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双子だと育休期間は変わる?給付金やパパ育休など制度を上手に活用しよう
双子の産休・育休期間、出産手当金などについて
双子の妊娠が分かったときは嬉しい反面、双子を育てながらいつまで仕事ができるのか心配になるママもいるのではないでしょうか。そこで今回の記事では、双子を授かったときに利用できる産休育休制度や、双子妊娠時の注意点について考えてみました。
双子の妊娠出産と育児を控えた産休育休
双子の妊娠が判明した場合は、育児を控えた産休育休について基本事項をおさえておきましょう。
産休(産前休業)は長く取れる
双子の妊娠が発覚した場合は、1人の場合より早めに産休を取得することができます。通常の産前休業は出産予定日の6週間前から取得できますが、双子の場合は、14週間前から産前休業を取得することが可能です。これにより、ママは十分な休業期間を確保し、双子の出産育児に備えることができます。
育休(育児休暇・育児休)は1人の場合と同じ
育児休暇とも呼ばれる育児休業は子どもを育てる期間であるため、出産人数に関係なく、出産した人に平等に与えられる期間です。
双子を妊娠・出産した場合でも、産休(産前休業)は長めに取れますが、育児休暇・育児休業は1人の場合と同じ期間になります。ママは育休期間を有効に活用し、双子の出産育児に専念することができます。
出産育児一時金、育児休業給付金について
国民健康保険か社会保険に加入している人であれば、一児につき42万円を出産育児一時金として受け取ることができるため、双子を妊娠した場合は2人分の受け取りが可能です。
育児休業給付金の支給
育児休業給付金は、雇用保険に加入していて育児休暇・育児休業を取得した人に支給されるので、妊娠・出産した人数に関係なく支給されます。出産育児一時金や育児休業給付金の申請は、病院や会社の証明、書類の郵送などの手続きが必要なので、双子出産前にできる範囲で書類の準備をしておきましょう。育休期間中は、この給付金を活用して経済的な不安を軽減できます。
出産手当金について
健康保険に加入している被保険者が妊娠・出産のために会社を休業する場合、出産手当金が支給されます。出産の日以前42日(双子の場合は98日)から出産の日後56日までの期間中、仕事に就くことができなかった日について支給されます。この手当はママの休業期間中の収入を補填し、安心して出産育児に専念できるようサポートします。
自治体や保育園の支援について
企業主導型ベビーシッター利用者支援事業
ベビーシッター育児支援事業は、内閣府が主導する重要な子育て支援策の一つとして、2024年も継続して実施されています。この事業は、働く親の子育てと仕事の両立を支援することを目的としています。
従来の共働き世帯に加え、ひとり親世帯や在宅勤務の親も対象に含まれるようになりました。また、24時間対応のサービスが導入され、夜勤や深夜勤務をしながら育児をしている保護者にも利用しやすくなりました。
全国保育サービス協会のウェブサイトから、オンラインで簡単に申請できるシステムが整備されました。双子などの多胎児世帯に対しては、追加の補助や優先利用枠が設けられています。
この事業は、2024年の社会情勢や家族のニーズに合わせて進化を続けています。詳細な情報や最新の変更点については、内閣府の公式ウェブサイトや、お住まいの自治体の子育て支援窓口でご確認ください。
自治体のサポート
育児支援サポートを独自で行っている自治体は全国にたくさんあり、そのひとつが東京都荒川区です。「ツインズサポート(多胎児家庭支援)」という妊娠・出産・育児による心身の負担を軽減するためヘルパーを派遣し、家事や育児のサポートするといった子育て支援を行っています。
埼玉県では、子どもが3人以上の世帯を対象に「3キュー子育てチケット」という子育て応援チケットを配布。さまざまな子育て支援として利用したサービスを、現金ではなくチケットを使って利用することができる制度です。
これらの支援は、保護者の出産育児の負担を軽減し、夫婦で協力して双子育児に取り組むことをサポートします。
双子の妊娠がわかったら気をつけること
双子の妊娠がわかって喜ばしい反面、気をつけなくてはならないことも。双子の子どもを出産した筆者の経験も踏まえて考えていきたいと思います。
