日本初【子どもが主役のまち】北海道安平町に新設された「早来学園」

小中一貫校でアイデンティティを育む

日本初【子どもが主役のまち】北海道安平町に新設された「早来学園」

子どもが主体の環境づくりを目指し、日本初「子どもにやさしいまち」として日本ユニセフから承認された安平町。「自分が“世界”と出会う場所」というコンセプトをもとに、地域に開かれた学校「早来学園」を開校します。不確実な時代を生きる子ども、大人、すべての人のための学校をご紹介します。

日本で最初に「子どもにやさしいまちづくり」実践自治体として承認された安平町

安平町は新千歳空港から20分ほどの場所に立地し、札幌中心部からは車で約80分、隣接する千歳市・苫小牧市へも車で約30分の好立地にあります。

1

安平町は、ユニセフの推進する「子どもにやさしいまちづくり事業(CFCI)」を実践する自治体として、2021年に日本で初めて承認された町です。子どもの今を大切に、子どもを主役に考えた町づくりをしています。子どもに優しく、ひいてはすべての人が幸せになれるような町を目指しています。

不確実なこの時代を生き抜くために必要な、「自分に期待するチカラ」を育てるための仕組みも。あびら教育プランでは、「遊育」・「学び」・「挑戦」をキーワードに、子どもから大人まで「豊かに生きるために挑戦する人」を育てます。

2

2つの認定子ども園の遊具や園庭には、子どもたちの可能性を引き出す仕組みがたくさん。自然豊かな安平町ならではの体験もでき、見学者からこんな子ども園に入れたい!自分が入りたかった!との声を頂いています。(詳細が知りたい方は前回のKIDSNA STYLE記事へ)

3

コンセプトは「自分が“世界”と出会う場所」。子どもたちと共につくる「早来学園」とは

4

平成30年9月、北海道胆振東部地震の被害を受けた早来中学校。一方、震災の被害は少なかったものの、早来小学校は老朽化が進んでいました。そこで、この大きなピンチをチャンスととらえ、小中一体校舎を新設することが決定。

元に戻すだけではなく、より良い学校をつくることを目標に、新設する義務教育学校「早来学園」を復興のシンボルとする取り組みをしてきました。

5

平成31年からは「新しい学校を考える会」がスタート。会では、事業の理念である「子どもの意見を聞く」「子どもと大人が対等に議論をする」ことをモットーに、未来の「早来学園」について対話を重ねてきました。

校舎の設計、制服・校章・ジャージのデザインなど、子どもたちの意見を反映しながら、ひとつひとつを具体化。

6

校舎の建設も完了した早来学園は、令和5年4月に震災復興のシンボルとして開校します。早来学園のコンセプトは「自分が“世界”と出会う場所」。

安平町の自然・地域・文化・人に触れ、支え合うなかで、学校を通してスポーツ・テクノロジー・多世代の人達やたくさんの「本物」と出会うこと。さらに、多様な価値観や多くの学び、夢と出会い、“世界”に生き、“世界”へと羽ばたいていく、そんな拠点になってほしいという想いが込められています。

7

「早来学園」の注目ポイント

広大な自然と共に生きる学校

最新校舎は大自然に囲まれています。「観察の庭」では小川や湿地の生態系を生かし、生き物や植物の多様性を観察することができます。元々の自然を生かして作られた「学校の丘」では、四季を通じて子ども達や町の人が散策し、遊び、町を望むことができる場所となるでしょう。

8

地域の住民に開かれた学校

早来学園は開放・共用・専用の3つのエリアから成り立ちます。開放エリアは地域の人も使うことができるエリア。共用エリアは学校が使っていないとき、地域の人も使うことができるエリア。専用エリアは学校が主に使い、利用者、場所、時間を限って地域の人も使うことができるエリア。

ICT技術を活用してセキュリティラインをはっきりとさせ、すべての人々が安全に使えるシステムです。

エントランスからすぐに見えるのは、共用エリアであるガラス張りの図書室。町の人が自由に本を読みながらくつろげるスペースです。学校と地域とのつながりを建物そのものからも感じてもらえるよう、お互いの存在が見える開放的な設計にしています。

