【子どものミライ】Mr.都市伝説・関暁夫 ~人はなぜ生まれてきたのか!!①

【子どものミライ】Mr.都市伝説・関暁夫 ~人はなぜ生まれてきたのか!!①

子どもたちのミライを考える、KIDSNA編集部の連載企画『子どものミライ』。今回はスピンオフ企画特別連載として、Mr.都市伝説・関暁夫氏にインタビュー。ただしここには、芸人ならではの笑いや楽しい話は、一切ない。あるのは納得と反省が腹の底へとストンと落ちていく、まさにビッグバン的内容。第一弾は「人はなぜ生まれてきたのか!!」エピソード1から3に分けて紹介する。真剣に子どものミライを考える一人の親として、心して読んでいただきたい。

正直、取材を始める前までは、笑いも交えたエンターテインメント的ミライ予測を聞けるものだと考えていた。しかしその想定は、取材開始後ものの数分で覆される。

「ミライに対して関暁夫が語るのは『ロケットに乗ってGO!』とか、そういう話ではないんです。本当に身近なところで、

みなさんが真剣に考えていかなければいけない『子どものミライ』に対するリアルな話

そのことを今一度、頭に入れて読んでほしい」

私たちを一喝する関暁夫氏の語りは、冒頭から熱い。

関暁夫スピンオフ企画①_1

「まず、『子ども』と『ミライ』を語るうえで言えること。それは、親にミライが見えていない。だから子どもがミライを見ることができないということ。

みんなミライのことを口にはするし、この企画を読んでいるユーザーはそのことについて常に考えていることでしょう。子どもに対して希望や夢を感じる、それはいいんです。

ただ、大人がその自覚を持っていないが故に、子どもたちが苦労をしている

ならば大人はどうすればよいのか。まず親が、人格形成をし、新しく生まれ変わりなさい

関暁夫氏が語るミライは、ポップなエンターテインメント的なものではない。親は”現在”から繋がる”ミライ”に向けて、子どもたちのために何と向き合い、どういう意識を持って、何を見極めていくべきなのか。

「大人が変わることで、子どもの意識も変わるんです。その自覚を、まず親のみなさんに持ってほしい。

大人が夢を見れない社会なら、子どもも夢を見れない

だけど子どもにミライを託そうと考えている。それ、押しつけに切り替わっていませんか?

"ミライを作るために必要となる教育の本質とは何か。"

各家庭での教育、学校での教育、本質的なものを親がちゃんと理解したうえで子どもと接しているか。そういったところを解ける話をしていきます」

関暁夫氏が語る「子どものミライ」は、甘くない。ドキッとしたり、怖さをかんじることもある。反省を促されているように感じる部分もあるだろう。しかし、耳に痛い言葉というのは、本質を突いていることがほとんどだ。

子どものミライを想うすべての親へ贈る関暁夫氏の言葉。さぁ、ここからが始まりです。

デバイスの存在意義を理解し活用する

現代の子育てにおいて、スマートフォンなどのモバイルデバイス(以下、デバイス)は切り離せないアイテムとして存在する一方、その活用方法については賛否両論がある。

子どもとデバイス、その関係性について、関暁夫氏の見解とは。


携帯電話の趣旨を自覚しろ

「携帯電話は、もともとは軍事品です。それがコンパクトになり、国民のみなさんに配られました。目的は、人間の趣味嗜好をコントロールし、国民の動きを読み取るため。この自覚、持っていますか?

携帯電話から得た情報はビッグデータとなり、いろいろな企業がサービスとして転換しています。ただしこれは、サービスという名の洗脳コントロールです。スマートフォンはその道具の一つであることを親が自覚したうえで、子どもに渡さなければいけない。

ただ、データで管理される時代がきている中で、子どもたちは何も知らずにデバイスを手にします。親が余計なことをネット上に書き込んでいたら、何も知らない子どもに迷惑がかかる時代。

そのことを、家庭でまだ何の認識もしていないでしょ?でも、親の自覚として持たないと」


親としての自覚をもってデバイスと付き合え

親として自覚を持つために、どういったことに気を付け、意識すべきなのだろうか。

関暁夫スピンオフ企画①_2

「身内や友人しか見ていないと思っているコミュニケーションアプリで発した、たわいもない一言や写真、動画も全部、犯罪対象になっているんですよ。そこで判別された親の思想は、後に子どもの人生にまで影響を及ぼす。これを理解したうえで、親として、大人としての自覚を持ってUPしなければいけない。

