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きょうだい子育てのお悩みのひとつが第一子と第二子以降への接し方。そこで今回は、現在きょうだい育児をする、ご自身も長子のママ、パパを中心に、長男・長女の子育てで意識しているポイントについて聞きました!
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」
現在子育てをされている長男、長女のみなさんも、子ども時代、一度はこのセリフを言われたことがあるのではないでしょうか。
かつてはこのような「長子は年下を慮り、下の子の面倒をみるのは当然」という風潮が当然のようにありました。
また、そのまじめさゆえに、親からの期待に応えなければとプレッシャーでがんじがらめになってしまいがちなのも第一子の特徴。
「マイペース」「まじめ」「面倒見がいい」などと言われがちですが、第一子は生まれながらにして長子だったわけではありません。
一人っ子として生まれ、両親の愛を独占していたにも関わらず、ある日突然第二子が生まれたことで、「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」にならざるを得なかったのです。
時代は代わり、かつて長子として育ったママ、パパたちが親になった現代では、長男・長女に過度な責任を負わせたりプレッシャーをかけたりする子育てを踏襲せず、きょうだいを平等に育てたいと考える方が増えているようです。
そこで今回は、現在きょうだい育児をする保護者に、きょうだい子育てのトラブルと解決策、そしてママ、パパ自身が長男、長女として育った経験から長男、長女に接する際どのような点に気を付けているかを調査しました。
なお、今回のアンケートでは、14人中9人の第一子育ちママ・パパに回答していただいています。
きょうだい間のトラブルをどう解決する?
まず、きょうだい間のトラブルや、親としての接し方でのお悩みについて、「困りごとの内容と、効果的だった対応を教えてください」という質問には、さまざまなきょうだいのエピソードが集まりました。
(女・男・女きょうだいのママ)
(男・男・女きょうだいのパパ)
兄が弟にちょっかいを出すこと。毎回、自分がされたら嫌なことはしないように伝えている。
男・男きょうだいのママ
上の子が下の子に親が見てる時だけいじわるをする。見てない時はすごく助けてくれている。だから、私が上の子と一緒に過ごす時間、下の子と過ごす時間を分けて作るようにしたら、少し落ち着きました。
男・女・男きょうだいのママ
基本、仲良く遊んでいるなと思ったら次の瞬間にはきょうだいゲンカに発展している日々。劇的に効果があったという対策はなく、日々試行錯誤ですが、それぞれとマンツーマンでお出かけするなどしてママの独占デーを作り、子どもの気持ちを安定させるよう努力しています。
中には、きょうだいゲンカは不可避と腹を括り、こんな意見も。
女・男きょうだいのママ
ケンカは思いっきりさせる。
もちろん、きょうだいゲンカは悪いことばかりではなく、
- どこまでしたら相手が嫌がるかを知ること
- 自分の気持ちの伝え方
- 仲直りの仕方
などを身に着ける絶好のチャンスでもあります。無意味に思える日々のきょうだいゲンカの中からも、子どもたちは社会性を学んでいると思えば、少しはママの気も楽になるかもしれません。
また、子どもが二人以上になれば、物理的に子育ての手が足りなくなるもの。
男・男きょうだいのママ
一度に2人の面倒を見れず、途方にくれていました。そんな時、とりあえず児童館に行くと先生方が下の子を抱っこなどをして面倒みてくれました。上の子もアスレチックなどで遊ぶ事ができて助かりました。
男・女きょうだいのママ
3歳差の2人目が生まれてからも「お兄ちゃん」ではなく名前で呼んでいる。「お兄ちゃんだから優しくしてあげて!」ではなく、「2人で一緒に小さい赤ちゃんの面倒を見よう」というスタンスでいると、逆にいろいろ世話を焼いてくれるようになった。
「長男、長女だから」と強制をしなくても、「下の子のお世話を進んでしてくれた」という話はよくあるようです。お世話といっても、
- 泣いているのを教えてくれた
- よしよししてくれた
- 遊び相手になってくれた
など些細なことですが、小さいながらに「ママを助けたい」「役に立ちたい」という気持ちの芽生えにはきゅんとしてしまいます。
第二子が生まれても長男、長女を優先した家庭が圧倒的!
