【産婦人科医監修】妊娠中にのど飴はなめてもよい?選び方の注意点

のど飴の種類やポイントなど

【産婦人科医監修】妊娠中にのど飴はなめてもよい?選び方の注意点

妊娠中、のどの痛みが気になってのど飴をなめたいけれど、のど飴の成分などがお腹の赤ちゃんに影響しないか心配になるママもいるかもしれません。のど飴の種類と、妊娠中ののど飴選び方のポイントや注意点について解説します。

妊娠中にのど飴をなめてもよい?

妊娠中は食べ物や飲み物に気を遣うママも多いでしょう。食べられるものとそうでないものの判断が難しいと感じる妊婦さんもいるのではないでしょうか。

妊娠中にのどが痛くなると、のど飴をなめたくなったり、病院に行くまでの症状でないとのど飴で対処しようと考える場合もあるでしょう。薬を飲まずに治したいこともあるかもしれません。

医薬品のど飴やハーブエキスの入ったのど飴もありますが、妊娠中に食べてもよいのでしょうか。

妊娠中でも食べられるのど飴の種類について詳しくみていきましょう。

のど飴の種類

のど飴の種類
PandaStudio/Shutterstock.com

さまざまなのど飴が販売されていますが、のど飴は3つの種類に分けられます。


医薬品のど飴

医薬品のど飴は治療を目的としたのど飴です。のどの痛みや腫れ、咳やたんを伴うのどの痛みがあるときになめると、症状を和らげることができます。

医薬品のど飴のなかには、厚生労働省がのどの炎症を抑える効果や効能を認めた成分が含まれているものもあります。

販売に許可が必要になるため、医薬品の販売ができる薬局やドラッグストアで購入ができます。


医薬部外品のど飴

医薬部外品のど飴は、医薬品のど飴と比べると効き目が弱いのですが、のどの炎症や不快感を和らげる効果があり、副作用が少ないのが特徴です。

医薬品のど飴と違い販売の許可が必要ないため、スーパーマーケットなどでも販売されています。


食品のど飴

食品のど飴は医薬品のど飴や医薬部外品のど飴と違い、のどの痛みや腫れなどの炎症を和らげる効果はありません。

食品のど飴は、味の種類が豊富で医薬品のど飴のように販売規定がないため、お菓子のように手軽に購入できます。

妊娠中にのど飴をなめるときの注意点

妊娠中にのど飴をなめるときは、以下のことに注意しましょう。


医薬品のど飴は自己判断で食べない

医薬品のど飴に含まれる成分のなかには、お腹のなかの赤ちゃんに影響を引き起こす可能性があるものもあるので、自己判断で食べずに、医師に相談することが大切です。

医薬品のど飴と医薬部外品のど飴の判別が難しい場合は、購入する前に必ず確認しましょう。

専門家も以下のように言っています。

南天のど飴の主成分は生薬の鎮咳作用、消炎作用効果のあるものですが、医薬品に分類されているので、妊娠中には、医師に相談して服用 となっています。 今回2粒だけでしたら、少量なので、まず問題はないと思います。

出典: AskDoctors

食べすぎない

飴の食べすぎに注意
ratmaner/Shutterstock.com

のど飴の主な成分は砂糖なので、食べすぎると体重の増加や虫歯になる可能性があります。

妊娠中の体重増加は妊娠糖尿病を引き起こすこともあり、血糖値が高くなりすぎると、巨大児や羊水量の異常など妊婦さんやお腹のなかの赤ちゃんに負担がかかる可能性があるので注意が必要です。

妊娠中に虫歯になった場合、麻酔やレントゲン撮影を伴う治療ができるか心配になることもあるでしょう。

歯の局所麻酔は薬液の使用量が少なくお腹のなかの赤ちゃんに影響はないですが、妊婦さんの体調を優先して麻酔後に気分を悪くしたことがある場合は医師の判断で治療を行わない場合もあります。

食べすぎに注意して、なるべくノンシュガーののど飴を選ぶようにしましょう。選ぶ際にカロリーを確認したり、1日になめるのど飴の量を決めるのもひとつの方法です。

体調によって歯磨きが難しいときもあるかもしれません。妊娠中でも歯の治療はできますが、飴を食べたときには歯磨きなどケアを意識しましょう。


成分に注意する

のど飴には、のどをすっきりさせるためのハーブエキスが入っているものがあります。

のどの痛みが気になるというときハーブエキスやキシリトール成分ののど飴をなめたくなる妊婦さんもいるでしょう。食品のど飴は安心して食べられると感じるかもしれません。

ハーブエキスが含まれていると、妊婦さんの子宮収縮につながる可能性があるため、ハーブエキスを含むのど飴は、妊娠中には避けた方がよいです。

また、キシリトール成分ののど飴は、なめすぎると下痢を引き起こす場合があるので注意が必要です。

商品名を見て判断ができない場合は原材料など成分をよく確認しながらのど飴を選びましょう。

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Sheila Fitzgerald/Shutterstock.com

のどの痛みが気になったり、甘いものを食べたいとのど飴をなめたくなる妊婦さんもいるでしょう。

のど飴には、医薬品のど飴と医薬部外品のど飴、食品のど飴と種類があります。手軽に購入できるのど飴が多いですが、医薬品のど飴を購入する場合は含まれる成分によってお腹のなかの赤ちゃんに影響する場合もあるので、医師に相談することが大事です。

ハーブエキスやキシリトール成分ののど飴は子宮収縮につながったり、下痢などの症状を引き起こす可能性があるので妊娠中は控えたほうが安心です。

のど飴も食べすぎると体重増加や妊娠糖尿病や虫歯になる可能性があるため、妊娠中は食べる種類や量を選ぶことが重要です。食べたあとのケアも意識しながら行いましょう。

監修:杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

Profile

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。 患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

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