子育てをする上で知っておきたいことのひとつが、子どもがケガや病気をした際に必要となるお金の問題。国の「医療費助成制度」に加え、住んでいる市や町の自治体が助成する、「乳幼児医療費制度」についてはしっかり情報収集しておきたいものですよね。また、自治体によっては子どもへの医療費の自己負担額が無料になるところもあり、医療費にまつわる制度は自治体それぞれで異なっているので、住んでいる地域ごとに確認する必要があります。今回は、子どもの医療費制度の基礎知識から、地域で異なる医療費の情報、押さえておくべきポイントをご紹介します。
国による子どもを対象とした医療費の助成制度はどのようになっているのでしょうか?医療費の保険制度や助成制度の現状をチェックしていきましょう。
2017年現在、日本の医療保険制度では健康保険法の原則として、0歳から小学校入学前の子どもへの医療費負担は自己負担が2割に軽減されています。小学生以上になると、医療費負担は3割になり、70歳までの大人と同等の額の医療費が必要です。
子どもにかかる医療費の2割から3割負担を軽減させるため、「子どもの医療費助成制度」と題した取り組みが各地方自治体で進み、現在では全国すべての地方自治体が独自の助成制度を制定しています。
乳幼児医療費制度として、自己負担額の無料または一部負担の助成を行っている場合があり、住んでいる地域で差が生じているのが現状です。
また、地方自治体の助成する乳幼児医療費制度は、対象となる年齢もさまざま。中学校卒業までの医療費を助成する自治体が最も多く、小学校就学前までの自治体や、大学卒業まで助成する自治体もあり、各地方自治体の財政状況によって差が生じています。
各都道府県の市区町村に設けられている自治体では、医療費の負担を軽くするための独自の助成制度を制定しています。自治体ごとに異なる医療費助成の特徴をみてみましょう。
2016年、厚生労働省が実施した乳幼児医療費制度の全国調査によると、子どもにかかる医療費を無料化する地方自治体は、1,741市区町村の内1,054件に及びます。
ただし、所得によって助成の有無を決める地方自治体もあり、すべての人が無料になるわけではないので注意が必要です。
また、乳幼児医療費制度には、通院時と入院時で助成が異なる地方自治体もあります。例えば東京23区すべてが中学校を卒業するまで無料となります。保護者の所得制限も無く、子どもの医療費における負担が少ない地区といえます。
乳幼児医療費制度における所得制限を設ける地方自治体は、1,741市区町村の内309件。都道府県別に見た場合、47都道府県中29箇所が所得制限を設けており、なかでも山口・広島・兵庫・神奈川・宮城・北海道などの都道府県は、所得制限を設ける市区町村の比率が多くなっています。
所得制限額は、地方自治体ごとに所得に応じた制限額が決められており、子どもの人数によって所得制限の免除が受けられる地方自治体もあります。
ここでいう所得額とは会社員の家庭であれば、給与所得から給与所得控除額を差し引いた金額を指し、自営業の家庭では、事業所得から必要経費を差し引いた額が所得額となります。
さらに医療費控除や、障がい者控除なども差し引くことのできる対象項目です。
所得制限を設けている広島市の場合、扶養親族等の人数が0人で所得制限額は532万円、扶養人数1人で570万円、扶養人数2人で608万円、扶養人数が3人以上になると1人につき38万円加算された金額が対象となります。
47都道府県中、37都道府県が一部自己負担金を設定しています。負担する金額は各地方自治体で異なりますが、1回の診療で約500円の自己負担額を設定する地域が多数となっています。
一部負担を行う神戸市の場合、0歳から2歳までは通院・入院での自己負担は無料になります。3歳から15歳(中学3年)までの子どもにおいては、通院時には1医療機関・薬局等ごとに1日上限額400円、月2回までが自己負担。月3回以降の通院においては、医療費は無料。入院においては、自己負担なしで利用できる制度が実施されています。
このように、一部負担にも細かく対象年齢や対象項目が定められ、毎年改正が行われているためこまめなチェックが必要です。
乳幼児医療費制度で注目したいポイントが、対象となる年齢です。乳幼児医療費制度を実施する1,741の市区町村のうち、通院において15歳年度末(中学3年生)までを対象とする地域が1,005市区町村と全体の約2/3を占めています。
乳幼児医療費制度は、都道府県内でも住む場所によって助成制度はさまざま。子どもが生まれたら、住民票のある地域の乳児医療制度を必ず確認することが大切です。
また、地域ごとに行われているサポート体制のチェックもポイントになります。地域ごとにどのようなサポートが行われているのか調べてみましょう。
各地方自治体では、乳幼児医療費制度以外にも子どもにまつわる助成やサポート体制を拡充する動きが急速に進んでいます。
たとえば出産時に祝い金を支給する自治体や、小学校の給食費を補助する自治体など、さまざまな助成制度が誕生しており、住んでいる地域の現状や今後の動きを確認することが重要です。
乳幼児医療費制度や、待機児童問題、子育て支援施設など隣接する市区町村で大きく異なる場合もあります。子どもの成長と共に引越しを検討する場合、子どもにまつわる制度が充実した地域への引越しを検討するのも選択肢のひとつです。
また、地域によっては医療費負担は充実しているが、それ以外の子ども手当や子育てママへのサービスが不十分な場合もあり、各家庭の状況に応じた選択を行うことが大切です。
国の医療費制度に加え、都道府県の各自治体が独自で行う子どもを対象とした医療費助成制度があり、住んでいる地域によって子どもの医療費への負担は異なっています。場所によっては自己負担額が無料になるところも。
自治体の制度の確認ポイントは、対象年齢、所得制限の有無とそれに伴う自己負担額。また、医療費以外の子育て支援事業も合わせてチェックしておくと、利用できる施設などが広がる可能性があり、育児をより楽しめるきっかけにつながることもあります。
※記事内で使用している参照に関する内容は、2017年9月8日時点の情報となります。
2017年09月11日
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