体の負担も大きくなるので無理はしない
「双子妊娠だったので、お腹が大きくなるスピードが早く、普段何気なくやっていた、しゃがむ、歩くなどの動きも大変だと感じることが多かったです」(20代ママ)
妊娠8カ月には単胎児妊娠の臨月ぐらいにお腹が大きくなることがほとんどで、歩くことや横になるのがしんどいと感じるようです。妊娠中の時期は無理をせず、ゆったりすごすことが大切です。特に出産間近は休めるときにしっかり休めたらよいですね。ママは出産予定日に向けて、実家のサポートを受けるなど、十分な休養を取ることが重要です。
早産や帝王切開の可能性が高いことを考慮
「かかった産院は、出産時の安全性を最優先にするため、双子の場合は帝王切開のみとしているところでした」(30代ママ)
双子の妊娠が分かったら、病院選びは慎重に行いましょう。双子妊娠に関わらず、妊娠後期になると子宮口が少なからず開いてしまったり、お腹のハリがひどくなることがあるようです。病院によっては、出産予定日の数日前から早産の危険性を考慮して、管理入院を勧めることもあります。また。ママとパパは、このような可能性を考慮して、妊娠中から出産育児の準備を進める必要があります。
実家のサポートを活用
「実家の両親に来てもらったおかげで、双子の育児を乗り越えることができました。特に出産直後は体力的にも精神的にも大変でしたが、実家のサポートのおかげで少しずつ慣れていくことができました」(35歳ママ)
「旦那の実家が近くにあるので、仕事復帰後も急な残業の時など子どもを見てもらえて助かっています。保育園のお迎えも協力してもらえるので、夫婦で仕事と育児の両立ができています」(32歳ママ)
双子の出産育児においては、実家のサポートも重要な役割を果たします。実家の協力を得ることで、ママとパパの負担を軽減し、より充実した出産育児を行うことができます。
出産予定日が近づいたら、実家との話し合いを持ちましょう。どのようなサポートが可能か、どの程度の期間協力してもらえるかを確認できるとよいでしょう。双子の出産育児は想像以上に大変です。実家の存在は精神的な支えにもなり、安心して出産にのぞめます。
パパ育休を活用して双子育児にのぞむ
近年、育児における父親の役割が注目されており、パパ育休の取得を推進する動きが強まっています。2022年10月から施行された改正育児・介護休業法により、子どもの出産後8週間以内に4週間まで取得できる産後パパ育休(出生時育児休業)が創設されました。この制度により、夫婦で協力して双子の妊娠から出産育児までに計画的に取り組むことができます。
この産後パパ育休を取得した方の体験談を聞きながら、メリットや給付金などについて見ていきましょう。
パパ育休のメリット
「産後パパ育休を取得して本当によかったです。妻の回復を助けながら、新生児の世話を学ぶ貴重な時間となりました。この経験は、その後の育児にも大きく役立っています」(40代パパ)
「上の子どもの時はパパ育休制度がなかったので、今回のの双子の出産で旦那が初めて取得しました。双子育児は想像以上に大変でしたが、パパ育休のおかげで旦那が育児を自分ごととして捉えてくれました。上の子どもの保育園の送り迎えも担当してくれて、子とも向き合える時間ができたようです」(30代ママ)
パパ育休を取得することで、双子育児における夫婦の協力体制が強化されます。特に双子の場合、育児の負担が大きいため、父親の積極的な参加が重要です。また、パパ育休を取得することで、子どもとの絆を深める貴重な機会にもなります。パパの休業期間中は育児の負担を分担できるため、ママは出産育児に専念できます。
パパ育休の給付金
「給付金のおかげで、経済的な不安を感じることなく育休に専念できました。特に双子の場合は出費も多いので、この支援は本当にありがたかったです」(30代パパ)
パパ育休中も育児休業給付金を受け取ることができます。育児休業給付は休業開始時の賃金を日額に取得日数をかけた額のの67%(育休期間中6ヶ月経過後は50%)が支給されます。
双子を妊娠・出産した場合、育児の負担が大きいため、この経済的支援は非常に重要です。パパ育休期間中の給付金は、夫婦で協力して出産育児に取り組む上で大きな支えとなります。
パパ育休取得のポイント
「双子の育児は大変でしたが、旦那がパパ育休を取得してくれたおかげで、子育てを夫婦で協力して行うことができました。実家のサポートも得ながら、育児休業給付金を活用して経済的な不安も軽減できました」(30代ママ)
