ギャンブルでも、旅行でも、美術品収集でもない…和田秀樹が手を出すなという「世の中で一番金のかかる趣味」
そのことにしかお金を使わなくなってしまう
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幸せになるには、お金を何にどう使うべきか。医師の和田秀樹さんは「世の中で一番お金のかかる趣味は、ギャンブルでもなく、旅行でもなく、美術品のコレクションでもない。この趣味を持ったら、常にお金が減るのを恐れ、そのことにしかお金を使わなくなる」という――。 ※本稿は、和田秀樹『どうせあの世にゃ持ってけないんだから 後悔せずに死にたいならお金を使い切れ!』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
お金は使ってナンボ。使わないのは「犯罪」だ
突然ですが、世の中で一番お金のかかる趣味は何かご存じですか?
それは、ギャンブルでもなく、旅行でもなく、美術品のコレクションでもありません。
正解は「貯金」です。この趣味を持ったら、そのことにしかお金を使わない。
あり金のほとんどをそれに注ぎ込むわけですから、どんなに大金持ちであったとしても、1万円のワインを飲むことすらもったいないと思うようになります。
だから貯金が趣味の人は、どれほどお金があったとしても幸せになれません。
なぜなら、常にお金が減るのを恐れ、「もっともっと」とお金を欲しがって、貯金通帳の数字が増えることだけが楽しみで生きているわけですから。
お金がないからケチなのはかわいそうだなと思いますが、お金があるのにケチな人間というのは疎まれて、結局、人が離れていきます。卑しいやつだとか、御里が知れるよねなどと、そしられるだけです。
お金というのは、「何かを買いたい」、あるいは「何かをやりたい」という目的があって、それを実現するために稼ぐもので、手に入れたら使わなくてはいけないものです。要するに、お金は使ってナンボのものであって、少なくともお金を貯めることを人生の目標にしてはいけない。使わないと、自分のためにも、社会のためにもなりません。
金は天下の回りものというのは、まさに真理だと思います。金は回っていないと、世の中が生きていることにならないし、お金も何のためにあるの? ということにしかならない。
とりわけ資本主義の世の中で社会が発展していくためには、稼いだ金を使ってもらわないと世の中が回っていきません。金を持っている人たちが金を使わないのなら、国が財産を管理して、みんなに分け与えましょうという社会主義のほうが、まだ私はマシだと思う。