あいうべ体操でインフル予防

あいうべ体操でインフル予防

鼻から呼吸をすることは病原体の侵入を防ぎ、私たちの体が正常に機能するために大切なことだと知っていますか?現代では知らず知らずのうちに口呼吸になっている子どもが多く、健康や成長に悪影響を与えています。今回は口呼吸を改善するために考案された「あいうべ体操」で、インフルエンザを予防する方法を紹介します。

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福岡のとある小学校では、みらいクリニック院長の今井一彰先生が考案した「あいうべ体操」を毎日30セット行うことで、その年のインフルエンザ罹患率が大きく下がったというデータが出ています。

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あいうべ体操とは、「あ」「い」「う」と発音するときの口の動きと、「べー」と舌を出すときの動きを組み合わせた体操です。口輪筋という口の周りの筋肉と舌筋を同時に鍛えることで、口呼吸を鼻呼吸へと改善することが可能です。

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毎日繰り返すことで、鼻呼吸の前提となる「口をしっかり閉じること」と「舌を本来の位置に引き上げること」ができるようになります。

ただ、毎日同じ体操をやっていると飽きてしまう子どももいるでしょう。そんなときは、子どもが好きな歌に合わせて行うと楽しんでできるかもしれません。たとえば「きらきら星」のメロディーに合わせて「ああ、いい、うう、べー」と2音ずつ行うと、楽しく効率よく鍛えることができます。

子どもの呼吸マネジメントは親の課題。呼吸を鍛えるコツ

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人間は本来、口ではなく鼻で呼吸をしている状態が正常です。鼻にはフィルターとしての役割があるので、鼻呼吸をしているときは、きれいで温かく湿った空気を吸うことができます。

しかし口呼吸をしていると、病原体や有害物質がのどにあるリンパ組織に直接触れるために感染症にかかりやすくなったり、冬の乾いた冷たい空気を口から吸うことで、身体のはたらきを鈍化させるリスクが高くなってしまいます。

子どもの7割が口呼吸。マスク生活で見落としがちな呼吸の重要性

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あまり知られていませんが、身体の免疫力を高める方法として食事・睡眠に並ぶほど、呼吸は大切な要素です。食事や睡眠に比べあまり意識をしている人がいないのが現状ですが、呼吸はすべての健康の源なのです。

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現代の子どもの約7割は口呼吸になっているというデータが出ているのですが、実はそのことに気が付いていない保護者がとても多いです。口呼吸になっていないかどうかは、

・口臭が発生していないか

・寝ているときに口が開いていないか

が判断の目安になります。口を開けたまま寝ることはさまざまな病気を引き起こすことにも繋がります。口を閉じて鼻でしっかりと呼吸をしているかどうか、子どもが寝ているときに確認してみましょう。

マスク生活が子どもの見た目に影響。口呼吸の危険サインとは

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子どもに正しい呼吸を教えていると自信をもって言える人は少ないでしょう。今回は、鼻呼吸の大切さを理解いただけたのではないでしょうか。呼吸を正しく身に着けさせることで病気を未然に防ぎ、健康な体の土台を作ってあげられるとよいですね。

Profile

今井一彰(みらいクリニック)

今井一彰(みらいクリニック)

内科医・東洋医学会漢方専門医・NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長。1995年山口大学医学部卒業。同大救急医学講座に入局し集中・救急治療への従事を経て2006年みらいクリニック院長に就任。あいうべ体操(息育)、ゆびのば体操(足育)の2つの「ソクイク」で病気にならない体つくりを提供。メディア出演や、講演など幅広く活躍するメディカルエンターテイナー。著書に、『健康でいたければ鼻呼吸にしなさい あいうべ体操と口テープでカラダがよみがえる!』(河出書房新社)がある。

2021.11.30

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