学資保険で学費は貯まる?!学資保険の加入内容や賢く選ぶ方法

学資保険で学費は貯まる?!学資保険の加入内容や賢く選ぶ方法

2017.12.15

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滝本博文

滝本博文

ファイナンシャルプランナー

株式会社アドキャスト FP事業部係長。2級FP、トータルライフコンサルタント。

子どもが産まれて将来のことを考えて学資保険を検討するママやパパもいるのではないでしょうか。学資保険の内容や学資保険で学費を賄うことができるのか、貯金・貯蓄と合わせてどのようにしていくのが良いのかをファイナンシャルプランナー(FP)の滝本博文さんに伺ってみました。

「学資保険」とは

「学資保険」ということばは、知らないママはいなく、何のための保険なのかもほとんどのママがご存じでしょう。そう、「学資保険」とは、子どもの教育資金の準備のための積立型の保険です。

学資保険のタイプはさまざまあります。

進学のタイミングにあわせてお祝い金がもらえるタイプのものや、子どもが被保険者になり、子どもの医療保険と積立部分がいっしょになっているタイプなどもあります。

また、「学資保険」とはうたっていませんが、保険料払込期間(ほとんどが15年)が終了した翌年から払込保険料総額よりも、積立金(解約返戻金)の方が増加していくという保険を学資代わりに活用するタイプなど様々です。保険を使った教育費積立は、予定利率が低減したとはいえ、預金と比べればまだまだ率は悪くはありません。教育費積立を目的として保険を活用する場合は、「いつまでに」「いくら」を積み立てるかを明確にして、継続的に進めていきたいものです。

保険の予定利率が低減した現在、保険ではなく現金で積み立てる考え方もあります。しかし、積立をしているご本人(子どもの親)に万一のことがあったらどうでしょう。積立はその時点で終了してしまいます。積立額もその時点までの額しか残りません。

保険の場合は、被保険者が積立をしているご本人(子どもの親)であれば、万一のことがあった場合には保険料がわずかの払込であっても、保険金が支給されます。その保険金が子どもの教育費となると考えれば、保険で積立ていく合理性も納得いくのではないでしょうか。

勉強する子ども
© tatsushi – Fotolia

学資保険だけで、教育費は賄える?

小・中・高の場合

学資保険は、大きなお金が必要となる“大学の学費”に備えるための保険といっても過言ではないでしょう。学資保険の保険料払込期間は、15年~18年が一般的です。払込期間中に進学の各タイミングに祝い金をもらえる保険もありますが、教育費全体を賄うにはほど遠い金額です。

つまり、それまでの小中高の学費は、学資保険は意味をなさないものとなります。公立の小中高であれば、教育費自体は大きくなく、収入からの支出でやりくり出来るでしょう。しかし、私立となると別です。時間・期間的に学資保険では対応できないので、目標金額を定めて預金をしっかりやっていく必要があります。


大学の場合

大学平均学費は、文系で約400万円、理系で約550万円ほどです。学資保険で、毎月10000円を15年間積立て、大学入学時に受け取れるお金は、190万円前後。毎月20000円だと、380万円前後となります。子どもがどのような進路を選択するかにもよりますが、それを想定して教育資金の積み立てで学資保険を活用するのは有効的な手段でしょう。

しかし、子どもが成長していくにつれて、親の想定とは異なる道を歩みだすことも多々あります。そうなると準備していた学資保険の積立金額では足りなくなる可能性もあるかもしれません。学資保険は将来の大学進学時などにまとまったお金が戻ってくるということでは有効的なものですが、それだけに頼ることなく、別途教育費貯金はしていきたいものです。

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学資保険で注意すべき点は?

学資保険で積立していくメリットのひとつに、毎月口座から引き去ってくれるので、ある意味、“強制的貯金積立”ができ、有効的手段でもあります。しかし、加入する前に、注意しておくこともあります。


途中解約

月々の積立金額によって、将来受け取れる金額も変わります。だからといって、無理して月々の保険料を上げていくのは良いのですが、払込期間中に保険料の払込が厳しくなることもあるかもしれません。それにより解約をしてしまうと、解約返戻金はそれまで払い込んできた累計保険料より下回ってしまいます。つまり損をしてしまうことになります。

学資保険に加入するときは、いつまでにいくら必要なのか?はもちろんのこと、期間中、滞りなく払込金額を払い込んでいける金額(保険料)をシミュレーションが必要です。


積立金の引き出し/契約者貸付

保険は、銀行ATMのようなものはなく、積立金をいつでも気軽に引き出せるものではありません。

しかし、学資保険で積立中に、どうしてもまとまったお金が必要になった際、仕方なく解約という選択をしてしまうこともあります。その場合、子どものために積立ている学資保険を解約をしてしまうと損してしまいます。そのような時に、契約者貸付という制度があります。これは積立金の中から一部引き出しができる制度です。

引き出したお金は、保険会社が定める利率を乗じて返済すれば、保険積立金は元に戻ります。保険会社・商品によって、内容は異なりますので、ご加入前によく確認してください。

きちんと調べて賢い選択を

学資保険について話し合う夫婦
© Monet – Fotolia

このように、学資保険を活用した教育費積立など内容も、長所短所それぞれあります。ご加入前に、いつまでにいくら準備したいのか?それにはどの商品が有効的なのか?加入後の制度はどうなっているのか?など、よく調べましょう。

もちろん分からないことも出てきます。そのような時は、ファイナンシャルプランナーや保険会社の方などにアドバイスをいただきながら夫婦で商品比較しながらよく話し合って決めていきたいものです。


執筆:滝本 博文

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ファイナンシャルプランナー(FP)滝本 博文

神奈川県横浜市出身。“お金”のことを気軽に・真剣に相談できる人が周囲にいないことの重大性・重要性に気付き、広告・マーケティング業界から一転、外資系生命保険会社に転職。『ライフプラン』を軸にした保険コンサルティング営業を経験・従事。トータルライフコンサルタント、ファイナンシャル・プランナー資格も取得。

その経験を活かし、現在ファイナンシャルプランナー事務所にて、すべての人に不可欠であるテーマ「資産形成」「リスクマネジメント」を中心としたコンサルティング業務に従事。「ライフ・プランニング」をベースに、「保険」の力と「不動産」の力を組み合わせながら、お金にまつわる悩み事・不安事を、お客様といっしょに考え、いっしょに解決していくお手伝いをしております。

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