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子どもと楽しむ夏のイベント「夏祭り」の由来とは?
夏は、地域によってさまざまなお祭りが開催され、大人も子どもも楽しみなイベントがたくさんありますよね。夏祭りや盆踊りが行われている本来の由来を知り、子どもにも伝えて家族でいっしょに夏をもっと楽しみませんか。
夏祭りに盆踊りをする理由
夏は、地域によってさまざまなお祭りが開催され、大人も子どもも楽しめるイベントがたくさんありますよね。子どもが通う保育園や幼稚園でも夏祭りを行うところがあるのではないでしょうか。しかしいざ夏祭りの由来を聞かれると、「よくわからない」という人も多いのかもしれません。ぜひこの機会に夏祭りの由来を知り、子どもといっしょに夏のイベントを楽しみませんか。
夏祭りが行われるようになった由来は?
「春祭り」「秋祭り」はあまり一般的ではありませんが、「夏祭り」は広く親しまれています。そもそもなぜ、夏祭りがこれほどまでに一般的になったのでしょうか?その由来をご紹介します。
由来
昔は、大きな疫病が流行ったり、災害が起こったりすると「神様が怒っているからだ!」と考え、神様を盛大にもてなし、怒りを鎮めることで災いを吹き飛ばす目的で祭りが行われました。特に夏は害虫や疫病が流行ることが多く、これらの災いを遠ざけるために夏祭りが行われるようになったと言われています。
かの有名な京都の祇園祭りも夏に行われたことから、全国的にも「夏祭り」が浸透していったようです。
そのほか、夏祭りを行う理由
地域によっては無病息災を願うほか、厳しい農作業の慰労の意味を込めて行っている地域もあります。また、台風や日照りなど農民を襲う天災を取り払う目的で夏祭りを行う地域もあります。
夏祭りで盆踊りが踊られる理由・由来は?
夏祭りで盆踊りに参加したり、見かけたことがある人もいるでしょう。しかし、夏祭りで盆踊りをする本当の意味を知っている人は多くはないのではないでしょうか?子どもに夏祭りで盆踊りをする理由や由来を聞かれたときのために、まずはお盆についての知識を深めておきましょう。
お盆について
お盆は、亡くなった先祖や家族の霊を家に迎え、供養する行事です。もともとは、旧暦の7/15に行われていましたが、現在は8月に行うところが多くなりました。
一般的には8/13~16ごろが多いですが、地域によって異なるため注意が必要です。
- 7/13~15 東京・静岡
- 8/13~15 南関東・西日本全般
- 8/20前後 沖縄、奄美などの南西諸島の一部
盆踊りの由来は?
盆踊りの起源は、平安時代(794年~1185年)中期。その時代に活躍していた僧侶の空也が人々に念仏を広めようとしたことが起源だと言われています。ひょうたんを手にもって叩きながら念仏に合わせて踊りを踊るようになり、「念仏踊り」として広く世の中に知られるようになりました。
この念仏踊りが、やがて先祖を供養する盂蘭盆会(うらぼんえ・お盆のこと)と結びついて「盆踊り」になったと言われています。
盆踊りにはどんな意味がある?
盆踊りの意味には、いくつかの考えがあると言われています。例えば、お盆に戻ってきたご先祖様の霊を慰める意味があったり、お盆の供養で成仏できた死者が喜ぶ姿を表現したものという説もあります。
地域によっては、ご先祖様を送り出す意味を込めて8月15日の夜から、盆明けである16日まで踊り続けるところもあるようです。そのほか、悪霊や亡者たちを踊りながら追い出す、精霊たちを、踊りに誘いこんで送り出すという説もあります。
盆踊りが夏祭りで踊られるようになった由来は?
