子どもの学資保険はいつから入る?FPに聞く、必要な学費や保険の種類

子どもの学資保険はいつから入る?FPに聞く、必要な学費や保険の種類

2017.08.07

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滝本博文

滝本博文

ファイナンシャルプランナー

株式会社アドキャスト FP事業部係長。2級FP、トータルライフコンサルタント。

子どもの学資保険は子供が何歳のころに入るのが適切なのか、最終的にどれぐらいあればいいかなど知りたいと思いませんか?今回は、必要な学費や確実な積み立て方をファイナンシャルプランナー(FP)の滝本博文さんに聞いてみました。

親として気になる子どもの学費

準備すべき資金

子どもの教育費準備。将来の子どものためにも、必ず必要になってくるお金です。

親としてはいつから、いくらくらい、どのように準備すればよいのか?など、悩ましいものですよね。

しかし、わからないままにしておき、何も準備しないまま時間だけが経過してしまい、結果、お金の準備ができていないという理由で、子どもの将来を摘んでしまうのは、親としても本望ではないでしょう。


親として、子どもにどんな教育を受けさせてあげたいか?
子どもが、どんな教育を受けたいか?


などによっても、準備すべき資金は、大きく変わってくるものです。


必要な学費

まずは、進路別に、いくらの学費が必要かを確認してみましょう。将来、子供の教育費として必要な資金の平均学費は、以下の通りです。


■私立小学校
・学校教育費(※1) 885,639円
・入学金(※2)   185,990円
・合計       5,499,424円

■私立中学校
・学校教育費 1,022,397円
・入学金    188,228円
・合計    3,255,419円

■私立高校
・学校教育費  740,144円
・入学金    162,362円
・合計    2,382,794円

※1 文部科学省 H26年度「子供の学習調査」の結果
※2 文部科学省 平成27年度私立高等学校等授業料等の調査結果

■公立大学(※3)
・授業料   537,809円
・入学金   229,584円(地域内)/ 393,426円(地域外)
・施設設備費 無
・合計    2,380,784~25,544,662円

■私立大学[文系](※4)
・授業料    746,123円
・入学金    242,579円
・施設設備費  158,118円
・合計     3,385,189円

■私立大学[理系](※4)
・授業料    1,048,763円
・入学金     262,436円
・施設設備費   190,034円
・合計     4,647,522円

■私立大学[医歯系系](※4)
・授業料    2,737,037円
・入学金    1,038,128円
・施設設備費   831,722円
・合計    18,292,072円

※3 文部科学省 平成28年度学生納付金調査結果:大学院昼間部
※4 文部科学省 平成26年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)

この学校教育費以外にも、学習塾費用や通塾費、参考書や書籍費用などもかかってきますので、子どもの将来を見据えた試算設計が必要です。

学費積立は、時間を味方につける

ご覧の通り、これらの大きなお金を、短期間で準備するのは無理があります。

子どもの教育費を準備するときの基本的なコツは、「できるだけ時間を味方につけて、毎月コツコツと積み立てていくこと」。これに尽きます。

同じ金額を、5年間で準備するのと、15年間で準備するのとでは、月々の積立額も大きく変わります。当然それは家計にも大きく影響してくるのは言うまでもありません。

例えば、1,000万円を用意しようとしたとき、現金で5年間で準備すると、月々16.6万円。しかし、15年間だと約5.5万円。月額換算してみても大きく変わってくるのは一目瞭然です。

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子どもが誕生した時点から積立開始

赤ちゃん

子どもが誕生した時点で、教育・教育費支出は、親の義務・責任でもあります。積立を始める時期としては、子どもが誕生されたらすぐにでも積立開始するのが良いでしょう。

少しでも多くの時間を味方につけて、長い期間積立ができれば、おのずと毎月の積立額は軽減できます。

ご家庭の教育方針や子どもの希望進路などで変わりますが、どこの時期に合わせて、いくら積み立てていくのか、ご夫婦でよく話し合って、計画的に賢い積立をしていきたいものですね。

積立方法

実際、積み立て方法はどのようなものがあるのでしょうか?


現金預金

確実な積立方法です。できれば、教育費専用口座を開設するなどして、毎月その口座に入金していきましょう。ただし、金利はほぼつかないというデメリットがあります。


学資目的の保険

一般的な教育費積立は「学資目的の積立型保険」を利用する方が多いのではないでしょうか?

学資目的の積立型保険のメリットは、以下の2つです。


①積み立てた保険料以上に、満期金(解約返戻金)が多く戻ってくる。(普通預金などのよりも積立率が良い)

②積立だけでなく、そこに万が一の時の“保険”も付加されており、合理的な考え方ができる。


学資目的の保険には、「学資保険」「こども保険」「低解約払戻金型保険」など、いくつかの種類がありますので、選択されるときに比較・検討も必要です。

中途解約をしてしまうと、支払保険料よりも解約返戻金が少なくなってしまうものもあるので加入前にしっかりと確認が必要です。

これまでの学資目的の保険は、満期時には、支払保険料総額の110~120%が満期金などで手にすることができて魅力的なものでしたが、2017年4月に保険料率改定があり、各保険会社の積立型保険の積立率が低減し、以前のような積立率ではなくなってきました。

しかし、学資目的の積立保険は、保険が付加されていることを考慮すれば、普通預金よりも合理的とも言えるでしょう。


変額保険、外貨建て保険、ジュニアNISA

マイナス金利の現代、多少のリスクをとらないと、お金は増えにくい時代です。

学資保険商品の満期返戻率が減少してしまった中、多少のリスクをとり、支払元金以上に、満期金(返戻金)が増える可能性がある「変額保険」「外貨建て保険」「ジュニアNISA」なども注目されています。

ただし、これらは、支払額より積立金が大きく増える可能性もありますが、逆に元本割れしてしまう可能性もある商品ですので、加入前にしっかりと確認が必要です。

このような商品特性をきちんと理解したうえで、「学資目的の積立保険」や「教育費専用普通口座」などと合わせて、リスクを分散しながら積み立てていくという方法も有効的かもしれませんね。

確実な方法で賢い積み立てを

子ども

このように、子どもの教育資金は、将来必ず必要になってくるお金です。

出来るだけ早い時期から時間を味方につけながら、出来るだけ確実な方法で、コツコツ積み立てていきましょう。

詳細は、ファイナンシャルプランナーや保険担当などに相談しながら、賢い積立をしていくのがおすすめです。


※記事内で使用している引用に関する内容は、2017年8月4日時点で作成したものになります。


執筆:滝本 博文

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神奈川県横浜市出身。“お金”のことを気軽に・真剣に相談できる人が周囲にいないことの重大性・重要性に気付き、広告・マーケティング業界から一転、外資系生命保険会社に転職。『ライフプラン』を軸にした保険コンサルティング営業を経験・従事。トータルライフコンサルタント、ファイナンシャル・プランナー資格も取得。その経験を活かし、現在FP事務所にて、すべての人に不可欠であるテーマ「資産形成」「リスクマネジメント」を中心としたコンサルティング業務に従事。「ライフ・プランニング」をベースに、「保険」の力と「不動産」の力を組み合わせながら、お金にまつわる悩み事・不安事を、お客様と一緒に考え、一緒に解決していくお手伝いをしております。

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