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【小児科医監修】子どもに口内炎がよくできる。繰り返す原因と対処法
口内炎の種類と予防法など
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クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
子どもの口内炎について気になるママもいるでしょう。痛がってご飯を食べたがらず困った経験をしたことがある人もいるかもしれません。子どもの口内炎は感染症の可能性もあり、熱が出ることもあります。症状を早く改善するためにも正しい予防や対処が必要です。口内炎がよくできる理由や繰り返す原因をご紹介します。
子どもに口内炎がよくできる
口内炎とは口の中や周りの粘膜に起こる炎症のことをいいます。
口内炎ができると、赤く腫れたり、ただれてしまうなど子どもにとってとてもつらい状態です。
口内炎ができる原因は
- 免疫力の低下
- 口の中を噛んでしまい、細菌が入る
- 口の中が不衛生
- 抗生物質やステロイド治療
- ウイルス
などさまざまあり、原因を改善できないと口内炎がたくさんできたり、繰り返す場合があります。
口内炎の種類と原因を知り、しっかり対処・予防しましょう。
口内炎の種類
口内炎にもさまざまな種類があり、それぞれ原因が異なります。
口内炎の種類と特徴を解説します。
カタル性口内炎
カタル性口内炎は、口の中を噛んでしまったときや、熱いもの、薬による刺激が原因で起こります。
口内炎の中でも症状は軽く、痛みはそれほど強くありませんが、口内炎の周囲が赤く腫れたようになり、皮がむけたり、ピリピリとした痛みが出るなどの特徴があります。
口内炎ができたときには気づきにくいことがありますが、口の中に水膨れができたり、口臭がきつくなってきたときはカタル性口内炎ができている可能性があります。
ヘルペス性口内炎
生後6か月以降の赤ちゃんや幼児にできやすい口内炎で、38~40度の熱が出るのが特徴です。
口の中が赤く腫れあがったり、リンパの腫れなどの症状がでますが、目で見ても確認が難しいため、病院に行くのが遅れてしまうこともあります。
ヘルペス性口内炎はウイルス感染することで発症しますので、子どもの口の中が赤く腫れて、高熱が出たときは早めに受診しましょう。
カンジタ性口内炎
カンジタ性口内炎は、口の中のカビの一種が原因で発症します。
カンジタ性口内炎は生後1~3カ月の赤ちゃんがかかりやすく、口の中に白いこけのようなものができるのが特徴です。
通常は口の中にいても問題ないカビですが、口の中が不衛生だったり免疫力が落ちていると口内炎になります。
アフタ性口内炎
アフタ性口内炎は免疫力の低下や栄養不足が関係していると考えられており、赤くふちどられた白いただれができるのが特徴です。
アフタ性口内炎の原因ははっきりとわかっていませんが、女の子に多くみられます。
舌や歯茎などにできやすい口内炎で痛みを伴います。
子どもの口内炎の対処法
子どもに口内炎ができたらどのように対処すればよいのでしょうか。対処方法をご紹介します。
受診する
口内炎で病院に連れていくべきかどうか、悩んだ経験があるママも少なくないでしょう。
子どもの口内炎は、「手足口病」や「ヘルパンギーナ」などの感染症の可能性があります。
発熱や全身の倦怠感が3日以上続く場合はウイルス感染している場合があるので、早めに受診しましょう。
口内炎は耳鼻咽喉科が専門と言われていますが、歯医者や小児科、口腔外科、内科、皮膚科でも診療を受けることができます。
治療が可能か事前に病院に問い合わせしておくとよいでしょう。
薬を使用する
薬でも口内炎を処置することがあります。
食事をするときに痛みを感じないように口内炎部分にシールを貼る薬や、子どもが痛みを感じづらいスプレータイプの薬など口内炎の薬にもさまざまな種類があります。
薬の種類が豊富なため、子どもの口内炎の症状に合った薬を選びましょう。
どの薬を選べばよいかわからない場合は医師や病院で相談するとよいでしょう。
子どもの口内炎で受診する目安
口内炎で受診してもよいのかや受診する目安を知りたいママもいるでしょう。
- 口内炎が口の中に広がる
- 高熱
- 全身倦怠感
口内炎のほかに高熱や全身倦怠感が3日以上続く場合は、感染症の疑いがあるために早めに受診し、適切な治療を受けましょう。
口内炎によっては自然に治る場合もありますが、口内炎の種類はさまざまあります。自己判断すると長引いたり、悪化する可能性があるので、上記のような症状がみられるときは受診することが大切です。
口内炎の予防法
口内炎ができたり、繰り返しできると子どもがご飯を食べたがらないこともあるでしょう。
口内炎が痛いからと水分補給を怠ると、脱水症状になってしまうことがあります。
口内炎を予防する方法をご紹介します。
口の中を清潔に保つ
食べたあとの食べかすが口の中に残っていると口の中に細菌が増えてしまいます。
歯磨きや、こまめなうがい、水分補給をすることで、口内を清潔に保つことができます。
汚れがきちんと落ちているか確認しながらママやパパが歯磨きを手伝いしょう。
熱い食べ物や飲み物に注意する
熱い食べ物や飲み物でやけどしてしまい、粘膜が刺激を受けないように気をつけましょう。
子どもが小さいうちは熱さを確認せずに食べ物を口に運んでしまうことがあります。食べ物や飲み物は冷ましてから出すように心がけましょう。
やけどをして口内炎ができることもあるので、すぐに冷やしたり口をゆすぐなどして対処してください。
免疫力をつける
免疫力が弱いと口内炎ができやすいため、生活習慣を整えたり、バランスのよい食事を心がけることで口内炎を予防することができます。
食事には、ビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6、鉄分、亜鉛などをバランスよく食べられるように工夫しましょう。
口内炎ができる原因を知って対策をしよう
口内炎は、口内環境が悪かったり、免疫力が低下しているなどが原因で起こる粘膜の炎症です。
原因を取り除かなければ口内炎を繰り返す要因になるでしょう。
口内炎ができやすかったり、たくさんできる場合は生活習慣を整えたり、栄養バランスを整えることで口内炎を予防することができます。
口内炎が出来てしまったときは、薬を使って対処することもできますが、熱が続く場合は感染症にかかっている可能性があるため、早めに受診しましょう。
監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)
Profile
眞々田容子
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。