コミュニケーションが苦手な子はチームスポーツに向いていない?【中澤佑二】

コミュニケーションが苦手な子はチームスポーツに向いていない?【中澤佑二】

2022.01.11

Profile

中澤佑二

中澤佑二

元プロサッカー選手

1978年2月25日生まれ。埼玉県出身。元サッカー日本代表。三輪野江小→吉川東中→三郷工業技術高→FCアメリカ(ブラジル)→ヴェルディ川崎→東京ヴェルディ1969→横浜F・マリノス。

読者からお悩みを募集し、子育て、教育、健康など各分野の専門家にご回答いただくお悩み相談連載。今回は元サッカー日本代表の中澤佑二さんが子どものスポーツに関するお悩みに答えます。

中澤佑二

【お悩み】チームメイトとコミュニケーションを取らない息子が心配です

男10歳のママ
男10歳のママ

保育園の頃からサッカースクールに通っている息子。小5になっても、いまだに仲間とコミュニ ケーションをとらないことが気になっています。

プレイ中だけではなく、休憩中に雑談をするようすもありません。同じ学校の子がいないからか、上手な子ばかりで気後れするのかと気になりつつ見守ってきました。

もしかしてあまり楽しくないのかと思い、他のスポーツに誘ってみたり、さりげなく続ける意思を確認したりしたこともありますが、サッカーを続けたいと言い、今に至ります。

普段はおしゃべりで、どちらかというと落ち着きがないくらいですが、周囲への関心が薄いようにも感じています。 サッカーはチームプレイが大切ですし、そろそろ、自分から周囲と関わりながら楽しむことができるとよいなと思い、心配しています。よいサポートの仕方があれば、参考にさせていただきたいで す。

【中澤さんの回答】チームプレイの良し悪しと仲良しであることは違います

小学5、6年生はちょうど年齢的に、子どもらしい部分も残しつつ、大人になろうとしている時期だと思います。 

僕もたくさんサッカーのイベントでたくさんの子どもたちと接してきましたが、小学校低学年はとてもノリがいい一方で、5、6年生は少し落ち着いていると感じます。中学生くらいになるとまたみんなでワイワイできるようになるものなのですが。 

相談者さんはお子さんがチームメイトと話さないことを心配されていますが、もしかするとまだサッカーのことがあまり分からず、何を話していいのかが分からないのかもしれませんし、単純にサッカー以外に共通の趣味の話がないだけかもしれません。

実際に、僕がスクールで教えていた時も、みんなが話している輪に入らず黙々とやってる子もいましたし、 実はうちの次女もラクロスをしていますが、自分が集中するために黙々と打ち込むタイプです。みんなとも話はしますが、ゴーイングマイウェイなので、ひとりでも大丈夫。

こうした子は、休憩中に雑談をしなくても、水分をとりながら「次はどんなプレイをしようかな」といろいろと考えているんです。妻はそれを心配していましたが、本人はまったく気にしていませんでした。つまり、 「みんなと仲良くしてほしい」というのは親の願いなのではないかと思うのです。

もちろんチームプレイは必要ですが、大切なのは会話だけではありません。 

どんなコミュニティでも低学年くらいから自分のキャラを出せる子もいれば、そうでない子もいます。僕自身、小学生の時はあまりしゃべるのが得意ではなかったですし、中学、高校と社交的でもなかったです。

相談者さんのお子さんも、サッカーをやめたいと言わないのであれば、サッカーが好きで、クラブも好きなのでしょう。 それよりも、練習中やプレイ中、つまらなそうにしていたり、あまり走らなかったり、積極的にボールに関わろうとしないことがあるのなら環境を変えてもいいかもしれません。

チームスポーツといえど「全員が仲良し」である必要はないんです。それはどの社会でもどの部署でも同じではないでしょうか。仲良し=チームワークではないですからね。

サッカーを続けたいということは、うまくなりたいと思うんですよ。 

自分からコミュニケーションをとることも大事ですが、小学生にそこまで求めるより、お子さんには、どんな目標を持っているか、どうなりたいかを聞いてあげるとよいかもしれません。そして、アドバイスをしてあげてください。

たとえばフォワードなら「今年中にあと〇点とる」「三笘薫選手のようにドリブルがうまくなって点をとれる選手を目指す」など、具体的な目標設定をして、そのための練習をいっしょに考え、いっしょに練習してみることがおすすめです。

お父さん、お母さんといっしょに目標に向かって練習をするということが、お子さんにとって一番のエネルギーになると思います。 

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1978年2月25日生まれ。埼玉県出身。元サッカー日本代表。三輪野江小→吉川東中→三郷工業技術高→FCアメリカ(ブラジル)→ヴェルディ川崎→東京ヴェルディ1969→横浜F・マリノス。

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