【小児科医監修】おしゃぶりって効果あるの?おしゃぶりの効果的な使い方と注意点

【小児科医監修】おしゃぶりって効果あるの?おしゃぶりの効果的な使い方と注意点

おしゃぶりを使うときの注意点

2019.07.19

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千葉智子

千葉智子

上高田ちば整形外科・小児科 副院長/日本小児科学会 小児科専門医/日本小児科医会 こどもの心相談医

上高田ちば整形外科・小児科 副院長。小児科専門医として、その時代に合った子どもの医療の実践を心掛けている。3児の母として子育てをしながら、現役で活躍中。外来では、ホームケアの方法を分かりやすく説明し、自宅に帰ってから自信をもって看護できるように、保護者への説明を丁寧にするように心がけている。子育てに関する疑問、不安、工夫など、何でも相談しやすいクリニックを作り、「子どもの笑顔を作る」ために活動。

赤ちゃんがぐずったり、ずっと泣いているとおしゃぶりを使ってみようかと考えるママもいるかもしれません。おしゃぶりにはどのような効果があるのでしょうか。おしゃぶりの上手な使い方と使うときの注意点について解説します。

おしゃぶりを使おうか迷ったとき

寝かしつけや赤ちゃんがぐずったときにおしゃぶりを使いたいと思う人がいるでしょう。おしゃぶりを使うとどのような効果が期待できるのしょうか。

おしゃぶりを使おうか迷ったときには、正しく使うことが重要です。

おしゃぶりの種類や使い方のポイントを詳しく見ていきましょう。

おしゃぶりの種類

おしゃぶり
iStock.com/PaulaConnelly

おしゃぶりには天然ゴム製とシリコン製の2種類があります。


天然ゴム

天然ゴムのおしゃぶりは、柔らかく、赤ちゃんの口にぴったり合いやすいです。

しかし劣化しやすく、傷みやすいので衛生面を考えてこまめに確認し、傷が見られたら交換することが重要です。


シリコン製

天然ゴムと比べると、シリコン製のおしゃぶりは弾力と耐久性が優れていますが、硬いため歯が生えてから使用すると、歯並びに影響する可能性があります。

また硬いのを赤ちゃんが嫌がる場合があります。

おしゃぶりは、メーカーによって乳首の形に違いがあったり、新生児期や生後6カ月から使えるものなどがあるので、対象年齢に合ったサイズを選ぶことが大切です。

おしゃぶりの効果

おしゃぶりを使うとどのような効果が期待できるのでしょうか。

赤ちゃんは言葉で伝えられないため、お腹がすいたときや眠い、オムツを替えてほしいなどの思いを泣いて表現をします。

長時間泣いていると赤ちゃんも疲れてしまいます。

おしゃぶりを吸うと母乳やミルクを吸っている感覚になり、安心して眠る赤ちゃんも多いようです。

赤ちゃんが泣いたときやぐずったとき、寝かしつけのときなどにおしゃぶりを使うと泣き止んでおとなしくなるため赤ちゃんだけでなく、ママの負担やストレスも減るかもしれません。

新生児用のおしゃぶりもあるため、生活環境に合わせて工夫して使うとよいでしょう。

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おしゃぶりを使うときの注意点

おしゃぶりを使うときには以下のようなことを知っておくことが必要です。


歯の噛み合わせに影響する

日本小児歯科学会によると

2歳児では指しゃぶり(吸指群)で出っ歯(上顎前突)が、おしゃぶり群で開咬が高頻度にみられ、5歳児ではこの傾向がさらに増大した

出典: 1.おしゃぶり、指しゃぶりが咬合(噛み合わせ)に及ぼす影響/おしゃぶりについての考え方/日本小児歯科学会

年齢が上がってもおしゃぶりを使用していると、前歯が開いたままになり噛み合わせられなくなったり、あごが十分に発達せずに食べ物を噛み切れない場合があります。


コミュニケーションの減少

赤ちゃんが泣いたときや外出先でぐずったときなどにおしゃぶりを使って泣き止ませたり、落ち着かせるママもいるでしょう。

おしゃぶりを使わずにさまざまな方法で接するとその分赤ちゃんとかかわる時間も増えます。

言葉が話せない新生児のときに赤ちゃんの様子や場面に応じて短時間、おしゃぶりを使うのはよいですが、すぐにおしゃぶりで解決してしまうと言葉がけやふれあいなど赤ちゃんとのコミュニケーションが減少してしまいます。

おしゃぶりの使い方で気をつけること

おしゃぶりを使うときには以下のようなことに注意しましょう。


長時間使用しない

時計
donskarpo/Shutterstock.com

おしゃぶりを長期間使うと歯並びや噛み合わせに影響したり、おしゃぶりが常にないと落ち着かないおしゃぶり依存になってしまいます。

寝かしつけや外出時に突然赤ちゃんが泣き出したときなど一時的に活用し、長時間の使用は控えましょう。


おしゃぶりを使う期間は2歳半まで

年齢が上がってもおしゃぶりを使い続けるとあごの形や歯並びに悪影響を与えると言われています。

乳歯が生えそろう2歳半くらいまでのおしゃぶりであれば歯並びや噛み合わせ、あごの形への影響はほとんどなく、影響が出たとしても改善しやすいです。

遅くても奥歯が生えそろう2歳半頃におしゃぶりの使用をやめれば噛み合わせの異常は成長とともに治りますが、3歳頃になってもおしゃぶりを使い続けていると噛み合わせの異常を改善するのは難しくなります。

使う期間が長くなると、おしゃぶりがないと落ち着かなくなったりやめるのに時間がかかる可能性もあるため、おしゃぶりの使用は新生児から2歳半までの間にしましょう。


おしゃぶりの使用中もスキンシップをとる

おしゃぶりを使って赤ちゃんが泣き止んだり、落ち着いたからとそのままにするのではなく、おしゃぶりを使っているとき赤ちゃんに声をかけたり、子どもがしたいことやしてほしいことをなるべくくみ取れるように積極的にコミュニケーションとることが大事です。


毎日消毒をする

1度使ったおしゃぶりは細菌が繁殖しやすくなっています。

煮沸消毒や水洗いしたおしゃぶりを決められた時間つけ置き消毒するなど正しい消毒方法で衛生面にも注意することが大事です。

おしゃぶりを上手に使おう

おしゃぶりを使って寝る赤ちゃん
kckate16/Shutterstock.com

おしゃぶりは新生児期の寝かしつけや外出時にぐずったときに使うと赤ちゃんがスムーズに寝たり、泣き止んだり便利です。

しかし、2歳以降の歯が生え始めるときまで長期間使うと歯並びが噛み合わせに影響が出ることが分かっています。

おしゃぶりを使い続けると赤ちゃんがおしゃぶり依存症になったり、コミュニケーション不足になることもあるので使い方には注意が必要です。

寝かしつけや外出時の困ったシーンなどで一時的に使うなど使い方を工夫して、長時間使うのはやめましょう。

おしゃぶりは正しく、効果的な使い方をすることが大切です。


監修:千葉智子(上高田ちば整形外科・小児科)

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千葉智子

千葉智子

上高田ちば整形外科・小児科 副院長。小児科専門医として、その時代に合った子どもの医療の実践を心掛けている。3児の母として子育てをしながら、現役で活躍中。外来では、ホームケアの方法を分かりやすく説明し、自宅に帰ってから自信をもって看護できるように、保護者への説明を丁寧にするように心がけている。子育てに関する疑問、不安、工夫など、何でも相談しやすいクリニックを作り、「子どもの笑顔を作る」ために活動。

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