次に、「第二子以降が生まれて、第一子への接し方で意識したことはありますか?」という質問には、以下のような回答が集まりました。
女・男・女きょうだいのママ
何事も長女を優先して話を聞き抱きしめるように心がけた。
男・女きょうだいのママ
基本は上の子優先。下が生まれても、本人がいらないと言うまで上の子に授乳していた。
男・男きょうだいのママ
下の子が赤ちゃんのときはなるべくお兄ちゃん二人とでかけました。
女・男きょうだいのママ
年子なのでなんでも平等にして「お姉ちゃんなんだから!」と言わないよう意識してます。
男・男きょうだいのママ
2人同時に泣いた場合は、長男を優先しました。
男・女・男きょうだいのママ
「お兄ちゃんだからお姉ちゃんだから我慢しなさい」という言葉は絶対に使わないようにした。赤ちゃんの間は授乳以外は夫に任せ、上の子との時間を確保。
これら以外にも、なんときょうだいを持つすべての家庭で「上の子を優先した」という回答がありました。
ママ、パパがたどり着いた長男、長女子育ての教訓
最後に「ご自身のきょうだい関係での教訓を、子育てで生かしている、または将来的に生かしたい部分がありましたら教えてください」という質問では、長男、長女だったママ、パパからは以下のような回答がありました。
女・男きょうだいの長子育ちママ
小さいころに両親に「お姉ちゃんなんだから」と言われて何事も弟を優先しているなと思った記憶が残っています。そのため、我が家は一人っ子ですが、他の小さい子に物や順番を譲った方がよい場面(公園などで)に「あの子、○○よりも小さいから譲ってあげようね」などとはできるだけ言わないようにしています。「楽しそうな○○があるから、そっちにしてみない?」とさらに楽しいものがあるよと、提案をするように心がけています。
女・女きょうだいの長子育ちママ
自分も長女だったのでお姉ちゃんだからと意識させないようにしている。
女・女・女きょうだいの長女育ちママ
お姉ちゃんなんだからは言いたくない。時系列的に平等にしたい。高校生のとき、長女の私は門限があったが、妹が高校生になったときは門限がなかった(私が大学生になってそれに慣れているという部分もある)だいたい緩くなっていることが多いので不公平感を感じた。兄弟ができたらその辺は気をつけようと思っている。
「お姉ちゃんなんだから」という親の一言は、大人になってもこれほど多くの方の心の中に小さな棘となり残っているようです。しかし、中には「姉であることに誇りを持って過ごした」という意見も。
女・男きょうだいの長子育ちママ
お姉ちゃんなんだからと言われ、その通りだと思い弟へ接してきた。お姉ちゃんであることの誇りを持って過ごすことはわるくないので、自分の子どもにも同じように声かけをすることがある。
子どもの性格にもよりますが、「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」として頼られることは、子どもの成長を促してくれる場合もあるでしょう。
また、中間子、末っ子育ちのママ、パパからは、長男、長女とは異なる視点の意見がありました。
男・女・女きょうだいの中間子育ちママ
息子は一人っ子なので我が家の話ではありませんが、きょうだいのいる家ではおさがりではなく新品を買っているという話は聞きます。服だけでなく、年子でもそれぞれに通信教育教材を頼んでいるそう。
男・男・女きょうだいの末っ子育ちママ
上だけでなく下の話も平等に聞くようにしている。
男・男・男きょうだいの末っ子育ちパパ
一つしかないものを分ける時は分けた人が最後に選ぶこと。また、自分は上の二人より勉強ができなかったが比べられることはなかった。
女・女・女きょうだいの真ん中育ちママ
姉から長女は親の実験台ですべてにおいて期待されプレッシャーを感じて嫌だったと大人になってさんざん聞いたので、自分の長男にそのように接さないよう心掛けている。私自身はお下がりばかりで写真も少ないので、子どもたちにはそれぞれ新品を買い与えたり写真を多くとったりするようにしている。
中間子や末っ子育ちのママたちからは、物理的な不平等さを感じさせたくないという声が多かったのが印象的でした。
長男、長女から見た中間子や末っ子は、プレッシャーがなく自由に甘やかされて育っている一方、中間子や末っ子は、長男、長女に比べどこかおざなりにされていると感じながら育ち、それを子どもには味合わせたくないと考えているようです。
今回の調査で、きょうだい子育てをする多くのママ、パパは、これから第二子、第三子を考えるみなさんと同様の不安を感じながらも、長男、長女を優先したり、子どもたちに不平等さを感じさせないよう注意を払っていることが分かりました。
もちろん、親子といえども相性もありますし、完璧に平等に接することは難しいかもしれません。しかし、子どもたちは大人が思う以上にきょうだいから多くのことを学び、時には支え合い、たくましく育ってくれるものです。
本記事は2021年2月22日に配信した記事の再掲載記事です。
<取材・執筆>KIDSNA編集部
3人きょうだいのため、喧嘩の際2対1になると中々気持ちの収拾がつかずうまく収まらない。