飯準備、合わせて3回ありますね?
「①は小学生2人の時間です。中高生になると帰宅時間が遅くなるので②の時間に再び夕飯があり、夫が帰ってくる③の時間に3度目の夕飯となります」
ーー岡本さんは、どの時間帯に夕飯を食べているのですか?
「2回に分けて①と②の時間で食べ、夫の夕飯時にはお茶を飲みながら対座していることが多いです。
夫も私も仕事の時間が不規則で、子どもたちが成長すればするほどみんなが忙しくなってしまって。誰かが努力しないと、一緒に過ごすことが難しくなるんですよね。夫も努力してくれますが帰宅時間が遅いので、まずは私ができることをやろうと」
ーー準備時間が分かれていると片づけもなかなかできず、大変ではないですか?
「食器洗いは、長女が手伝ってくれるようになりました。それがあるから、3回に分けられているのだと思います」
自分のことは、自分でする
ーー子育てと仕事を両立するためのマイルールに「〇〇しない時短」とありますね。具体的に言うと?
「例えば、料理ならフライパンをいちいち洗わないで済むように、汚れない順番で調理をする。洗濯物も子どもの人数分のカゴを用意して、乾いたらそれぞれのカゴにそれぞれの衣類を入れていき、畳むのは自分でやる。
家事はできる限り分担して家族で回していこう、というスタンスをとっています」
ーー子どもたちがその習慣を身につけられるように、工夫してきたことはありますか?
「何事も他人事ではなく自分事のように思えるように、一日の目標や出来事、感じた気持ちなどあらゆる物事を大人も子どもも関係なく、家族みんなで共有するようにしてきました。
それが、能動的に動くための秘訣かもしれません。
仕事に行く時も『君たちのおかげで仕事に行けるよ、ありがとう』と伝えていると、いつもより朝が早い日など、子どもが私より先に起きてくれることもあります。一緒に戦っているような感覚を持ってくれているのかもしれませんね」
岡本家には朝の会と夜の会があり、子どもたちそれぞれには宿題の他にも掃除や新聞音読、日記を書くなどの日課があるという。それ以外にも家事手伝いなどを自ら担う気持ちが芽生えたのは、コミュニケーションを第一に考える母と岡本家独自の教えによるもののようだ。
心が育てば、育児も家事も楽になる
岡本家には家族の人数が多い分、必ず欠かさず行っている習慣があるという。その習慣によって子どもたちは何を学び、どのように育ったのだろうか。
家族みんなで情報共有
ーー岡本家には、朝の会と夜の会があり、日記を書く時間なども日課とされているそうですね。アウトプットに重きを置く理由を教えてください。
「家族や会社、部活、チームなど、ひとつのグループにとって情報共有は欠かすことのできない、大切な要素だと思っています。
共有することで、お互いがどのような状況にあるのか、どのような気持ちでいるのかを把握できますよね。だからこそ、相手の立場に立ち考え、協力することができると思っています」
ーー相手を知り、自分も知ってもらう。協調性も育まれそうですね。
「そうですね。子どもたちはそれぞれ、相手の都合や立場を考えられるようになりました。みんなが面倒に思わない間は、みんなで共有するに越したことはないと思っています」
夫は話を聞いてくれる、それだけで充分
「イクメンという言葉をよく耳にしますが、私は夫には話を聞いてもらうだけで充分と感じています。九州男児、という言葉があるように県民性もあるのかもしれませんが、夫が台所に立つ姿を想像すると違和感があります(笑)」
ーーそれでも、子どもから目が離せず大変なこともあったのでは?
「4人目が生まれてしばらくは、もうこの場から逃げ出したいと思うこともありました。睡眠は平均2時間で授乳により体力もどんどん抜けていく。夫と子どもたちの食事に加え離乳食も作っていたので、一番辛い時期でした。
その時に夫が『そんなに頑張らなくていい。そこに居てくれるだけでいい』と言ってくれて、すごく楽になりました。
今でも体調を崩し口数が減ると心配してくれます。ボリューム的には静かになって、ちょうどよいと言われますが(笑)」
ーーご主人とは育児方針や子どもに関する悩み事も相談しますか?
