【産婦人科医監修】妊娠超初期・初期の自転車は乗ってもよいのか

【産婦人科医監修】妊娠超初期・初期の自転車は乗ってもよいのか

考えられるリスクや注意点など

2019.02.21

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杉山太朗

杉山太朗

田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医

信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

妊娠超初期や妊娠初期の自転車利用は控えた方がよいのでしょうか。妊娠中に自転車に乗ることで考えられるリスクと、仕事や通勤など普段から自転車を使っている場合、どのようなことに注意をして自転車に乗ったらよいかについて解説します。また、妊娠に気づかずに自転車を運転してしまったときの注意点をご紹介します。

妊娠初期の自転車

妊娠中は、今まで普通に行っていたことにも敏感になることが増えますよね。妊娠中に自転車に乗ってよいのか気になる人もいるでしょう。妊娠中に自転車に乗ってはいけないという決まりはありませんが、妊娠しているときに自転車に乗ることにはリスクが伴います。

妊娠超初期の自転車はお腹の赤ちゃんにどのような影響があるのでしょうか。

妊娠初期に自転車に乗ることで考えられるリスク

自転車
iStock.com/maroke

妊娠初期に自転車に乗ることはいくつかの危険が伴います。


事故につながりやすい

妊娠中はホルモンバランスが変化し、注意散漫になったり、反射神経が鈍くなるため事故を起こしやすくなります。また、自転車は転倒する可能性もあります。

専門家も以下のようにいっています。

やはりお勧めはできません。 普通に歩行するよりも、自転車の方が転倒をしてしまうリスクがありますので、万が一転倒してしまった時が危険です。妊娠初期はつわりによる体調不良や眠気で集中力が低下し、事故も起こしやすくなるとされています。主治医の意見も参考にして、どうするか決められると良いと思いますよ。

出典: AskDoctors

お腹に負担がかかる

自転車のペダルを踏み出すときにお腹に圧力がかかりやすくなります。自転車に乗って振動がお腹に伝わったり、周りに注意して緊張しながら自転車を運転すると、子宮が刺激されてお腹が張る場合があります。

また自転車に乗ると、背中が丸まり前かがみの姿勢になります。前かがみの体勢はお腹が圧迫されます。

マウンテンバイクやBMX、小型自転車はお腹の負担がより大きくなるので、自転車の型を考えることも大事です。


骨盤のゆがみ

自転車のサドルが小さめだと骨盤全体が均等に支えられず、骨盤が左右に開いてしまう可能性があります。

また背中を曲げた状態で運転すると、骨盤が傾いて歪みやすくなるので注意が必要です。

妊娠初期に自転車に乗るときの注意点

妊娠超初期や妊娠初期の自転車の利用は控えた方がよいですが、どうしても乗る場合には以下のようなことに配慮しましょう。


サドルを低くする

地面にしっかり足がついていないと転倒する恐れがあります。サドルは低めにし、両足がつくように設定をしましょう。


運転する道を選ぶ

段差やデコボコ道を自転車で運転すると、振動がお腹に響きやすいので避けた方がよいです。

なるべく平坦な道を選び、段差や上り坂を通るときには自転車から降りて、押すようにしましょう。


長時間は運転しない

長時間の自転車に座って運転すると、骨盤や股関節に負担がかかることはもちろんですが、長時間運転は疲れが溜まったり、注意力が低下するため、事故につながる可能性があります。


運転する格好に注意

妊娠中は、ゆったりとした洋服になることが多いですが、丈の長いスカートは運転中にスカートがタイヤに巻き込まれて転倒する危険性があります。

サンダルは脱げやすいのでスニーカーで運転することは妊婦さん自身も注意すると思いますが、スニーカーの底が滑りやすくないかの確認もするようにしましょう。底が滑りやすいと、自転車をこいだときにペダルから足が外れてしまうことがあるので、脱げたり滑ったりせずに足にぴったり合っている靴を選ぶことが大事です。


スピードは出さない

妊婦さん自身が注意をしていても突然横からほかの自転車や歩行者の人が出てくる場合があります。急に止まることになったときにスピードが出ていると止まったときの反動も大きく、身体に負担がかかりやすくなります。

信号が変わったときや急な展開にも対応できるようにスピードを出さずにゆっくり運転するようにしましょう。


無理をしない

暑い日の運転は、特に体力を消耗しやすいです。妊娠時の自転車の運転は、日中の日差しが強い時間帯を避けて、午前中や夕方の涼しくなってきた夕方の時間にしてください。

雨の日は地面が滑りやすく、風が強い日はハンドル操作が思うようにいかずに転倒する危険があるため、天候が優れない日や、ママの体調がいつもと少しでも違うと感じたときには自転車の運転はしないことが重要です。

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妊娠に気づかずに自転車に乗ってしまったときの対処法

日常生活で自転車を使っている人は、妊娠超初期や妊娠初期には妊娠に気づかずに自転車に乗ってしまったという人もいるでしょう。

自転車を運転したあとに妊娠に気づくと、振動などがお腹の赤ちゃんに影響しないか心配になりますよね。

運転中に衝突や転倒など特に変わったことがなく、妊婦健診で問題がなければ心配せずにそのまま経過をみましょう。もしも少しでも気になることがあれば医師に相談することが大切です。

体調や必要性を十分考えて自転車に乗ろう

歩く妊婦さん
iStock.com/monzenmachi

妊娠超初期や妊娠初期は、お腹もまだ目立たず身動きがとれるため自転車に乗っても平気だと思うママもいるかもしれませんが、自転車に乗る姿勢やペダルを踏みこむときにお腹に負担がかかったり、転倒する可能性があるため、妊娠が分かったら自転車の運転はなるべく控えた方がよいです。

しかし、今まで自転車移動で生活をしていた人は、自転車が使えなくなると不便に感じたり、通勤や移動に影響が出る場合もあるかもしれません。

妊娠中に自転車を運転するときは、スピードを出さずに、でこぼこ道は避ける、服装や靴に十分配慮することが大切です。距離や自転車で移動する必要性をよく考えて、自転車に乗るか乗らないかを判断をすることが重要です。

少しでも熱っぽかったり、疲れがたまっているときなどいつもより体調が優れないときには自転車に乗らないことをおすすめします。


監修:杉山太朗(田園調布オリープレディースクリニック)

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杉山太朗

杉山太朗

信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

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