学校と地域住民を切り分けずにオープンにすることで、お互いがやっていることを知り刺激を与えあえるような、開かれた空間を創出します。

9
10
地域の人々も自由に楽しめる図書室

team LabのICT技術で、子どものアイデンティティを育む学校

早来学園のコンセプト「自分が“世界”と出会う場所」を実現するためのツールとして、teamLab主導によるICT技術を取り入れました。

11

児童・生徒、先生、地域の人が使いやすく、地域に開かれた学校として機能するため、次の3点で最先端技術を取り入れています。

一つ目は、スマートスクールシステム。専用エリアは、インターネットからの予約によって地域の住民も利用が可能。

普段は子どもたちが使っている音楽室は、音楽好きが集うバンドの練習場所に。調理室は、キッチンスタジオとなり料理教室を開催したり。創作アトリエでものづくりに没頭するもよし。使い方は無限大です。

12
13

二つ目に、先生の業務負担軽減のための公務支援システム。業務の効率化や、地域の教育の質の向上を目指しています。

三つ目に、一人一台のタブレット支給や校内のWi-fi環境完備など。格差をなくし、個々の子どもに合った学びの支援を可能にします。タブレット片手に廊下で異学年が集まってプロジェクトの話し合い、なんてことが見られるかもしれません。

13

総合学習の時間で自分の“世界“と出会う学校

総合学習の時間には、あびら教育プランに基づいて、行政や企業、NPO法人など含め、第一線の大人から生きた授業を学びます。

令和4年度は、「馬」や特産の「メロン」、地域の「森」などをテーマに取り上げました。「馬」をテーマとした授業では、どうすれば町を「馬のまち」としてもっとPRできるのか、町民と馬との距離が縮まるのかを考えました。実際に牧場で馬と触れ合い、馬についてプロから学び、最後は町長に政策提言を行いました。

その他にも地元NPO法人による「森の授業」など地域に密着したカリキュラムもあり、他では味わえないような豊かな経験を得ることができるでしょう。

自分で考え、体験し、アウトプットする経験からアイデンティティを育み、自分の“世界“と出会うことを大切にしています。

https://www.facebook.com/watch/?v=841343949827583

写真

安平町での子育てがわかるオンラインツアー開催

最新のICT技術を取り入れた早来学園や、大自然に囲まれたはやきたこども園をオンラインツアーでさらに詳しく見てみませんか?

画像

◎開催日時

2022年12月3日(土) 9:30〜12:00

 ◎当日のプログラム(予定)

・早来学園について(安平町教育委員会)

・子どもの「自ら育とうとする力」について(はやきたこども園園長)

・ 馬がいて田んぼがある、はやきたこども園で過ごす子どもたちの様子を生中継

・様々なスキルを持った若いスタッフによる「教えない放課後教室『あびらぼ』」のプログラム「動画作成」紹介

◎開催場所

・オンラインにて開催

※参加お申し込み後、ZOOM ミーティングURLを送付します

◎参加費

無料

詳細&お申し込みは下記Peatixよりお願いします!

https://peatix.com/event/3399480/view


◎こんな方にオススメ!

・現状の子育てに不安や孤独を感じている

・自然豊かな環境で子育てしたいと考えている

・移住を検討している

・最先端の教育に興味がある

また、1月後半には現地ツアーを開催予定です。

ツアーの問い合わせは、北海道安平町役場 政策推進課へ。

北海道安平町役場 政策推進課

電話番号:0145-22-2751(平日 8:30〜17:15)

mail:m-suishin@town.abira.lg.jp

教育コラムカテゴリの記事

ショート動画

教育を親の自己満足にしてはいけない。教育虐待になりうるハイパーペアレンティングの恐ろしさとは

教育熱心はどこまで?

この連載を見る

不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親がどうあるべきか、各専門家に取材しました。
【レポート】KIDSNAアンバサダー生誕2周年記念インスタライブ

2024年3月1日に開催したKIDSNA STYLEインスタライブ。お忙しい時間帯にもかかわらず、たくさんのアンバサダーのみなさまにご参加いただき、本当にありがとうございました!参加が難しかった方も多いと思うので、インスタライブの様子を簡単にご紹介いたします。