これから来る時代においては、無意識にやっている行為がビッグデータ上に残る。デジタルタトゥーとされているものですね。これは、半永久的に消えない。

人に対する誹謗中傷を書いていたら、デジタルタトゥーとして残り、書かれた人は半永久的にその言葉に苦しめられるわけです。それだけでも、訴えられる材料になっているんですよ。

メディアで目にする”バイトテロ”に対して『バカだなぁ』と賛否両論言ってますが、そういうことを言っている人ほど、無意識に書き上げたことをもう一度読み返してごらん。

同じことやっていますよ。ただそれが動画ではなく、文章なだけ。

これから徐々に、動画から写真、文章へと変わっていきますから。これは警告です」

「携帯は悪だ」という意見に対して、関暁夫氏の考えは?

「物質的な物の存在においては、デバイス自体は悪ではない。使う人の人間性なんです。それによって目の前に現れているデバイスは、善にもなるし、悪にも切り替わる。悪に切り替わる方向に対して、その自覚を持ったうえでやっている行為ならば、いたしかたない。自覚すべきは、無意識でやっている行為、発言です

人工知能による人間選別は、本格的に始まっていますよ


子どもにデバイスを持たせることを恐れるな

子どもがデバイスを持つことが当たり前の現代において、親の悩みの第一段階は「いつ渡すか」。関暁夫氏はそのタイミングをどのように考えているのか。

「これからのミライを考えると、物心つく前からデバイスを手渡さなければ、古い旧体制に依存する子どもが生まれてしまう。親としては『高校生になったら携帯を』と言っているけど、それでは取り残されるんですよ。

世の親御さんたちは、0歳から3歳の人格が形成される前から、デバイスに子どもの世話をさせているでしょ。手渡しているでしょ。それなら小学生から普通に渡しておかないと。

防犯や緊急用として、携帯持たせている小学校もありますよね。それならもう、子どもの自覚を育てるしかない。幼少のうちからしっかり『渡すなら渡す』というのをやらないと。中途半端に渡されるから、違う方向へ好奇心が働いて、導かれた先が変わっちゃうだけなんですよ。

親が自覚を持ったうえで、このデバイスは何なのか、何を検索していくのかを家庭で教育していかないと

子どもにデバイスを与えるにあたり、ゲームや有料サイト、SNS上のトラブルなど、避けたい問題は山ほどある。これらの問題をどのように捉えるべきか。

「デバイスを渡さない理由の一つは、有料サイトや性的サイトの存在。それが絶対に大きい。

昭和の時代から、女の子には初潮が始まってから性教育をする。でも男の子にはまだ教えない。女の子だけ。その考え方は、時代が進んだ今でも変わっていない。

でもそれではもう遅いんですよ。人間の精神的な成長も、好奇心上の成長も、これだけ娯楽があふれているから昔よりも早いんだよ

初潮に備えたうえで、家庭でまず性教育に関する会話を始めないと。物心ついて性欲に目覚める子もたくさんいるよね。目覚めてから話してるようじゃ、もう遅い。個人の差も激しいし、お兄ちゃんお姉ちゃんがいる家庭の子どもたちからの影響もあるからね。

じゃあそこの問題に対してどうするか。ロックやセキュリティだよね。セキュリティは、親がお金を出してでもデバイスに入れなきゃいけない。子ども用デバイスに関する技術開発を進めている会社に対して、親は応援していかなきゃいけないよね」

デバイスは今後、さらに便利な機能を備え、私たちの生活に密着してゆくことだろう。なくてはならない道具となったからこそ、使い方を間違えず、恐れずに付き合うよう心掛け、子どもに伝えていきたいものだ。

AIによる判別時代を生き抜く術

デバイスを子どもに与える時期も年々早まることだろう。一方で、それぞれの端末から個人情報はビッグデータ上へ蓄積され、管理される。その”管理”とは、具体的にどのようなことなのか。


可視化される管理社会の恐ろしさを理解しろ

関暁夫スピンオフ企画①_3

「さっきも言ったように、親が無意識で発した発言はその人の思想として判別され、その親の子にまで影響を及ぼす。その結果、子どもは大企業に就職ができない。

身内調査が普通に、AIを通して会社の採用試験でやられるんだよ。わかる?

