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子どもの保険にはどんな種類がある?加入の目安と選ぶポイント
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ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー
株式会社アドキャスト FP事業部係長。2級FP、トータルライフコンサルタント。
子どもの保険を考えるときに、どんな種類があるのか、そもそも加入するべきなのかと悩むママやパパはいるのではないでしょうか。ファイナンシャルプランナーの滝本博文さんに子どもの保険の種類や加入の目安と選ぶポイントについて伺ってきました。
子どものリスク対策にはどんなものがある?
皆さんは、子どもの保険を考えたことはありますか?
子どもの保障(補償) =“経済的損失に対する備え”というものを考えると、以下の2つのリスクが挙げられます。
・子どもの健康上のリスク = 病気やケガによる入院・手術の保障
・子どもが他人を傷つけたり、他人の物を壊してしまうリスク = 賠償責任の補償
これらのリスクについて考えてみましょう。
子どもの保険は必要?
ますは、子どもが病気やケガなどが原因で、入院や手術をするかもしれないリスクは軽視できません。そのリスクとはどのようなものがあるのでしょうか。
子どもの健康上のリスク
日本では、子どもの医療費については、公的医療保険制度が充実しており、かなり手厚くカバーしてくれています。乳幼児の場合は医療費がかかりませんし、自治体によって差はあるものの、小学生または15歳くらいまでは自己負担分も自治体が賄ってくれます。
そのためほとんど医療費がかかりません。 つまり、医療費がかからないのだから、保障は不要と言えます。
けれども“間接的リスク”も潜んでいるのです。子どもは免疫力が低いため、感染症などが悪化してしまう可能性もあります。例えば、インフルエンザ、ノロウイルス、手足口病、はしか、水疱瘡などです。
入院しても子どもの医療費はかかりません。つまり、医療費の追加負担の費用はありません。しかし、子どもが入院した場合、医療費とは別の間接的リスクが潜んでいるのです。
子どもひとりで入院や通院することはなく、必ず親が付き添うこととなります。つまり、子どもに付き添っている間(入院中や退院後の自宅療養や通院など)は、平常通りに働くことができません。その場合、仕事を休んで看病することになります。
そうなると、付き添っている間の収入が減ってしまうことになります。収入が減るだけではなく、病院で大人用ベッドを借りたり、病院の往復電車賃やタクシー代などの出費もでてくるなど、家計にも大きく影響してきます。
公的医療保障制度が充実している日本において、子どもの保障は不要とも言われますが、このように医療費とは別の間接的リスクが潜んでいることも理解して対策をしておきたいものです。
子どもが他人を傷つけたり、他人の物を壊してしまうリスク
次に、賠償責任リスクが考えられます。子どもが誤って、他人の物を壊してしまったり、自転車の衝突事故などで相手にケガさせてしまうなど、物や人に対する補償をしなければならないこともあるかもしれません。
例えば、ボール遊びをしていて駐車してあった車に傷を付けてしまったりすると、何十万円もの賠償金を請求されたり、自転車事故で相手に後遺症を与えてしまったり、死亡事故になってしまうと何千万円・何億円など非常に高額な賠償金を支払うことになってしまいます。
子ども本人はもちろんのこと、他人に対するリスク対策も忘れてはいけません。
子どもの保障の種類
では、子どもの保障(補償)を備える場合は、どんなものを選べば良いのでしょうか。家族環境や家計、または考え方などによってそれぞれ異なりますが、以下をご参考にしてみてください。
共済
18歳までの期間、月々1000円前後からの掛け金で備えられます。入院や手術、または通院の医療保障だけでなく、他人の物に損害を与えてしまったときなどの損害賠償も給付対象となるものもあるので、月々1000円くらいであれば安くて安心できるでしょう。
また、家族で加入するカタチの医療保障などもあります。いずれも保障期間は子どもが18歳までとなります。非常にお手頃な掛け金で加入できるので、家計にもやさしくリスクへの備えができます。掛け金の払込も保障も、子どもが18歳になるまででの掛け捨てタイプです。
民間保険会社の医療保険
民間の保険会社の医療保険も安心できるものがたくさんあります。保障内容は、基本となる主契約(入院日額)をベースに、心配なリスクを特約(オプション)で上乗せしていくカタチの保障です。ほとんどが掛け捨てですが、積立型やお祝い金がもらえるようなものもあります。
入院一時金
近年人気が高いのが、「入院一時金」です。短期入院でも入院日額とは別に一時金をもらえる保険です。
先述のように、子どもが入院した場合は、親の収入も減少してしまうこともあります。そのようなときに、少しまとまった一時金がもらえると安心して看病に専念できますね。保険料は、設計プランによって異なりますが、基本的内容で月々1000円台くらいから備えることができるものもあります。
子どもの将来を考えて医療保険に加入
子どもの頃に加入にておけば、非常に安い保険料で加入できます。同じ保障内容を大人になってから備えるとでは保険料は大きく異なります。つまり、子どもの頃は、親が保険料負担しますが、子どもが独立したときに契約者名義変更をして、その保障を子どもに引き継ぐことも有効的です。
名義変更後は、子ども自身が保険料負担していくこととなりますが、大人になってからはじめて加入するより保険料は格段に安いので、親として将来の子どもの経済面にも役に立てますね。
個人賠償保険
損害保険分野の「個人賠償責任保険」という保険商品が各損害保険会社で備えられます。補償内容によって保険料も変わりますが、年間で1万円程度です。
また、火災保険や自動車保険の特約として、個人賠償保険を備えることもできます。この場合の保険料は、月額換算数百円程度と非常に安く備えられます。今、ご加入中の火災保険や自動車保険があれば、今一度保険証券を確認してみましょう。
リスク対策はしっかり準備を
どんなに注意深く暮らしていても、いつどこで何が起こるかは予測できません。大人はもちろんのこと、子どもにもリスクは存在します。子どもの保険を見極めて、いつ何があっても対応できるリスク対策はしっかり準備しておきたいものです。
執筆:滝本 博文
神奈川県横浜市出身。“お金”のことを気軽に・真剣に相談できる人が周囲にいないことの重大性・重要性に気付き、広告・マーケティング業界から一転、外資系生命保険会社に転職。『ライフプラン』を軸にした保険コンサルティング営業を経験・従事。トータルライフコンサルタント、ファイナンシャル・プランナー資格も取得。
その経験を活かし、現在ファイナンシャルプランナー事務所にて、すべての人に不可欠であるテーマ「資産形成」「リスクマネジメント」を中心としたコンサルティング業務に従事。「ライフ・プランニング」をベースに、「保険」の力と「不動産」の力を組み合わせながら、お金にまつわる悩み事・不安事を、お客様といっしょに考え、いっしょに解決していくお手伝いをしております。