コロナウィルス感染拡大の長期化や度重なる緊急事態宣言などニューノーマルの生活様式では、マスク着用は必須な状況が続く。一方で夏日が観測されることも増え、マスクの着用による熱中症の危険も指摘されている。第一三共ヘルスケアは感染症対策と熱中症に関する調査を発表、医師によるコロナ禍での熱中症対策も紹介する。
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日本各地で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出され、ニューノーマルの生活様式ではマスクの着用は必須な状況が続いている中で、またマスク生活が苦しくなる夏がやってくる。
ゴールデンウィークあたりから全国的に夏日が観測される日も増え、子どもを持つ保護者としてはマスクを着用させていることで熱中症の心配があったり、子ども自身がマスクを嫌がったりすることも多いかもしれない。例年、熱中症患者の発生者数は、梅雨明け後の最初に気温が高くなる日に急激に増加する。これは「体が体温の上昇に対応しきれないため」とのことだ。
第一三共ヘルスケア株式会社の調査から、熱中症対策のポイントや子どもを持つ保護者が気を付けたいことを紹介する。
第一三共ヘルスケア株式会社は「感染症対策と熱中症に関する調査」として全国の20 代以上の男⼥500 名(20 代、30 代、40 代、50 代、60 代以上の各年代100 名)に対し、2021 年4 月2 日〜4 月5 日の期間、インターネット調査を行った。
夏の熱中症と感染症の適切な対策については、熱中症に詳しい、済生会横浜市東部病院 患者⽀援センター⻑/周術期⽀援センター⻑/栄養部部⻑の谷口英喜(たにぐち ひでき)先生にお話を伺っている。
調査では「外出時暑いと感じるときでも、人目が気になってマスクが外せない」という項目に対し、74.8%が「当てはまる」「やや当てはまる」と回答。「常に(飲食時は除く)マスクをしていなくてはいけないと思っている」という項目では82.6%の人が「当てはまる」「やや当てはまる」と回答している。しかし、厚生労働省が作成した「『新しい生活様式』における熱中症予防⾏動のポイント」によると、2m以上の距離を保っていれば、必ずしもマスクを着用しなくともよいと記載されている。
谷口先生は、「夏の暑い時期にマスクをして外出するときは、人との距離が保てる場所を探して、適度にマスクを外すことも、熱中症のリスク軽減のために必要です」と注意を促している。
「ワクチンを接種したらマスクは着用しない」という項目に対しては、9 割以上の人が「当てはまらない」「あまり当てはまらない」と回答し、ワクチン接種後の新型コロナウイルス対策として正しく理解していることが分かった。今後ワクチン接種は進んでいく見通しだが、引き続きマスクは必需品といえそうだ。
そうした中、谷口先生は「マスクをしていると喉の渇きを感じにくくなるため、『マスク熱中症』にならないためにも時間を決めて適切な量の水分補給を」と、勧めている。
暑さを感じたときに速やかに体温を下げられる体作りのことを「暑熱馴化(しょねつじゅん
か)」という。これにより体温の上昇に素早く体が反応して汗をかきやすく、⽪膚の⾎流量を増やせるため、体から熱を逃す⼒が増す。ウオーキングなどの汗をかく運動を続けたり、入浴習慣があると、本格的な暑さが到来する前に暑熱馴化ができる。
しかし調査によると、夏の暑い時期の過ごし方は、「あまり運動をしない」68.2%、「入浴はシャワーで済ませる」43.4%という結果であった。昨年は外出自粛による運動不⾜や外気温に触れない生活を送ることで暑熱馴化が進まないことに加え、コロナ下でのマスク着用もあり、例年に⽐べ熱中症のリスクが高まった。今年も同様の悪影響が重なることが考えられ、注意が必要。
外出している時にマスクを外してはいけないと思っている方も多いようだが、熱中症にならないためには、マスクを外してもよいシチュエーションをしっかりと把握し、近くに人がいない所では、適宜外すことも必要だ。
マスクをしていると水を飲むこともできず、口の渇きを感じにくくなり、知らないうちに脱水になってしまうことも熱中症のリスクを高めてしまう。自分の感覚を過信せず、決まったタイミングで水分補給をすることが重要。特に、子どもは大人と違って口呼吸をすることが多く、呼吸数も多いため、マスクで口呼吸しにくい状態は熱中症を招く可能性がある。
熱中症予防の主なポイントは以下の通りとのこと。
※周囲の人との距離を⼗分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要
水分補給に関しては以下のポイントを気を付けるとよいとのこと。
また外出時は、こまめな水分補給はもちろんのこと、体を冷やせるグッズを携帯するのも有効。「外出時に気をつけたいのが、日差しで首元が熱くなること。首には太い血管があるため、ここが熱されると頭の体温(深部体温)が上がりやすく、熱中症リスクを高めるからです」(谷口先生)。
小さい子どもは特に、遊びに夢中になると体調の異変に気が付くことができなかったり、異変を感じてもうまく訴えることは難しいだろう。外出する際は冷却ジェルシートや保冷剤などの対策グッズを持参をすることや、保護者が子どもの様子をよく観察し、こまめに声をかけることで熱中症を予防していきたい。
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2021年05月28日
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