犯罪者やテロリスト、特異な趣向を持っている人が身内や繋がりにいないかチェックされる。ここが採用試験の最初のポイント。親が無意識に発した過去の発言なども含まれる。親の思考が好ましくなければ、その子どもにも同じ思想が受け継がれていると判断される。そしたら端から採用しない。

どんなに名門大学を出ていようが、親や自分の思想を覗かれて判別される。面接の一次試験においても、AIが見てるから。表向き、建前的に人間がその場にいて聞いているように見えるけど、実際、すべてはAIの判断なんですよ

そうやって選別されていくんです。

既にAIが作り出している社会でみなさん生活しているんだよ。人工知能が下した決断を、人間はすぐには理解できない。だけど長い年月が経って、それが正しかったということを理解する。そういう時代にきているんです」


究極の”個”の時代を生き抜く力へ舵をとれ

AIの普及により、人間の仕事が奪われるのでは、という意見もある。事実、計算などはAIの方が正確性もスピード性も上だろう。そんな時代で活躍するためにはどのような力が必要となるのだろうか。

「可視化により嘘をつけない時代になっている。フェイク的なものは全部バレる。自身の信用と信頼がすべて。人間性がすべて。対価としてのお金=自分の価値になるわけでしょ。究極の”個”の時代だよね。

本質を見極め理解したうえで行動しないと、今後は社会不適合者として扱われる。ただでさえ、AIだロボットだと言っている社会において、親の余計な思想に影響を受けていたら、会社に入れるわけないでしょ。親がそうなら子もそうよ、というのが、この時代の正しい判断だから。

副業が当たり前に認められている時代に、信頼できない人間いらないよね。『私は頭がいい』と主張しても、そんな能力は必要とされない。AIができるから。150人の従業員を必要としていた会社が、15人で済むようになる時代よ。会社の体裁と雇用問題で50人くらいは雇うけど、うち35人は不要。

じゃあ必要とされる能力とは何か?

会社が見るのは、この子はこの部署でどういうコミュニケーションをとれるのか、それだけ。頭は超いいけど友達2人しかいない子より、超バカでも1万人の友達がいる子を採用する。だってその子には信用があるから。

会社で新商品を作ったら、その子のSNSを通して1万人に知らせることができる。どっちが優秀だと思いますか?

頭で考える時代は終わったんです。心で感じる時代だということを、しっかり読み取って子どもを導く舵を切りなさい


自分の線路を作り、他人を走らせろ

親も含めた個の人間性の重要さは言うまでもないだろう。では仕事で活躍するための能力として身に着けるべきものとは?

関暁夫スピンオフ企画①_4

「計算や決められたルーティンワークはAIが全部やります。人間に残されるミライの仕事は何かといったら、クリエイティブなことしかできないでしょ。

日本人はサラリーマン体質だから、敷かれた線路の上に乗っているほうが安心できたんだよね。だけど今や、その線路がどんどん沈んでいっている。崖から落ちていっている。これからの時代、その線路から抜け出して、新しい、自分の線路を作っていかなきゃいけないわけでしょ

『線路から抜けました!』と言いながら人が作った線路に乗っていたら、これは同じこと。沈む線路から抜けたら、自分の線路を作って他人を走らせなきゃ。それが、クリエイティブってこと。

日本の課題は、クリエイターが育つ環境をどんどん作ること。でも、どんな環境が適正か、そこに答えなんてないんですよ。その子が何を感じて、何を主張するか、それがまだ見ぬ答えに繋がるわけです

AIによる選別を考えると脅威にも思えるが、その時代を生きるからこそ表現できる強みがあり、個人の特性を示せるのかもしれない。そう考えると、悪いことばかりではなさそうだ。自分独自の路線を作り、仲間と共に走るミライは楽しいものだと信じたい。


エピソード2はこちら ↓

【子どものミライ】Mr.都市伝説・関暁夫 ~人はなぜ生まれてきたのか!!②

エピソード2へ続く。

関暁夫連載バナー

2019年05月17日

取材レポートカテゴリの記事

ショート動画

教育を親の自己満足にしてはいけない。教育虐待になりうるハイパーペアレンティングの恐ろしさとは

教育熱心はどこまで?

この連載を見る

不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親がどうあるべきか、各専門家に取材しました。
てぃ先生が見守る!卒園生たちの”チャレンジダンスプロジェクト”

入園当初にコロナ禍となりリアルイベントが少なかった園児たちが、卒園を迎えるシーズンとなりました。園児たちのかけがえのない思い出を作りたいという想いから、”チャレンジダンスプロジェクト”が始動。子どもたちが「卒園ダンス」に取り組む様子から、てぃ先生に子どもの成長を促進するコミュニケーションを教えていただきます。コナミスポーツクラブの全面協力のもと、ダンス未経験の園児たちが一生懸命取り組み、イベント当日を目指す様子を密着取材しました。