盆踊りは、もともとお盆に帰ってきたご先祖様の霊を迎えたり送ったりするための念仏踊りとして始まった仏教行事でした。
はじめは、宗教的な意味合いから始まった盆踊りですが、時が経つにつれて、大人も子どもも参加できる民俗芸能として定着していき、江戸時代ころには各地域の人々との交流の場になっていきました。
現在は、町内や幼稚園、保育園でも行われているところも多いですよね。企業や地域の商店街などのイベントとして行われることも増え、盆踊りだけでなく夜店が出たり、夏祭りのイベントのひとつになっていたりと、大人も子どもも楽しめる娯楽的な意味合いが強くなっているように感じます。
子どもに伝えたい、日本の三大盆踊りの特徴と由来
盆踊りの魅力は、日本文化に触れられることや初めて踊る人でも楽しめる点にあります。なかでも秋田県の「西馬音内盆踊り」、「岐阜県の郡上八幡盆踊り」、「徳島県の阿波踊り」は、日本の三大盆踊りとして親しまれています。それぞれの特徴や由来について紹介します。
西馬音内盆踊り
秋田県・羽後町 8/16~18開催する盆踊りで、編み笠、彦三頭巾、藍染め浴衣、端縫い衣装、履物を身につけて踊ります。野性的な囃子に対して、優雅で流れるような美しい踊りの対照が西馬音内盆踊りの特徴です。
関ケ原の戦いの後、滅亡した城主(西馬音内)を偲んだ亡者踊りが由来とされています。
郡上八幡盆踊り
岐阜県・郡上市八幡町 7/8の踊り発祥祭に始まり、9/2の踊り収めまで開催される日本一長い盆踊りです。踊りの種類は全部で10種類。 種類が多いのも郡上踊りの特徴です。
城主が領民の融和のために開催したのが由来とされており、身分にかかわらず輪になって踊るのが特徴です。現在でも、衣装などの決まりはなく、誰もが気軽に参加できる点が魅力のひとつです。
阿波踊り
徳島県・徳島市 毎年、8/12~15の4日間開催。阿波踊りは基本的に「連」と呼ばれるグループで行進する形の踊りで、踊りのスタイルは、自由奔放で豪快な「男踊り」と、華麗で集団の美しさを見せる「女踊り」の2種類があります。鳴り物は、鉦(かね)・大太鼓・締太鼓・鼓(つづみ)・笛・三味線の6種類を使いますが、最近ではすべての鳴り物は使わず、鉦・太鼓・笛が中心となっています。
徳島城の築城を祝うために、城下町の町民が踊ったことが由来となっているようです。
子どもと楽しみたい、海外の盆踊りや夏祭りの特徴と由来
中南米の「マツリ・ダンス」
ブラジルには、マツリ・ダンスという盆踊りがあります。日本のように、輪になって踊ることもあれば、その場で一斉に踊る場合もあり、J-popなどの曲に合わせて、全員で同じ振り付けを盆踊りのように繰り返して踊ります。
ブラジルに住んでいた日系人のカラオケ教師が考案したものが由来とされています。
北米の「Bon Dance」
アメリカ合衆国のハワイ州やカリフォルニア州、ニューヨーク州など日系人の多い地域では、夏にBon Danceが行われています。宗教色はほとんどなく、特に、盛んな地域では前もって練習会を行っているところもあります。
その名のとおり、日本の盆踊りが現地に広まったことが由来とされており、現在は現地の文化や音楽などを取り入れた独自のスタイルで発展しているようです。
夏祭りや盆踊りを子どもと楽しむポイント
夏になると、夏祭りや盆踊りが全国各地で開催されます。子どもが通っている保育園や幼稚園で開催される夏祭りはもちろん、ぜひ地域の夏祭りにも参加してみましょう。地域のお祭り情報は、自治体のHPなどで公開されていることが多いため、チェックしてみてくださいね。ここでは、夏祭りや盆踊りを子どもと楽しむポイントを紹介します。
子どもと一緒に夏祭りの起源や由来を調べてみる
歴史のあるお祭りであれば、子どもと一緒に由来や目的などを調べてみるのがおすすめです。有名なお祭りは、絵本で紹介されているケースもあるため、図書館などで調べてみるのもいいですね。
子どもと一緒に浴衣を着て夏祭りに参加してみる
夏祭りや盆踊りに参加するときは、浴衣や甚平などを着用するのもポイントです。日本文化を体感できるだけでなく、夏らしい雰囲気を楽しめますよ。「子どもに浴衣を着せるのはハードルが高い」という人でも簡単に着せられるワンピースタイプの浴衣もあります。
おうちで子どもと縁日ごっこをしてみる
「人ごみにいくのは不安」「人前で踊るのは苦手」という場合は、まずは家で縁日ごっこを楽しんでみてはいかがでしょうか?ビニールプールにふうせんヨーヨーを浮かべてみたり、りんご飴やチョコバナナを作ってみたり……とまずは形から入ってみることで「本物の夏祭りに行ってみたい」「盆踊りを覚えてみたい」という気持ちが湧いてくるかもしれません。
夏祭りの由来や目的を知って、子どもと一緒に盆踊りを楽しもう
夏祭りや盆踊りは、ご先祖様の霊との別れを惜しんだり、慰霊の意味を込めて行われるイベントだったことが分かりました。もともとは宗教的なイベントだったものが、今や保育園や幼稚園、地域の夏祭りなどの一種として浸透しているなんて、面白いですね。
ぜひこの夏は、ご先祖様を偲びつつ、お盆に盆踊りや夏祭りなどのイベントを楽しんでみてはいかがでしょうか?