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子どもの食育に関する問題と企業による取り組み。食に対する関心を高めるきっかけに
食材の量や種類が豊富になった一方で、核家族や両親共働きの世帯が増えて、簡易な食事をとる傾向が強くなっています。乳幼児期の食事では、栄養面はもちろん、家族が料理する姿を見たり、家族で食卓を囲んだりすることも大切でしょう。子どもの食育の問題点と、企業の取り組みについて調べました。
子どもの食事についての問題とは
共働きや簡易な食事が増えた現代、子どもの食事の問題点やママたちの食事に対する悩みについて調べてみました。
朝食の欠食
厚生労働省が1歳から6歳の子どもを対象にした調査によると、朝食を毎朝食べる子どもは、2000年は87.3%、2010年は93.3%と増加しています。
親世代の欠食率を調べてみると、20歳代は男女ともに約29%、30歳代は男性が27%、女性が15.1%という調査結果となっています。また、1~3歳児の毎日の朝食の摂取率としては、母親が毎日朝食を食べる家庭が94%、母親がほとんど朝食を食べない家庭が70%でした。
こ食
現代の家庭で問題視されている「こ食」は、7種類あります。
労働環境や生活時間の多様化により、いっしょに暮らしていても別々の時間に食事をする「孤食」が増えています。食事は、他人への関心、日常会話、食事のマナーを育む大切な時間と言われています。
家族でいっしょに食事をするけれど、それぞれ別のものを食べる「個食」。大抵の場合は、レトルトや惣菜などの中食が多く、苦手なものを避け、好きなものだけを食べてしまうなど、栄養の偏りが心配でしょう。
その他に、食事時間に親が不在で子どもだけで食べる「子食」食事制限をする「小食」、同じものばかりを食べる「固食」、パンや麺類など精粉食品ばかり食べる「粉食」、味付けの濃いものばかり食べる「濃食」が問題視されています。
食事時間に、子どもに食事のマナーを伝え、楽しく語り合い、栄養バランスを整え、家族の身体や心の変化を知るためには、これらの「こ食」を避ける必要があるでしょう。
子どもの食事の悩み
1歳以上の子どもの食事についての親の悩みは、遊び食い、偏食、むら食い、時間がかかる、あまり噛まない、散らかし食い、早食いなどさまざまあるようです。食事に対する悩みを解消するには、早寝早起きをするなど、生活リズムを整えることが必要のようです。
企業による食育の取り組み
子どもの食の問題があるなかで、食育への取り組みを積極的に行っている企業もあるようです。スーパーや外食産業など、食べ物にかかわる企業が多く、手軽に参加できたり、家庭でも活かすことができる取り組みもあるようなので、ご紹介したいと思います。
食品メーカーによる食育の取り組み
農業体験から学ぶ食の大切さ
NPO団体と連携して農業体験教室を開催し、社会貢献をしている大手食品メーカーもあるようです。耕作・田植え・収穫などの農作業、生態系破壊などの環境教育、自分で収穫したお米や野菜を使った調理・食事、という数回の連続実習。作ること、知ること、食べることの大切さを学ぶようです。
インターネットで手軽に学ぶイラストつき食育サイト
お菓子メーカーでは、食育のサイトを作っている企業もあるようです。会話形式の食育アドバイス、ゲーム、マンガ、料理教室など、イラストつきで子どもにも読みやすいコンテンツがいっぱいです。
流通産業での食育への取り組み
大手スーパーマーケットでも、子どもの食に対する関心を高める活動をしています。
店内のポスターやチラシで食に関する情報を発信
スーパーマーケットをチェーン展開する企業では、売り場に食育のポスターを掲示しています。朝食や野菜の必要性を、バランスガイドとともに、分かりやすい言葉と図で発信。また、旬の食材についての情報をチラシに掲載して、積極的な摂取を推進しています。
お買い物ゲームや体験を通して直接触れる機会を
近隣の小学生を対象とした食育体験を行っているスーパーマーケット。栄養バランスや野菜などの勉強をしたあと、実際に店内でお題に合わせた野菜選びを子どもたち自身で体験、予算内で買い物をするお買い物ゲームをします。お店のバックヤード見学や、サラダ作りを組み込むこともでき、子どもが実際の野菜に触れることで、食べ物への関心を高めるのに役立っています。
食に対する関心を高めることから始まる食育
食に対する子どもの問題や、企業の取り組みについてご紹介しました。
食べているものからつくられる体。栄養バランスのとれた食事が健康の源となることを、食育を通して、親子で意識することができたらよいですね。企業の取り組みに参加したり、家庭でも取り入れたりと、さまざまな形で、子どもに食事の大切さを伝えていきましょう。
※記事内で使用している参照に関する内容は、2017年12月27日時点の情報となります。