【小児科医監修】1歳過ぎたら牛乳を飲ませた方がいい?望ましい与え方

【小児科医監修】1歳過ぎたら牛乳を飲ませた方がいい?望ましい与え方

いつからあげる?牛乳の種類や量について

2019.08.27

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金髙太一

金髙太一

おひさまクリニック院長/日本小児科学会 小児科専門医/日本小児科医会 地域総合小児医療認定医/日本アレルギー学会/日本感染症学会

おひさまクリニック院長。小児科専門医、地域総合小児医療認定医。小児の感染症、アレルギー、免疫・膠原病を中心に東京、横浜の病院で研修・診療の経験を積み、2015年に東京の十条にておひさまクリニック(小児科、耳鼻咽喉科)を開院。子どもたちが健やかに成長していくためのサポートをしたいと思っております。また、3児の父でもあるので、子どもに関することでしたら、お気軽にご相談ください。

1歳をすぎるとそろそろ子どもに牛乳を飲ませてみようか考える人がいるかもしれません。初めて牛乳を与えるのはいつからを目安にし、温度や量、種類、時間帯はいつがよいのかについて解説します。また、牛乳アレルギーの場合に見られる症状とアレルギー時の対処法も併せてご紹介します。

何歳から牛乳を飲ませてよいのか

厚生労働省の資料「授乳・離乳の支援ガイド」によると「牛乳を与えるのは1歳以降が望ましい」と書いてあります。赤ちゃんは内臓の発達がまだ十分ではないので、たんぱく質が多い牛乳は消化吸収が悪いため、赤ちゃんに牛乳を与えるのは1歳をすぎてからよいとされています。

牛乳はアレルギーを誘発する可能性があるため、赤ちゃんのときは、アレルギー症状が出ないか慎重に見ていく必要があります

出典:「授乳・離乳の支援ガイド」/厚生労働省

初めて与える牛乳はどんな種類がいい?

牛乳にも牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、高温殺菌系、加工乳など種類があり、赤ちゃんに初めて与える牛乳はどの牛乳がよいのか迷うかもしれません。

初めて赤ちゃんに与える牛乳は、無調整で、低殺菌の牛乳がよいでしょう。

種類のところに牛乳と書かれているものが無調整になります。添加されているものより自然なものを選ぶことが重要です。

初めて牛乳をあげるときの望ましい与え方

初めて牛乳をあげるときの温度や量、時間帯など牛乳のあげかたについて解説します。


温度

牛乳の温度は、人肌程度に少し温めましょう。

子どもにとって飲みやすい人肌程度のぬるめに温度設定にすることをおすすめします。


牛乳
iStock.com/Yhounie

子どもに初めて牛乳を与えるときは、下痢をしたりしていないか子どもの体調を見て、元気なときにあげるようにしましょう。

幼児期の牛乳の適量は100~200ml、子ども用のコップ1杯~2杯程度を目安にします。

牛乳はカルシウム吸収率がよいため、飲みすぎると鉄分や亜鉛など栄養の吸収が妨げられ、鉄分不足になる可能性があるため、最大摂取量は1日に400mlまでにすることが大切です。

初めての牛乳は、50ccくらいから始めると、安心してあげられます。


時間帯

牛乳を飲む時間帯は、特に決まりはありませんが、万が一アレルギー症状が出たときにすぐに病院に行けるように午前中にあげるのがよいでしょう。


飲ませ方

ストローを使うと子どもが牛乳を一気に飲んでしまい、お腹を壊してしまうかもしれないので、子どもに牛乳をあげるときは、スプーンやコップを使ってゆっくり与えるようにしましょう。

冷たい牛乳は、お腹に刺激が加わりお腹を壊してしまう可能性があるため、初めて飲ませるときは常温や1度温めてから飲ませましょう。

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牛乳アレルギーの場合に見られる症状

牛乳を飲んだあとに以下のような症状が見られたときは牛乳アレルギーかもしれません。


  • 顔や体にじんましんが出る
  • のどがイガイガしたり、かゆみや腫れて元気がなくなる
  • 咳が出てきて全身が赤くなる
  • 呼吸が苦しくなる
  • 腹痛や吐き気、嘔吐、下痢などの消化器の症状が出る

