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毎日、日焼け止めは必要?皮膚科専門医が教える子どものためのUV対策
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神奈川県立こども医療センター皮膚科医
神奈川県立こども医療センター皮膚科医
滋賀医科大学医学部卒業 。横浜市立大学皮膚科講師を経て、1994年より神奈川県立こども医療センター皮膚科医長、2002年より現職。 横浜市立大学皮膚科臨床教授を兼任。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会 、日本臨床皮膚科学会会員。NHK「すくすく子育て」などにも出演。3人の子どもを育てた先輩ママでもある。
日本は4月下旬頃からどんどん紫外線量がアップしてきます。そうなると気になるのが子どものUV対策。「そもそも子どもにUV対策が必要なの?」から、具体的な対策テク、日焼け止めの選び方や使い方などを皮膚科専門医に聞いてみました。
紫外線をたくさん浴びるとどうなる?
紫外線が子どもの肌に与える影響はどのくらいあるのでしょうか。
「たくさん浴びると…」とは、具体的にどのくらいの時間浴びると影響が出やすいのかを、皮膚科医の馬場先生に聞いてみました。
日焼けやヤケドの原因に
紫外線は、4月下旬から増え始めて8月いっぱいまでがピークといえます。
1日10分程度紫外線を浴びるのは、体の成長に必要なことですが、1時間以上ずっと外にいつづけたりするのはNG。浴びすぎると、皮膚が赤くなってヒリヒリしたり、もっとひどくなるとヤケドのように水疱ができて皮膚がむけ、強い痛みを伴うことがあります。
さらに過度に浴びる状態が長く続くと、将来、皮膚がんの原因になることも…。
UV対策の服装や帽子、時間帯は?
ママはおそらくほとんどの人がUVケアをしていると思いますが、子どもへの対策はどうしていますか。
デリケートでダメージを受けやすい子どもの肌。その特徴を踏まえたUV対策を教えてもらいました。
0歳からUV対策は必要
第1回目でも述べたように、
「子どもの肌は大人よりも薄く、外からの刺激に弱い」
そうです。紫外線も浴びすぎると肌にとっては刺激になるので、0歳からUV対策は必要になります。
できるだけ素肌を出さない
暑い日はついついノースリーブなどを着せてしまいがちですが、UV対策としては避けたい格好です。
できるだけ肌を出す面積が少なくなる工夫をしましょう。
袖つきで薄手の生地のものが、UV対策できて温度調節もしやすいそうです。
ハンチングよりつばの広い帽子を
1日30分以上外にいる日は、必ず帽子を着用させてください。
今はデザイン的にもおしゃれなものが多くありますが、できるだけつばが広く、顔や首の後ろを紫外線から守ってくれるタイプのものを選びましょう。
10時~14時の外出は避ける
紫外線が強い時期、1日の中で最も強くなる時間帯が10~14時です。おでかけはこの時間帯を避けるようにしてください。
子どもの日焼け止め剤の選び方
ママの中には「子どもにも私と同じものを使っているけれどダメなの?」という方もいるかもしれません。大人と同じものでOKなのでしょうか?選ぶポイントについて教えてもらいました。
1日30分以上外にいる時に活用
日焼け止め剤は確かに紫外線から肌を守ってくれるものですが、
毎日塗ってしまうと肌にどうしても負担がかかります。
数分だけのおでかけや秋冬の時期なら、帽子や袖つきのトップスなどで対策を。4月下旬以降で、30分以上外にいる場合は、日焼け止め剤を活用しましょう。
「SPF」と「PA」を理解しよう
紫外線には急激な日焼けを引き起こすUV-Bと、肌内部まで届き、じわじわと日焼けの影響を及ぼすUV-Aがあります。
SPFとは、UV-Bに対してどのくらい紫外線を防御できるかを示したもので0~50の数字で表示されていて、
数字が大きいほど、紫外線を防げる時間が長いことを表しています。
PA値は、UV-Aの紫外線防御指数を表したもので、+~++++の4段階で表示し、
+の数が多いほど評価が高いことを意味します。
普段は「SPF17PA++」くらいのものを
子どもの日焼け止め剤を選ぶ目安ですが、普段の生活にはSPF17PA++くらいもので、できるだけ低刺激タイプを選んでください。
海水浴や夏のレジャーなど、紫外線をたくさん浴びる可能性が高い日は、SPF25~30 PA+++のものを選ぶといいでしょう。
日焼け止め剤の使い方
トラブルがある時は日焼け止め剤はNG
日焼け止め剤は、
肌に少なからず負担をかけるものです。
赤くなっている、ブツブツが出ているなど、なんらかのトラブルがある場合は、避けてください。
肌の状態が微妙で「塗っていいか判断がつかない」時は、かかりつけ医を受診して相談してみましょう。
ムラなく塗るのが大事
日焼け止め剤は、まんべんなく塗るのがポイントです。特に首の後ろや手の甲などは忘れがちで、うっかり日焼けをさせやすい部位なので注意しましょう。
日焼け止め剤が肌に合うか心配な場合は、まず腕の内側など目立たないところに塗って様子をみるようにしてください。
帰宅後はきちんと石けんで落として
日焼け止め剤は、性質上落ちにくくできています。
肌に残ったままだとそれが肌トラブルの原因につながってしまうことも…。
帰宅後は、できるだけ早めに石けんできちんと洗い流すことが大切です。洗ったあとは、保湿することも忘れずに。
日焼けしてしまったら?
赤くなって腫れていたり、子どもが痛がるようならば病院を受診してください。
肌が赤くなっているだけで痛がっていない時は、患部を冷やしてお家で様子を見てもOKです。
4月下旬からUV対策を。日焼け止めは正しく使って
子どもの肌は大人よりも外からの刺激に弱いので、肌をできるだけ紫外線に触れさせないことと、正しく日焼け止め剤を使うことが大切だということがわかりました。
4月下旬から紫外線がぐんぐん増え始めるので、今からきちんと準備して、ゴールデンウィークのレジャーやおでかけに備えるようにしましょう。
次回は、汗ばむ季節に多発しがちな汗トラブルについて解説します。
監修:馬場直子(神奈川県立こども医療センター皮膚科医)
滋賀医科大学医学部卒業 。横浜市立大学皮膚科講師を経て、1994年より神奈川県立こども医療センター皮膚科医長、2002年より現職。 横浜市立大学皮膚科臨床教授を兼任。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会 、日本臨床皮膚科学会会員。NHK「すくすく子育て」などにも出演。3人の子どもを育てた先輩ママでもある。