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2030年、世界はどうなっている?子どもが今から身につけるべき4つの力
2030年、今の子どもたちが大人になったころ、この世界はどうなっているのでしょうか。テクノロジーの変化のペースがこのまま加速すると、私たちの暮らしはどうなっているのでしょうか。今から子どもに身につけさせたい、4つの力について考えてみました。
「先のことはわからない」で、いい?
私たちが子どものころと現代では、世界は大きく変化しました。今の子どもたちが大人になる2030年も、大きく変化していることでしょう。
そこで、現時点で予想されている世界の大きな変化と、それに対して今の子どもに身につけてほしい4つの力について考えてみました。
1. 多様性を認め合う力
個の力が増大する
2030年には、かつて強い力を持っていた政府や大企業より、「個人の力」が拡大していくと予想されています。すでに、これまで政府が独占していたようなサイバー技術やバイオ技術が、個人でも入手できるようになりつつありますね。
また、ますます外部との交流が活発になり、スマホのような高機能携帯端末が欠かせないものになるでしょう。ソーシャル・メディアを通じた情報交換が活発になり、これまで以上に価値観の多様化が進みそうです。
情報網も強化される
個の力や情報網が強化されていくと同時に、政治・宗教などのイデオロギーの衝突は不安材料として残ります。なので、子どもたちには、多様性を認め合う価値観を身につけてもらいたいですね。また、情報を処理する能力も生きていくうえで大切な要素になりそうです。
2. コミュニケーション能力
権力が拡散する
2030年までに国際社会の権力構造も大きく変化するといわれています。権力は分散され、発言権を持つ国家の数が増えて、また国以外の団体やネットワークの発言力が増大すると予想されています。
世界有数の金融機関であるゴールドマン・サックスは、今後高成長が期待できる国家を以下のように予想しています。今とはちょっとちがった世界になりそうですね。
バングラデシュ、エジプト、インドネシア、イラン、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、韓国、トルコ、ベトナム
発言力が多様化
覇権国家がなくなり、発言力を持つ国や団体が多様化することが予想されています。コミュニティや地域での人との関わり方も今とはずいぶん変わったものになりそうです。コミュニケーション能力を身につけて、どんなバックグラウンドを持つ人とも意思の疎通ができるようになったらいいですね。
3. グローバルな視点
高齢化と若者の減少、移民の増加
2030年には、人口構成が大きく変化することが予想されています。まず世界人口の平均年齢が上昇して高齢化が進み、若者社会は縮小するといわれています。それに関連して移民の動きが活発になり、豊かさや労働人口の格差が国家間で広がるかもしれません。先進国では、出生率の低下が進み、ますます移民を受け入れざるを得ない方向に進むようです。
異文化理解や語学
高齢化と少子化は、すでに日本でも深刻な問題になりつつあります。移民も少しずつ増加傾向にあるので、子どもたちにはますますグローバルな視点が必要ですね。異文化に対する理解や語学力は必須のものとなりそうです。
4. たくましく生き抜く力
深刻な食糧・水問題が起こる?
2030年までに食料需要は35%拡大しますが、食料生産は減少し、食料不足は深刻な問題になるといわれています。しかし、新技術などで生産効率が向上し、ある程度対処できるともいわれています。
また、OECD(経済協力開発機構) は、2030年に世界人口の約半数が水不足の不安がある地域に住む状態になると予想しています。降雨量や平均気温の変化など、気候変動も大きな要因になりそうです。
エネルギーや環境問題も
気候や環境の変化には適応していくしかないので、どんな状況でもたくましく生き抜く力が必要になりそうですね。ただ、エネルギーや環境問題は、私たちひとりひとりが配慮することによって最悪のケースを避けることができるので、次世代のためにも考えていきたいですね。
大きな変化に対応する力
予想されている2030年の世界を見てみると、まずは「変化に対応する力」が必要な時代になるともいえそうです。子どもたちには、あらゆる変化への適応力を身につけてもらいたいですね。
先を予想して対処法を考えるより、変化に対して臨機応変に対処していくたくましさが必要となりそうです。また、語学力や、新技術に対する知識はこれからますます必須となりそうなので、うまく教育に取り入れていきたいですね。
参考文献
米国国家情報会議 編 『2030年 世界はこう変わる アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」』