「していますね。夫は普段帰りが遅く子どもたちに会えないので、その日の子どもたちの様子を伝えることも、夫婦のコミュニケーションの一環になっています。しっかり相談ができるし普段から話を聞いてくれるので、それだけでありがたいと思っています」
子どもたちが幼かった頃から「ワンオペ育児だった」と語るが、特に不満はなかったという。相手の立場に立ち自分にできることをする。ご主人はその役割を果たし、それに対する感謝の想いから学び設けたルールが、子どもたちの心を育んでいるのかもしれない。
育児と仕事と家事、両立のためのマイルール
子どもたちが家事を手伝ってくれるにせよ、家族全員の時間管理と生活管理、さらには仕事を担う母は、毎日非常に忙しいものだ。岡本安代氏の疲れを飛ばすマイルールを聞いた。
ブログを書いて気持ちをリセット
ーー疲れた時、ブログを書いてご自身と向き合われているそうですね。
「家族間でも、夫婦間でも、どんなに仲が良くてもストレスを感じることはありますよね。
その時はつい相手の嫌なところしか見えなりがちですが、ブログで相手の良いところ褒めていると、改めて相手の良さに気づくことができるんです。昔から書くことで自分を落ち着かせ、考えを整理整頓しています」
ーー書籍にも書かれていた「義両親に送っていた娘目線のメール」も、自分の気持ちを落ち着かせるためでしたよね。とても良いアイデアだなと思いました。
「長女がまだ幼かった頃は私も若く、思うようにいかない子育てに腹を立てることもありましたが、娘目線で文章を書いてみると『こういう気持ちだったのかな』と気づくことができました。
わかろうと思って始めたわけではないのですが、毛羽立った心をトーンダウンできていましたね。
娘目線のメールなので、義両親もとても喜んでくれましたし、このメールを続けていたことが、後にブログへとつながっていきました」
笑顔がお化粧、褒め言葉が美容液
ーー疲れやストレス解消法には「好きな音楽を聴きながら寝る」とありますね。
「私の疲れを察知すると、家族が布団を用意し私の好きな音楽をかけてくれて、娘に『寝ることが美への近道』と言われながら寝かされます(笑)。子どもたちは私に足つぼマッサージをするのが好きなようで、『寝て!』と言いながら痛さに悶絶している私を面白がっています(笑)。
睡眠は疲れを取るために欠かせないのでとてもありがたく眠らせていただきますが、やはり笑顔が一番のお化粧かなと思っています。そして褒められることが美容液。
なので家族間では、お互いによく褒め合っていますよ。子どもに『鼓舞名人』と呼ばれる所以はそこにあります」
例え面白半分でも、自分を気遣う心を見せる笑顔の子どもたちがそこにいれば、どんな疲れも笑いとともに吹き飛ぶだろう。母に一番の化粧を施してくれるのは、いつだって子どもたちだと気づかされるエピソードだ。
子育てのターニングポイント
5人の子育てと家事、仕事に追われる中で、気が付くと子どもたちは大きく成長していたと語る。どのタイミングで、どのような変化を感じてきたのだろうか。
ーー子育てのターニングポイントを感じたことはありますか?
「幼稚園から小学校に進学するとき、子どものたちのなかでも『お姉ちゃん、お兄ちゃんになった』というしっかりとした感情が出ていたように感じます。
今までは大人の目線が常にそばにあったのに、自分の足で学校に行き、自分で景色を選びながら家に帰る状況になってから『しっかりしなきゃ』という意識を持ち始めたと感じました。
学年が上がるにつれて、親が朝早く出勤し夜遅く帰宅しても大丈夫になったことも、大きな変化でしたね。子どもたちが寂しいだろうと私たちは危惧していても、仕事を応援してくれるようになりました。
中高生にもなると親と仲良すぎるのも嫌がる時期に入るので、この距離感がちょうどいいのかもしれない、と感じることもあります。
先日は私の疲れ顔を見かねた長女が『仕事場で元気でいることがお母さんの仕事。ここは私に任せて』と食事の準備を担ってくれて、そんな風に思ってくれているのかと。
親が思っている以上に、子どもは大人だなと気づかされました。心強い限りです」
日々の忙しさに追われていると、毎日少しずつ何かを習得している我が子の成長に気づけないこともあるだろう。一方で子どもたちは、いつだって親を見ている。ふとした瞬間に子どもが発する気遣いは、どんな感動をも超越する喜びを与えてくれることだろう。
子どもたちから見たママの印象
岡本安代氏といえば、いつだって元気で明るくパワフルな印象だ。子どもたちにはどのように映っているのだろうか。
ーー子どもから見た印象に「鼓舞名人」とありますね(笑)。
「子どもたちの成長を見つける度に鼓舞しています(笑)。鼓舞すると、嬉しくてもっとがんばってくれる。成長に私が便乗している感じですね。
家族の間でも鼓舞し合うことを大切にしていて、例えば忙しくしている家族には『人気者だね』『引っ張りだこだね』と言うなど、本人が想像していなかった前向きなイメージを与えて、そこから派生する想いを常に共有していきたいと思っています」
ーーロケ番組に映画に出ている岡本さんを、子どもたちはどのように見ていますか?
「単純に『嬉しい』と言ってくれます。映画に出たときは『夢は本当に実現するんだね』と言ってくれていて、やりたい気持ちを持ち続けることや、何かを続けることの大切さを、子どもたち自身が話し合ってくれています」
褒め合うことは大人子ども関係なく、美容液にもなり未来への活力にもなるのだろう。楽しく活き活きと挑戦を続ける母の姿を見て、アナウンサーになりたいと語る子もいれば、キャリアウーマンに憧れる子もいるという。働くことを楽しむ背中を見せることで、子どもたちの「働くことは楽しいこと」という意識付けに成功しているのだろう。
多忙のすべては、未来への投資
最後に、子どもとの生活が始まってから変わった岡本安代氏の生活について聞いた。
「自分本位ではなくなり、『for me』から『for you』になりました。子どもが喜ぶこと、家族が喜ぶことが、私の喜びになりましたね」
ーー「私の持論」に書いていただいた『全てが未来への投資だと思うとワクワクする』、とてもよい言葉ですね。
「ありがとうございます!
仕事もPTA活動も、いろいろなご縁がつながり、役割を果たすことで新しい道が開けると思っています。辛い時期、苦しいこともありますが、母親になったからこそ視野が広がり、時間が限られるからこそ密度が上がる。プラスになったことも数限りなくあるはずです。
PTAの役員もやらせていただいていますが、また新たな見方を習得できると思うと誇りに思えます。そう考えると取り組み方自体も変わり、自分への周囲の反応も違ってくる。
そうして構築した周囲との関係性や考えによって、また新たな世界が開けるのではと、日々楽しみに感じています」
編集後記
イメージしていた通り、取材時もハツラツとした笑顔とよく通る大きく明るい声で話してくれた。毎日の忙しさを感じさせない明るい笑顔は、子どもたちと常にしっかりと絆をつなぎ、お互いに理解し補い合う関係性を保てている賜物なのだろう。自分もこんな風に子どもと向き合っていきたい、そんな風に素直に思える取材だった。
KIDSNA編集部
【岡本安代氏 関連情報】