「旦那の職場はいちはやくパパ育休を推進していたので、しっかり育休をとってくれました。おかげで双子の育児でも焦らずにのぞむことができました」(20代ママ)
双子育児において旦那の育休取得は非常に有効ですが、職場の理解を得ることが重要です。出産予定日が近づいたら、早めに上司や人事部門と相談し、育児休暇・育児休業の計画を立てましょう。
また、実家のサポートも考慮に入れながら、最適な休業期間を決定することが大切です。パパの育休期間は出産育児の負担を軽減し、夫婦で協力して双子育児に取り組む貴重な時間となります。
このように、双子育児においては様々な支援制度や育休制度を活用することが重要です。産休(産前休業)、育休(育児休暇・産前休業)、パパ育休などの休業期間を上手く組み合わせ、夫婦で協力しながら双子育児にのぞみましょう。
双子が生まれたあとに大切なこと
双子育児は通常の育児以上に負担が大きいため、夫婦での協力関係が必須と言えるでしょう。パパ育休を活用し、出産直後から旦那が積極的に育児に参加することで、ママの負担を軽減し、よりよい子育て環境を作ることができます。
ここでは、双子が生まれた後の育休期間にやっておくとよいことを、双子育児の先輩ともいえる保護者に聞いてみました。
育休期間は保育園探し
「保育園探しは本当に大変でした。双子を同時に受け入れてくれる保育園が少なく、見つかるまでに育休を延長するなどかなり時間がかかりました」(20代ママ)
「育休期間を調整して、4月入園に合わせられたのがよかったです。夫婦で協力して妊娠初期から保育園探しをしたおかげで、仕事復帰後もスムーズに育児と仕事の両立ができています」(30代パパ)
双子の保育園探しは、子ども1人の場合以上に計画的に進める必要があります。多くの保育園では双子を同時に受け入れることが難しい場合もあるため、早めの情報収集と双子を前提とした戦略的な申し込みがポイントと言えるでしょう。
出産予定日が決まったら、すぐに地域の保育園情報を集めるなど保活の準備が必要かもしれません。保育園の入園状況に合わせて、夫婦で育休期間を調整することも検討する必要があるでしょう。
病児保育園の登録
「無事に双子を出産し、なんとか保活も成功して仕事復帰を果たしましたが、病児保育園の登録が大事だったと後からつくづく実感しました」(30代ママ)
「病児保育園を利用できるようにしておけば、双子の病気の子を病児保育へ預け、元気な子は保育園へ預けることができるので助かりました」(30代ママ)
育休期間を終えて職場復帰したあとに起こる問題が子どもの病気です。今朝は元気だったのに昼間に熱が上がって保育園に迎えに行かないといけないという状況が何度も起こります。
特に双子の場合は2倍です。1人は元気でもう1人が病気の場合、元気な子まで休ませたり、帰宅させることになるため、病児保育園の利用頻度は高くなることを想定しておきたいですね。
保育園など集団生活では病気にかかるリスクが高くなる可能性もあるので、病児保育園は忘れずに登録しておきましょう。これにより、ママとパパは仕事と出産育児の両立をより円滑に進めることができます。
産休・育休を利用して無理のない双子育児を
双子の妊娠は貴重な体験でしょう。産休(産前休業)や育休(育児休暇・育児休業)制度、自治体の子育て支援を十分に利用して双子育児を無理のないように進めましょう。
会社によっては、産休(産前休業)や育休(育児休暇・産前休業)の期間を独自で決めている場合もあるので、自分の会社でいつまで休めるのかなど事前に調べておくと予定が立てやすくなります。夫婦でそれぞれの休業期間を最大限活用し、出産育児に専念することができます。
地域によっては、同じ環境のママたちが集まって情報交換や交流の場を作っている団体もあるようです。年度によって支援内容や補助金の金額が変わることがあるので、双子の妊娠が判明したときは、自治体や国の子育て支援政策を再度確認してみるのがよいのかもしれません。
夫婦で協力して妊娠中から情報収集を行い、利用可能な支援や制度を最大限活用することで、双子の妊娠から出産育児をより豊かなものにすることができるでしょう。
※記事内で使用している参照に関する内容は、2017年10月20日時点の情報で作成し、2024年7月8日に更新しています。