牛乳アレルギーは、血液検査で牛乳の特異的IgE抗体が陽性で、乳製品を摂取したときに症状が出ると診断されます。IgE抗体が陽性でも、症状がでなければ摂取できますので、小児科などで確認してください。

牛乳アレルギー症状がみられたときの対処法

牛乳アレルギーの症状が見られたときはどのように対処したらよいのでしょうか。


牛乳をあげるのを控える

牛乳アレルギーかどうかはいくつかの検査をして診断されるため、少し時間がかかります。アレルギー症状が治まるまで牛乳をあげるのを控えましょう。


小児科を受診する

病院で診てもらう子ども
iStock.com/kuppa_rock

牛乳を飲んだあとに下痢や嘔吐、湿疹などの症状が見られたら早めに小児科を受診しましょう。

病院では、問診やアレルギー検査をして牛乳アレルギーかを診断します。食物アレルギーの治療は、必要最低限の食物除去が大切とされているため、牛乳アレルギーと診断された場合は、アレルギー物質を除去する方法と程度、期間は医師の指示に従いましょう。


牛乳に代わる食べ物でカルシウムを補う

牛乳でカルシウムを摂りたいと考えている人もいるかもしれませんが、アレルギー症状が出ているときは牛乳に代わる小魚や海藻類、ごま、大豆製品などでカルシウムを補うようにしましょう。


代用できるもので調理する

牛乳アレルギーの場合、牛乳を含む加工食品でもアレルギーの症状が出るかもしれません。

アレルギーの程度によるので、詳細は医師に相談していただくのが望ましいですが、例えばホワイトソースを使った料理は、アレルギー用のマーガリンや小麦粉、米粉などを代用したり、アレルギー用の市販のルウを使うようにします。

牛乳の代わりに豆乳やアレルギー用ミルクを使用することもできます。


原材料名を確認する

練乳や乳酸菌飲料、アイスクリーム、パン、一部の洋菓子などは牛乳を含む加工食品には牛乳が含まれている場合があります。

加工品食品を使って購入したり、料理に使う前は原材料名を確認する必要があります。

初めての牛乳は正しい量と与え方を知って進めよう

牛乳を飲む子ども
iStock.com/yaoinlove

赤ちゃんに牛乳を飲ませるのは1歳を過ぎてからということを聞いたことがある人もいるでしょう。

年齢の低い赤ちゃんは消化器官がまだ未熟だったり、アレルギーを考慮して初めて牛乳を与えるのは1歳をすぎてからがよいと言われています。

牛乳を初めてあげるときは冷たい牛乳だと、お腹を壊してしまう場合があるので人肌程度の温度に温めて、子ども用のコップ1杯程度の量で飲みすぎないことがポイントです。

牛乳を飲んだあとに、顔や体にじんましんが出たり、のどがイガイガしてかゆみや腫れるなど牛乳アレルギーを疑う症状が見られたら、症状が治まるまでは牛乳を控えて早めに受診することが大事です。

子どもに牛乳を飲ませるのは、1歳をすぎてから1日に400mlの量を超えないように、正しい量と飲ませ方を知って進めましょう。


監修:金髙太一(おひさまクリニック 院長)

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金髙太一

金髙太一

おひさまクリニック院長。小児科専門医、地域総合小児医療認定医。小児の感染症、アレルギー、免疫・膠原病を中心に東京、横浜の病院で研修・診療の経験を積み、2015年に東京の十条にておひさまクリニック(小児科、耳鼻咽喉科)を開院。子どもたちが健やかに成長していくためのサポートをしたいと思っております。また、3児の父でもあるので、子どもに関することでしたら、お気軽にご相談ください。

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