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妊娠中の仕事のストレスからくる症状にも使える診断書とは。疲れてしんどいと感じたら早めの対応を
妊娠中でも仕事を続けている女性は、働いていてしんどいと感じたり疲れを感じることがあると思います。そんなときは早めにストレス解消したいですよね。今回は、体験談とともに妊娠中に申請できる診断書について紹介します。
妊娠中に感じた仕事のストレス
妊娠中に働くのは大変なこと。吐き気や頭痛が仕事に影響してしんどいと感じたり、うつ病の症状が出てしまったりと仕事に支障が出る女性もいるでしょう。
そこで今回は、妊娠中の仕事をテーマに、どのような悩みを抱えていたのか、職場でどうしていたのか、ストレス解消法などを、子育て中の女性たちに聞いてみました。
仕事への影響
「身体が重くなったり、今まで通りに動けないのがストレスでした。妊娠8カ月くらいのときに吐き気や頭痛の症状がひどくなった時期があり、そのときは通勤電車に乗るのもつらい状況だったため、休職を考えたこともありました」(20代ママ)
「つわりはなかったものの、妊娠中期から後期にかけてはお腹の張りがつらく感じることがありました。立ち仕事が主な業務だったので身体の負担が大きかったです」(30代ママ)
妊娠中は、つわりによる吐き気や頭痛、お腹の張りなどが大きなストレスになっているようです。特に妊娠初期から中期にかけては、体調の変化が大きいため、仕事への影響も顕著になります。
業務内容や通勤方法の見直しなど、働き方を工夫できるとよいでしょう。また、必要に応じて産婦人科の先生に相談し、適切な対処法を見つけることも大切です。
疲れたときの対処法、職場の理解
「仲のよい同僚や育児中の先輩ママは配慮してくれましたが、会社にいづらい雰囲気はありました。身体の不調などのちょっとした症状では休みが取りづらく、外出の仕事も多い状況だったので」(30代ママ)
「通勤時間が長かったので、体調が悪い時や検診がある日は早めに帰らせてもらうことがあったのですが、残業が当たり前の会社だったので同僚や上司など周囲の目が気になりました」(20代ママ)
前例がないと職場に居づらいと感じてしまうママもいるようですが、まわりが配慮してくれることもたくさんあります。
妊娠中期から妊娠後期にかけては、体調の変化や検査の頻度が増えるため、上司や同僚との良好なコミュニケーションが重要になります。疲れたときは、まわりに声をかけてみるとよいでしょう。
また、産婦人科の先生からのアドバイスを職場に伝えることで、理解を得やすくなる可能性もあります。
ストレスを感じた時は
「やるしかない、と自分を奮い立たせて休憩中にできるだけ寝るようにしていました。本当につらいことは周りに言うようにしていました」(30代ママ)
「解消法はこれと言ってなかったのですが、気持ちの面で割り切るようにしていました。自分へのご褒美として、仕事帰りに好きな食べ物を買っていましたが、妊娠初期はつわりの症状で吐き気もあったので気力で乗り切りました」(30代ママ)
「休みの日は配信動画を観ながらオンラインでマタニティヨガをしていました。とにかく元気に子どもが生まれた後の幸せなことをイメージするようにして、仕事のことをなるべく考えないようにしていました」(30代ママ)
妊娠中は、やるときはやる、休むときは休むというメリハリをつけることも大切なようです。ストレス解消法は人によって異なりますが、自分なりの解消法を見つけておくとよいでしょう。
特に妊娠後期は体調の変化が大きいため、無理をせずに休息をとることが重要です。また、うつ病や切迫流産のリスクを軽減するためにも、適度な休息とストレス管理が欠かせません。
妊娠中に活用できる診断書
妊娠中は、健康診断を受ける時間を確保しなければならないと法律で決められています。しかし、休みづらかったり、言いにくかったりと、まわりに打ち明けられないママもいると思います。ここでは、妊娠中に活用できる診断書について紹介します。
母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)
妊娠中や出産後の女性が活用できる診断書「母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)」とは、つわりによる勤務時間の短縮や通勤に配慮したテレワークの導入、自宅療養、入院などの指導が医師からあった際に、職場に提出することができる証明書です。
職場はこの母健連絡カードに対して、適切な措置をしなければならないと義務づけられています。
