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パートの厚生年金。いくらもらえるかやメリット、加入義務など
押さえておきたい厚生年金の基本ポイント
パートの厚生年金について、保険料の金額や将来いくらもらえるかを知りたいママも多いのではないでしょうか。加入義務の条件やメリットなど、お金にまつわることなので気になることもあるかもしれません。今回は日本年金機構などの資料を参考に、パートに関する厚生年金について調査しました。
パートと厚生年金
パート勤めをしているママやこれからパートとして働きたいママの中には、厚生年金が気になる方も多いかもしれません。勤め先の社会保険に入って自分で厚生年金保険料を支払うメリットや、保険料はいくらになるのか、将来いくらもらえるかなど、それによって働き方を見直したい場合もあるでしょう。
厚生年金制度の基本的な内容をおさえつつ、パート勤めだからこそ押さえておきたい内容を日本年金機構などの資料を参考にご紹介します。
厚生年金とは
そもそも厚生年金とはどのような制度なのでしょう。厚生年金とは、公的年金制度の一つです。将来もらえる年金には3種類あります。日本国内に住んでいる人なら誰でも加入対象となる「国民年金」と、会社員などが加入する「厚生年金」、公務員や私立学校教職員などの人が加入している「共済年金」です。
例えば会社勤めのパパの扶養に入っているママの場合、「国民年金」の第3号被保険者となります。パートとして働きだし一定の条件を満たした場合、「国民年金」の第2被保険者に加え「厚生年金」の加入者となります。一言で年金とくくられる場合もありますが、それぞれの違いをしっかり認識しておくとより理解しやすいのではないでしょうか。
厚生年金に加入するメリット
厚生年金に加入すると勤めている会社の社会保険にも加入することになります。パートとして社会保険に加入した場合、どのようなメリットがあるのでしょう。
将来もらえる年金が増える
例えばパパの扶養に入っているママがもらえる年金は「国民年金」(基礎年金)のみとなります。しかしパパの扶養から外れパートとして働きだした場合、「国民年金」と「厚生年金」の両方を受給することが可能です。
厚生年金保険料は会社が半額負担してくれるため、全額自己負担となる国民年金に比べて支払額を抑えることが可能です。パパが自営業の場合など、メリットとしては大きいかもしれませんね。
健康保険の給付が充実する
勤め先の健康保険に加入すると、「傷病手当金」や「出産手当金」などの受給も可能です。保険料は毎月の給与から天引きされますが、病気や出産などで働けないときでも賃金の3分の2程度の給付を受けとれるようです。働きながら子どもを育てていきたいママなどにとっては心強い制度ではないでしょうか。
上記以外にも、万が一障がいのある状態になったときに「障害厚生年金」が支給されたり、亡くなった場合に遺族にあてに「遺族厚生年金」が支払われるメリットもあるようです。具体的なメリットを確認しつつ、パートとしての働き方を考えてみてもよいかもしれませんね。
押さえておきたい厚生年金のポイント
パートの場合、どのような条件にあてはあまると厚生年金へ加入することになるのでしょう。保険料などと合わせ、知っておきたいポイントを調査しました。
パートの加入義務について
パート労働者の場合、これまでは「週30時間以上」の人しか厚生年金に加入することができませんでしたが、平成28年10月から法律の改正により、加入対象が拡大されました。以下の内容に当てはまる人には厚生年金の加入義務があるようです。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
- 1カ月あたりの基本賃金が88,000円以上であること
- 雇用期間の見込みが1年以上であること
- 学生ではないこと
- 従業員数が501人以上の会社で働いている、もしくは500人以下の会社で働いていて、社会保険に加入することについて労使で合意がなされている
1に記載されている所定労働時間とは、残業などを含めない予め働くことが決まっている労働時間のことを意味します。3にある雇用期間が気になる方もいるかもしれませんが、1年未満であっても就業規則や雇用契約書等に更新される場合がある旨が明示されている場合も対象となるようです。
厚生労働省では簡単なリーフレットをホームページで掲載しています。加入条件の詳細を確認しつつ、自分は当てはまるのかを契約書などで確認してみてはいかがでしょうか。
現在厚生労働省などでは、厚生年金加入者をさらに拡大できるよう法改正に向けた動きもあるようです。お金に関わることなので、引き続き注目してみてもよさそうですね。
厚生年金の保険料
厚生年金の保険料は毎月の給与と賞与の両方から支払われます。給与の厚生年金保険料は「標準報酬月額×保険料率」、賞与の厚生年金保険料は「標準賞与額×保険料率」で計算でき、会社と従業員それぞれ半分ずつの負担となります。それぞれの保険料率は18.3%と共通です。
「標準報酬月額」は会社から支給される基本給のほか、通勤手当や残業手当などを含めた1カ月の総支給額である「報酬月額」を31等級に分けたとき、その等級に該当する金額のことを意味します。標準報酬月額を決定するタイミングはさまざまですが、例えば「定時決定(9月)」の場合は4月から6月の報酬月額が参考となります。
仮にこの3カ月間の平均した報酬月額が155,000円の場合、10等級になり標準報酬月額は160,000円です。厚生年金の保険料は160,000×18.3%(0.183)=29,280円となり、会社と半分ずつの負担になるので、実際に支払う保険料金は14,640円となるようです。
標準報酬月額は会社から提出された届出を基本に日本年金機構が決定しています。確実な標準報酬月額の金額が知りたい場合、会社に問い合わせてみるとよいでしょう。
厚生年金はいくらもらえるのか
厚生年金に加入している場合、条件を満たせば将来65歳になったときに「老齢厚生年金」を受け取れます。いくらもらえるかは納付額などにより異なるようです。
65歳未満から厚生年金を受給した場合【定額部分+報酬比例部分+加給年金額】で計算でき、65歳以上になってから厚生年金を受給した場合【報酬比例年金額+ 経過的加算 + 加給年金額】で算出された金額が支給されるようです。
それぞれの計算に使われる金額については、被保険者の生年月日や被保険者期間の月数などにより異なります。自分の場合はどうなるのか、日本年金機構のホームページで計算してみてもよさそうですね。
また日本年金機構が運営している「ねんきんネット」に登録すると、必要事項を入力するだけで簡単に将来支給される年金見込み額を計算できるようです。自身の年金記録なども24時間いつでも確認できるようなので、利用してみるのもよさそうですね。
厚生年金について確認しよう
パートで働く場合の厚生年金はどうなるか、わかりにくいと感じる場合もあるかもしれません。毎月の厚生年金保険料などは人によってそれぞれです。まずは厚生年金の加入義務があるのかどうかを確認し、そこから自分にとってのメリットを考えてみてはいかがでしょう。
将来いくらもらえるかなどがわかれば、働き方の一つの目安になるかもしれません。働く上での不安が一つでも解消できるとよいですね。
※記事内で使用している参照内容は、2019年3月25日時点で作成した記事になります。