ヘルパンギーナにかかったら保育園や幼稚園はいつから登園できるのでしょうか。ヘルパンギーナの症状や、かかってしまった場合の保育園、幼稚園での対応、実際にヘルパンギーナで何日お休みしたのかなど、実際の体験談を紹介します。また、きょうだいがいる場合など家庭内で感染を予防するためのポイントも解説します。
ヘルパンギーナにかかると38〜39℃以上の高熱が出て、熱性けいれんを起こすこともあります。その後、のどが腫れ、水疱ができます。ヘルパンギーナの水疱は強い痛みをともない、口内、特にのどの奥に複数できることが特徴です。
ヘルパンギーナにかかったとき、保育園や幼稚園にはいつから登園できるのでしょうか。登園の目安や登園許可証の必要性について解説します。
厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」によると、ヘルパンギーナに感染した場合の登園のめやすは「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」とされています。
ヘルパンギーナは、インフルエンザや麻疹などのように登園停止の期間が、法律上、定められている病気ではありません。基本的に医師の診断を受けて登園許可が出たら登園可能です。
その際、医師による登園許可証、治癒証明書の提出を求める幼稚園や保育園があります。また、施設によって園内での感染拡大を防ぐために、出席停止期間をもうけているところもあるようです。ヘルパンギーナに感染したときには通っている保育園や幼稚園に登園停止の扱いについて確認するようにしましょう。
実際に子どもがヘルパンギーナにかかったことのあるママに、子どもの症状と、幼稚園や保育園をお休みした日数を聞いてみました。
「上の子が2歳10カ月のとき、38℃以上の熱が3日間続きました。のどが痛いのかヨーグルトやゼリー、うどん以外食べられず。解熱しても、2日間は食欲が通常に戻らず、土日も含めて1週間保育園をお休みしました。
登園には、かかりつけ医が記入した登園許可証が必要だったので、医師に記載してもらい保育園に持参しました。
上の子が発熱して4〜5日後に下の子が発症。初日は39℃ぐらいの熱が出ましたが、次の日の午後から少しずつ解熱し、のどの痛みもあまりなかったようで食事はほぼいつも通りにとれていました。発熱から4日目には体調が戻り、5日目には登園許可証をもらって保育園に行くことができました(30代ママ)」
「子どもがヘルパンギーナにかかったのは、子どもが9カ月のとき。高熱が3日くらい続き、ヘルパンギーナが流行っている時期だったので、『喉にブツブツができているので恐らくそうでしょう』と言われました。
4日間保育園を休み、5日目の朝に登園許可証をもらって保育園に行けましたが、子どもが治ったころ私(ママ)がヘルパンギーナに!40℃の熱が続き、口の中が口内炎だらけになりました。頭痛で起き上がれず、つらかったです。トータルで1週間以上、会社にはいけなかったので、在宅で仕事をさせてもらっていました(40代ママ)」
「37.5℃くらいの微熱と鼻水、咳があり、風邪かと思って小児科を受診したら、喉にいくつか発疹があり、ペルパンギーナじゃないかとの診断結果でした。『食事が取りにくくかるかもしれない』と、医師に言われましたが、食欲は普段通りのまま。
3日間保育園をお休みしましたが、寝込むことはなく家でゆったり過ごし、4日目に『のどのブツブツも落ち着いているので』と、登園許可がでました。行く前に幼稚園に確認したら、幼稚園指定の登園許可をもらってくるようにということだったので、お医者さんに書いてもらいました。症状が軽めだったため、看病していて特に大変だったことはなく、下の子にもうつらず良かったです。(30代ママ)」
きょうだいや家族で同じヘルパンギーナにかかったとしても、本人の体力などで症状や治るまでの期間が違ってくる場合もあります。
そのため、ケースごとに休まざるを得ない期間は違うので、経過を細かく確認しましょう。
きょうだいの誰かがヘルパンギーナに感染すると、他のきょうだいはもちろん、ママやパパも含めた家庭内での感染率も高くなるため、いつも以上に予防が大切になります。
家庭内で感染を広げないようにするためには、どのようなことを意識したらよいのでしょうか。
夏風邪のエンテロウイルスによって引き起こされるヘルパンギーナは、手洗い、うがいで感染を防ぐことが大切です。
手を洗うときには石けんを使い、手洗い後にはアルコール消毒をするとより効果的です。
ヘルパンギーナは、物を介しての間接的な接触でも感染する可能性があるため、家族の誰かがへルパンギーナにかかったら、衣類やタオルは共有しないようにしましょう。洗面所やトイレのタオルは別々に分けたものを使ったり、ペーパータオルなど使い捨てを使うなどの配慮を心がけましょう。
ヘルパンギーナは咳やくしゃみなどの飛沫感染でうつります。
きょうだいのいる家庭の場合、子どもの一人がヘルパンギーナにかかったときには、本人はもちろん、ほかのきょうだいにもマスクをさせましょう。ヘルパンギーナにかかった子どもがまだ赤ちゃんの場合、ほかのきょうだいにマスクの着用を徹底させましょう。家庭内でもマスクの着用を心がけるようにすることで感染を防げるかもしれません。
ヘルパンギーナには、「いつから登園できる」という明確な出席停止期間はないものの、登園する際には、医師の登園許可が必要です。また、施設によって登園許可証の提出が必須だったり、出席停止期間が決められている場合もあるので、通っている保育園や幼稚園に確認しておくといいでしょう。
きょうだい間などで飛沫感染しやすい病気のため、手洗い、うがい、マスクの着用などで予防を心がけることが大切です。
金髙太一(おひさまクリニック)
おひさまクリニック院長。小児科専門医、地域総合小児医療認定医。小児の感染症、アレルギー、免疫・膠原病を中心に東京、横浜の病院で研修・診療の経験を積み、2015年に東京の十条にておひさまクリニック(小児科、耳鼻咽喉科)を開院。
子どもたちが健やかに成長していくためのサポートをしたいと思っております。また、3児の父でもあるので、子どもに関することでしたら、お気軽にご相談ください。
2018年06月07日
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