かぞくのじかんが「子どもに伝える性」をテーマにした記事を特集
性について「子どもにどうやって伝えたらいいの?」と悩む保護者に向けて、産婦人科医・医学博士の宋美玄氏監修のマンガ形式でわかりやすく紹介
「婦人之友社」から、「子どもに伝える性」をテーマに特集した「かぞくのじかん 夏号」が発売中。
「教えるものではなく自然にわかるもの」と、日本では長らくタブーとされてきた性の話。しかし今、その考え方が大きく変わり、性教育は小学生では遅く、3歳からはじめる時代である。
「かぞくのじかん」読者アンケートでは、下記のような子どもの性にまつわる数多くの疑問が寄せられた。
Q.「性」についての知識について、10歳くらいまでの子どもたちに、どこで伝えていくべきだと思いますか?(複数回答、n59)
・学校か家庭か、どちらか一方で教育するのは難しいと思う(40代女性)
・学校でも教えてほしいけど、家庭で小さいうちに教えると恥ずかしがらずにすんなり受け止めてくれる気がします(30代女性)
Q. 子どもの性に関することで、心配なこと、困っていることは?
・携帯電話を使って、カップルで裸や下着姿を送りあうと聞いたことがある。ダメと言っても本当にしないか心配(40代女性)
・娘がいるので漠然とした不安を抱えている。幼児が犯罪に巻き込まれたニュースなどを聞くと不安でならない(30代女性)
・離婚しているので(性のことを)息子にどう伝えるべきか悩んでいる(40代女性)
性については、大人でもわからないことがたくさん。そもそも、子育て世代の多くが子ども時代に性教育を受けていないため、「何を教えればいいかわからない」のも当然である。
肌の露出が増える夏の時季こそ、性犯罪や性被害から子どもを守るためにきちんと伝えたい「性の話」。「子どもにどうやって伝えたらいいの?」と悩む保護者に向けて、マンガ形式でわかりやすく紹介する。
「日本の性教育は世界的に見ても遅れていると言わざるを得ません。そもそも『生理や妊娠のしくみは教えても性交については教えない』というルールが文科省の学習指導要綱にあるんです」。そう話すのはマンガ内でアドバイザー役を務める産婦人科医・医学博士の宋美玄氏。
「子どもに性の話をするなんて、寝た子を起こすことになるのでは?」と考える方もいるかもしれないが、子どもは自分のルーツ、命に直結する性に興味があるもの。
親世代が性についてどう教えればよいかわからないのなら、まずは親が性についてよく学ぶ。そして、子どもに「正しい性の知識を教えなくては」と肩ひじ張るのではなく、「性の話は特別な話ではなくふつうのことなんだ」と子どもが思えるような雰囲気作りを意識すべきと宋氏は語る。
子どもにまず伝えたいのは“プライベートゾーン”のこと。「たとえ親であってもここを他者がさわるのは変」と子ども自身が早くから認識することが重要であり、それによって、不快なことがあったときに「これはふつうのことではない」と幼いながらも感じることができるという。
「そのときはわからなかったけれど、大きくなってからあれは性犯罪だったと気づいた」。幼いころに性被害を受けた人に話を聞くと、多くの人がそう話すという。また子ども同士のスカートめくり、ズボンおろしなどは“子どもの遊び”という形をとるから、その場ではNOと言いにくく、「同調して笑うしかなかった」と話す人も。
しかしながら、プライベートゾーンへの攻撃は子どもの心に屈辱感を与えることがわかっている。子どもには早いうちからプライベートゾーンを伝え、「これはおかしい」と思える感覚を育てるとともに、いやなときは「NO」といえる環境を大人がつくることが大切。
親の対応次第では、性被害にあった子どもが親に相談できなくなることもあるため、子どもが話しかけてきたらまずは話をよく聞くようにし、子どもの話をさえぎったり否定したり責めたり疑ったりしないこと。すると子どもは親を信頼し、「ピンチのときは親に相談しよう」と思ってくれるという。
親が子どもに「性」を伝えるために役立つ具体策が盛りだくさんの今号を参考にしながら、この機会に子どもへの性教育をはじめてみては。
かぞくのじかん 夏号 vol.56
特集/もの・コト・考え方 手放して心を軽くする
第2特集/子どもにどう伝えますか? 「性のこと」
監修/宋 美玄(そん・みひょん)
婦人之友社刊 840円(税込)
問い合わせ先/婦人之友社
tel.03-3971-0104
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