ネットの口コミよりも一目瞭然…「良い医者」と「ダメ医者」、ホームページの"決定的な違い"
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高偏差値の国立大学は責任感が強い印象あり
「良いクリニック」の最初の条件は、あなたの家から近いことです。いくら評判の良い開業医がいても、そのクリニックが片道1時間半の場所にあるなら、あなたにとって「名医」ではありません。千葉県千葉市にある私のクリニックには、たまに東京などから電車を乗り継ぎ2時間近くかけてお越しになる患者さんがいますが、1回は来ても2回目はありません。遠距離の通院は負担が大きいのです。
首都圏や大都市に住んでいる方々は、クリニック選びの選択肢が多いでしょう。ただ、選択肢が多ければ多いほど幸せということではありません。地方の開業医はレベルや診療方針が比較的均質なのに対して、大都市圏ではより多様な特性の医者が存在するということも、大都市と地方の違いです。
地方には、一つの県に一つの国立または公立の医大や医学部があります。そして、その大学には附属病院があります。附属病院を併設する医大の教育研究レベルは高いので、そこで学んだ医者のレベルも高いのが常です。結果的に、地方にはその地域の医大を卒業した、カラーが似た優秀な開業医が集まることになります。
一方、首都圏には複数の国立大学に加え、私立の医大や医学部も多いですから、様々な医大出身の先生方がいます。「私立大学の医者はダメ」という意味ではなく、異なる教育研究のバックグラウンドを持った多様な医者がいるぶん、自分と相性が良くない医者に出会う可能性も高くなるということです。
クリニックを選ぶ際は、まずインターネットで地元の医師会を検索し、そこから各クリニックのホームページに飛ぶのがおすすめです。院長が60代以上の高齢であれば持っていなくても仕方がないかもしれませんが、それより若い開業医がホームページを持っていなかったら、もうそれだけでアウト。選択肢に入れなくて構いません。
私が最初に必ず見るのは出身大学です。医者としての基本の部分は母校の医学教育でつくられたわけですから、学歴は大事です。まずは母校名をしっかり明記しているかどうかを確認します。いわゆる偏差値の高い国立大学出身の医者は、私の目からは責任感が強いまじめな医者が多い印象です。
次は標榜科を見ます。「内科・小児科」といった表記のことです。日本の法律では、一部の例外を除き、その医者が何の専門家であっても自由に診療科を標榜できることになっています。看板だけでなく医者本人の経歴を見て、どういうキャリアを積み、何を専門にしているかチェックしましょう。
どんな理念を掲げているかも重要です。多くのクリニックのホームページには、「患者さんに寄り添う」「親身になって診療する」といった表現が並んでいます。こうした抽象的な言葉しか書かれていないのはNGサイン。具体的な医療の方針や考え方を説明しているのが良い医者です。