クレーマーは「定年退職した男性」だらけだったが…15年前にはあり得なかった"モンスター化する人"の大異変
クレーマーは若返っている
Profile
悪質なクレーマーにはどんな特徴があるのか。クレーム対応研修講師の津田卓也さんは「これまでクレーマーと言えば、60歳以上の定年退職した男性が多かったが、15年前と比べて若返っている」という――。(第3回)
「教育的指導型クレーマー」という厄介な存在
私がクレーム対応の研修を続けてきたこの15年間で強く感じたのは、日本はどの領域においてもサービスの質が高いということです。
企業が完璧に近いサービスを提供し、顧客から絶大な信頼を寄せられているからこそ、ちょっとしたミスでクレームが発生してしまう、というのがいまの日本の状況だと私は感じています。
そのように企業が信頼されている状況だからこそ、自分の能力を誇示しようと「上から目線で企業を指導する」というタイプの悪質クレーマーが存在します。彼らは特定の企業に電話をかけ続け、「お前らはもっと勉強しろ!」「前よりサービスが悪くなったんじゃないか!」と長時間にわたって説教するのです。
この「教育的指導型クレーマー」の主流は、以前は圧倒的に60歳以上の定年退職後の男性でした。たとえば、元大企業の役員や元大学教授、廃業した医師など、社会的地位の高い人たちが、クレーマーになるケースが多かったようです。なので、クレームの内容もよく聞いてみると論理的な内容が中心でした。
しかし、クレーム対応の現場から話を聞いていると、現在はこの「教育的指導型クレーマー」が40代から50代の現役世代の男性へとシフトしているのです。





