職場に相談することで休暇を取れる状況もあるので、必ずしも診断書を活用する必要はありませんが、診断書をうまく活用することで、仕事を無理なく続けられれば嬉しいですよね。
傷病手当金申請書
傷病手当金とは、病気やケガをしたときに本人とその家族の生活を保障するために設けられた制度です。傷病手当は、うつ病や切迫流産や早産、また自宅療養や入院の場合も対象となりますので、妊娠中でも申請することができます。特に妊娠初期から中期にかけて、つわりや体調不良で長期休職が必要な場合に活用できる可能性があります。
なお、支給額は「支給開始日の以前12カ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×3分の2」が基準となっているようです。
妊娠を職場に伝えるタイミング
妊娠を職場に伝えるタイミングは、個人の状況や職場環境によって異なります。ここでは、実際のママたちの体験談を通じて、適切なタイミングについて考えてみましょう。
「時間が不規則で激務の仕事だったので、早めに伝えておかないと深夜までの仕事が続いてしまうと思い、妊娠3カ月と判明した時点で上司にメールで伝えました」(20代ママ)
「育児しながら働いている女性社員が多い職場なので、あまり焦らず安定期に入った妊娠6カ月の頃に同じ部署のみんなに報告しました」(30代ママ)
「安定期に入ってから言えばいいやと思っていたのですが、つわりで吐き気がしたり、年末だったので飲み会に誘われたりすることが多かったため、早めに伝えざるをえませんでした」(30代ママ)
安定期かそれより前の妊娠初期に伝えたという方が多かったようです。妊娠中に仕事を続けるかどうかは個人の判断や体調にもよりますが、妊娠中の身体を第一に考え、配慮してもらうことが必要であれば、早めに伝えるとよいかもしれません。
また、休職や産前産後休暇をとる際に、会社としては仕事の穴を埋めるための対策をとる必要があります。少なくとも妊娠中期には、今後の働き方の希望もあわせて伝えるようにしましょう。
妊娠中の検査と体調管理
妊娠中は定期的な検査が必要となります。妊娠期間中に受ける主な検査と、それにともなう体調管理についても知っておきましょう。
「妊娠初期は検査の頻度が多くて大変でした。特につわりがひどくて吐き気が止まらない時期と重なったので、検査のたびに気分が悪くなりました。でも、産婦人科の先生が丁寧に説明してくれて治療にも熱心だったので、赤ちゃんの成長を確認できて安心できました。職場には母健連絡カードを提出しなさいと先生にも言われました」(20代ママ)
「妊娠後期になると、お腹の張りが気になって。検査で切迫流産の可能性があると言われたときは本当に焦りました。上司に状況を説明すると、すぐに業務内容を軽減して早めに休職させてもらえたのがありがたかったです。安静にすることで、なんとか出産まで乗り越えられました」(30代ママ)
妊娠初期から中期にかけては、つわりや体調の変化に加えて、さまざまな検査が行われます。血液検査や超音波検査、母体血清マーカー検査などが主な検査のようです。これらの検査は流産のリスクを評価したり、胎児の発育状態を確認したりするために重要と言われます。
妊娠後期になると、胎児の発育や母体の健康状態をより詳細に確認するための検査が増えてくるようです。産婦人科での定期検診では、お腹の張りや浮腫みなどの症状にも注意を払ってくれたという経験者の声もありました。
これらの検査のために通院する必要があるため、仕事との両立が課題になることもあるでしょう。職場には母健連絡カードを提出して、症状や産婦人科医からの診断結果などをもとに交渉をし検査ながら、検査や治療のための時間を確保することが必要になることもあるでしょう。
また、検査結果によっては適切な治療や安静が必要になる可能性もあるため、上司や同僚の理解を得ておくことも大切です。
ストレスを解消して、心身ともに健やかに
妊娠中はなるべく自分の身体を労わってあげたいですよね。母親のストレスがお腹の赤ちゃんにも影響するのではないか、と心配になることもあると思いますが、職場の理解があると気持ちが大分楽になるはずです。
妊娠中のストレスをできるだけ減らすのは、治療が必要なさまざまな症状だけでなく、ストレスからくるうつ病や切迫流産などのリスクを避けることにもつながります。
産婦人科からもらえる母健連絡カードなどの診断書にあたるものをうまく活用して、少しでも仕事の疲れや、妊娠中の仕事のストレスを回避しながら健康に出産できるように気を配りましょう。