「おうちごっこ」流夫婦の役割。母は安心、父は刺激ポジション【後編】

「おうちごっこ」流夫婦の役割。母は安心、父は刺激ポジション【後編】

父・ヒロアキさん、母・みきさん、娘・まーちゃんの家族の生活を配信し、SNSやYouTubeでの総フォロワー数100万越えの人気を誇る「おうちごっこ」。後編では、毎回必笑の動画を企画・撮影している「おうちごっこ」のヒロアキさんとみきさんに、「おうちごっこ」がもたらすものや、夫婦の役割・子育て観についてお話を伺いました。

夫婦の話し合いは「ミーティング」として効率化

ーーいつも家族3人、「娘ファーストで楽しく」という姿勢で仲良く過ごされている様子が動画に見られ、ファンからも「理想の家族」として羨望のまなざしを受けている「おうちごっこ」さん。ご夫婦では、子育てについての意見のすり合わせや役割分担など、どのようにされているのでしょうか。

ヒロアキさん:意見がぶつかることはめちゃめちゃありますが、けんかというよりは話し合いっていうスタンスを持っています。

みきさん:子育てに関しては、お互いが納得いくまで、どの意見がベストかを探っていくっていう感じかもしれませんね。

ヒロアキさん:基本的な役割としては、みきちゃんが「安心ポジション」、私が「刺激ポジション」だという話をしていて。娘が安らぎを求めるのはお母さんで、社会や遊びなどの刺激を与えるのはお父さんの役割なのかと思っていて。

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▲リアルで全力なおうちごっこ遊び
ヒロアキさん:叱ったり、しつけだったりは基本的に私の役割なんですよ。みきちゃんは、まーちゃんがそれを受けた時の逃げ場であり、傾聴をするというのが、大きく役割を分けたときの分担なんです。

みきさん:しつけという役割も、愛情が伝わってないわけではないというのがわかるから、できるんじゃないですかね。

ヒロアキさん:日常で一緒に遊んでいることで、ある程度信頼関係があるからこそ補完されているというか、叱っても別に「嫌い!」と離れていくことにはならないんですよね。

みきさん:もちろん私が怒ることもあって、そういうときはヒロアキくんの所に行ったりもするので、基本の役割はそうであっても臨機応変に対応している状況ですかね。

ヒロアキさん:2人してまーちゃんにワ―っと言っちゃって、2人で落ち込むこともあります。あの時はかわいそうだったね……。

みきさん:そうして3人でごめんねって反省会みたいになるときもあります。本当に探り探りで、全然完璧じゃなくて。私たちも一日一日学び合いながら、一緒に成長していると感じています。

ヒロアキさん:でも最近、もともとは夫婦2人でいろいろなことを話し合っていたことを、まーちゃんも含めた3人でどうすればいいのかを一緒になって考えて話し合うことができるようになってきて……まーちゃんの成長を感じましたね。

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3人にとってのベストを丁寧にミーティングしていくおうちごっこファミリー
ーー家族の一員として意見を出せるようになってきたんですね。お二人で繰り返し試行錯誤されてきた関わりの工夫が実を結んできているのだと感じますが、育児・教育書なども参考にされることはあるのでしょうか。

ヒロアキさん:ないんですよ。だから、子育てっていう固定概念が、いい意味でなかった。

みきさん:子どもを育てているというより、「ひとりの人間」と関わっている、という感覚かもしれません。

ヒロアキさん:うん。子どもではあるけど、あんまり子どもとして見すぎない。ケースバイケースですけどね。

みきさん:子どもとしてみてあげなきゃいけないときもありますからね。

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ヒロアキさん:ただ、自分が親になるとき、純粋に「親になってもいいのかな」っていう思いがあったんです。当時まだ23歳で、子どもに教えられることがほとんどないから……だったら最低限、ちゃんとした人間になろう、親になるからにはいろいろと気をつけていかなければと考えたんです。

そして、言葉を話せない赤ちゃんであるまーちゃんに、どうしたらいろいろなこと伝えられるだろうと考えたとき、目に見えている情報、視覚くらいしかないと思っていて。

今でも全然できてないこともたくさんあるんですが、子どもにいろいろと言う前に、まず自分たちがそうなるのが筋だね、というスタンスです。

まーちゃんの前で動画とかSNSは完全に見ないって決めていて、なんならスマホをいじるのをやめようぐらい意識しています。これは赤ちゃんのときからずっと続いていますね。

みきさん:それは徹底してたよね。育児書などを参考にするというよりは、自分たちでどうやったらいいかなっていうのをずっと探り探りで考えて、ひたすら話し合いですね。2人で泣きながら話したことも何回もあります。そうして探って来た6年間って感じかな。

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ーー思いをぶつけ合うというよりは、会議というイメージでしょうか。

ヒロアキさん:最初の方は感情的になることもあったんですよ。怒鳴るとかではなくて、お互いにガ―っとヒートアップしてきちゃって、涙を流したり、ちょっと感じ悪い態度になっちゃったりすることも。でも話し合いが重なっていくごとに、お互いがお互いにも慣れていって。

みきさん:効率の良さを求め出しました。早く寝たいし、みたいな。(笑)

