荻原博子「『死ぬ前が一番お金持ち』は明らかにおかしい」団塊世代が「貯め込んだお金」を使えない根本原因
Profile
70代からはお金とどう向き合えばいいか。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「頑張って稼いだお金なのに、高齢になっても楽しく使うことができない人が多い。とくに団塊の世代は、これ以上欲を出して投資で儲けようと思わないほうが、心豊かに暮らせるだろう」という――。 ※本稿は、荻原博子『65歳からは、お金の心配をやめなさい』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
団塊の世代が「貯めたお金」を使えないワケ
老後というと、健康がまず第一です。しかし、介護を含めお金の心配ばかりがクローズアップされすぎている気がします。
そのため、70歳を過ぎて、そのままいけば、つつがなく幸せな暮らしができそうな人まで、「老後資金が足りなくなるのでは」とか、漠然と「老後が不安」と感じていて、心が休まらない状態です。
70代になれば、お金を増やす必要はないのですから、残りの人生でお金をどう使うかに目を向けるべきではないでしょうか。
本稿では資産防衛から一歩進んで、幸せなお金の使い方について考えていきましょう。
「日本人は、死ぬ前がいちばんお金持ち」だと言われています。
10年前に出した、『貯め込むな! お金は死ぬ前に使え。』(マガジンハウス)という本を書くにあたって、いろいろと調べたのですが、当時の60〜69歳の貯蓄額は、2484万円で、どの世代よりも金持ちでした。
じつは、こうした状況はいまも変わらず、当時60代だった世代が70代になり、今は最もお金持ちです(「家計調査〈貯蓄・負債編〉」2023年)。
世帯主が50代の世帯
貯蓄現在高1705万円、負債現在高715万円
1705万円−715万円=990万円
世帯主が60代の世帯
貯蓄現在高2432万円、負債現在高201万円
2432万円−201万円=2231万円
世帯主が70歳以上の世帯
貯蓄現在高2503万円、負債現在高78万円
2503万円−78万円=2581万円
世帯主が70歳以上の世帯は、貯蓄現在高は最も多く、負債現在高が少ないので、どの世代よりもお金を持っていることになります。
とくに、団塊の世代は群を抜いてお金を持っていますから、これ以上欲を出して投資で儲けようと思わないほうが、心豊かに暮らせるのではないでしょうか。