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5歳までのしつけや環境が人生を決める。ニュースでよく耳にする「教育格差」とは?
今回は、ニュースなどでよく取りざたされている「教育格差」についての記事です。「どの親の元に生まれたかによって子どもの学力に大きな格差が生じる」といわれるこの社会問題を把握し、意識していくことが大切なのではないでしょうか。子どもの将来のために今してあげられることは何かを夫婦で話し合い、格差を感じない教育環境づくりをしてみませんか。
そもそも「教育格差」とは?
生まれ育った環境により、受ける教育に格差が生じることを指します。
進学校の選択肢が多くハイレベルな塾や予備校へ通うことができる都会と、それが叶わない地方との格差、そして世帯収入によって子どもの教育にかけられる費用に差があるといわれています。
日本においては、いずれの格差も最終学歴に大きな影響を及ぼし、最終学歴がその人の人生を左右する割合が大きいため、現代の教育問題として取りざたされています。
世帯収入に比例する学力
公立小学校6年生を対象にした「世帯収入(税込年収)と学力の関係」〈参考資料①〉によると、世帯年収が200万円以下の子どもの正答率は国語Aの正答率が50%超ですが、1500万円の家庭の子どもは70%を超えています。
算数でも同じような比率の結果が出ているので、世帯年収が高いほど正答率が高い傾向にあり、世帯収入差=学力差が成り立っているのがわかります。
できる範囲で子どもの教育にお金をかけていきたいという意識をもつと、目標ができ、いろいろな費用の計画を立てやすくなるかもしれませんね。
学歴を生かした人生
「学歴」を生かした人生については、賛否両論あるようです。
一般的に社会上層は「良い大学に行けば良い会社に入れる」と学力や学歴の効用を信じて勉強する一方で、社会下層は学歴の効用を信じずに「勉強をしても良い企業に入れるとは限らない。だから勉強をする必要はない」と反発して受験や勉強を放棄するため、社会下層において学力低下がより進行し、学力格差が広がるという現象も起きています。
「学歴フィルター」とは
この言葉は就職活動期を迎える大学生の間で、認知度が高いようです。
一定レベル以上の大学に在籍しているかどうかで、会社説明会など就職活動の初期段階でフィルターにかけられ、不採用となってしまうことを意味しています。
実際にある企業の説明会にCランクの大学だと申し込みができない状態になっており、Aランクの大学だとエントリーができるという事例もあり、就職できる企業の選択肢に差が出てくることがあります。
「学歴は仕事に関係ない」と言えるのは、社会でスキルを積んだ場合に当てはまり、新卒をねらった就職活動時には、”学歴”が壁となる場合があるようです。
誕生直後の環境が重要!?
2000年にノーベル経済学賞受賞したアメリカの経済学者:ジェームズ・ヘックマン氏(シカゴ大学教授)は、「5歳までのしつけや環境が、人生を決める」といっています。1972年、ジェームズ・ヘックマン氏は平均生後4.4ヶ月の子供たちを対象に”ペリー幼稚園プログラム”を実施。
保育園にて教育を受けた子どもたちは、学校の出席率や大学進学率が高く、「いい仕事」に就いている割合も高くなったことから、誕生直後の環境が大事だと唱えています。
早い時期から、将来に向けた教育方針を夫婦で話し合い、環境を整えていきたいものですね。
質の高い時間をすごすことが重要
いろいろなおもちゃや勉強道具を与え、勉強できる環境(学校や塾、家庭教師、習い事など)さえ与えておけばよいというわけではありません。ものや先生に任せきりでは、本当の意味で学力向上にはつながらないといわれています。
学力が気になるパパママこそ、愛情を持ってしっかりと子どもと向き合い、いっしょに遊び、楽しみながら学ぶとよいでしょう。
お金をかけなくても親子の時間の質を上げることが、能力の高い子供へと成長させるポイントなのかもしれませんね。
親がしてあげられること
教育を受ける子どもの年齢が低いほど、親(保護者)からの影響力は大きいようです。
「人生、やり直しかきく」という考え方もありますが、低年齢のうちに受けた影響を成長してから補正しようとしてもなかなか難しいものです。
学習そのものの習慣をはじめとして、教育や進学に対するモチベーションは高くもつというスタンスを親が意識することが大切なのかもしれません。子どもの教育プランを夫婦や周りの大人ときちんと話し合い、「教育格差」を感じない環境づくりをしてあげたいですね。