ヒロアキさん:そうして日々、ミーティングの質は上がっていっていると思います!(笑)

根本的にうちの教育観ってけっこうみきちゃんがベースになっていることが多くて。

みきさん:そうかな~。

ヒロアキさん:そうだよ!たとえば、食事のマナーが悪いと言って注意しそうになったとき、「まず食事ってものを楽しいって思ってもらいたい」というのを聞いてその通りだな、って。

もちろん、逆にこちらの意見を尊重してくれるときもあります。探り探りで、これからもどんどんこうしたやりとりを繰り返していくんだろうなって思っています。

「やさしく、思いやりのある子になって欲しい」から、想像力を伸ばす遊びをしてみた

ーー役の中でも相手を気づかう大人っぽい言いまわしがみられるまーちゃんですが、こうした言葉づかいはどのように学んでいると思われますか。

みきさん:思いやりに関しては、ヒロアキくんがしつこいぐらい言っているんですよ。「そういうことを言われて、相手の人はどう思うと思う?相手の気持ち考えてみな」と……この言葉を聞かない日がないかもしれません。

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ヒロアキさん:親はやっぱり、やさしい子、思いやりのある子になってほしいって思うじゃないですか。私たちもそうなので、それについて深く考えたことがあったんですよ。

みきさん:「やさしさとは何だろう」と。(笑)

ヒロアキさん:うん。そして、やさしさや思いやりの本質や必要なものというのは「想像力だろう」と思ったんです。相手がどう思っているか考えて想像する力がないと、相手を思いやるということに到達できないんだろうなって。

想像力を伸ばしてあげたら、相手の気持ちがわかるような子になるんじゃないかなと思い、想像力をかきたてられるような遊びをしようと。

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みきさん:今でも、遊びの中などで出てきた強い言葉などは「それを言われた側はどう思うか」を考えさせるような声掛けをして、ひどいときは叱るような感じで言うことがありますね。

ヒロアキさん:まーちゃんはおうちごっこをするとき、「その人になる」くらいの感覚に近いじゃないですか。

だからおうちごっこを通して、いろんなお仕事の人、いろんな立場の人の役を遊びで演じることで、気持ちを理解していっている部分も大きいと感じていて。

自分が高校生のときコンビニでアルバイトしてはじめて、コンビニの店員さんに対するお客さんの態度について自分自身気をつけようと思った経験があるのですが、そういう意味でまーちゃんも実際に役を演じてみることで培われている部分はあるのかなと……結局全部遊びにつながってくるのかなと思いますね。

朝ドラから着想を得た演技で、女友達を思いやるセリフも出てくる

朝ドラに最近ハマってる娘と父。(ouchigokko/TicTokより)

「おうちごっこ」の遊び方

ーーご自身の大人としての経験を、子育ての遊びについての考え方に落とし込んでいるのですね。

ヒロアキさん:おうちごっこの遊びの場合もそうですね。

よく、「子どもとどうやって遊んだらいいかわからない」ということを聞かれるんですよ。

男の子の場合は自分たちも育てたことがないので残念ながら解らないんですけど、女の子のおままごとに関しては、大人が現実世界で生きていることを一緒にやってあげるとけっこう楽しんでくれると思っています。

たとえばまーちゃんは「お父さんお母さんの仕事」のおうちごっこ、おままごとをやろうと言えば、ノリノリで入ってきてくれたんです。世界観を子ども主軸じゃなくて大人主軸にしたほうが割とうまくいくことが多いのかなと感じています。

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ヒロアキさん:こちらが「会社ではそういう言い方しないから気をつけよう」と言ってリアリティを出していくとお互い盛り上がっていって、内容を作り上げていけるみたいな。子どもをこちら側、大人の世界に連れてきちゃった方が、ごっこ遊びは楽しめるところがあると思います。

こっちのフィールドであれば大人も普段仕事でやっていることだから得意だし、例えば「テレワークごっこしよ」って言うだけで絶対面白いですし……子どもとの遊び方にいき詰ったら、お父さんお母さんのお仕事で、おうちごっこしてみたらいいのかもなと思います。

みきさん:食材宅配の注文ごっことかね。

ーー仕事や食品の注文など、普段「大人」しかできないことに対し子どもは一定の憧れがあって、すごく魅力的かもしれませんね。大人は、「子どもの遊びをしなければ」と身構えてしまいがちですが……。

ヒロアキさん:うちは逆に、娘にこっちのフィールドにきてもらってるんですよ。おかげで私も難なく役に入っていけるところがありますし、子どものフィールドだと役にも限度が出てくるかもしれないですが、大人のフィールドであれば内容のレベルに上限がないので、繰り返すうちに自然に遊びが磨かれていって、お互い楽しいですよね。

ーーご両親の思いを受け取ってたくさんのことを吸収しているまーちゃんが、これからどんな風に育っていくのか、本当に楽しみですね。

ヒロアキさん:そうですね。これからもその時々で考えながら、家族で楽しんでいければと思っています。

ーーお子さんに日々真摯に向き合い、夫婦で丁寧に共有する中でブラッシュアップされていく教育観は、等身大でありながらとても先進的で、おうちごっこファミリーの魅力の根源を垣間見ることができたように感じます。ありがとうございました。

2022年04月27日

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