子どもの未来のために、親がいま知っておきたい「お金の力」

子どもの未来のために、親がいま知っておきたい「お金の力」

2022.01.05

2022年度から、高校の授業で「資産形成」の内容が必修化されるなど、関心が高まっている「お金教育」。しかし、保護者の中でも「お金の知識には自信がない…」という方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、子どもの未来のために知っておきたいお金の知識が学べる本、『13歳からの億万長者入門──1万円を1億円にする「お金の教科書」』の内容を交えてお金の力について考察いたします。

日本の家計の金融資産は、海外に比べて増加率が低い

みなさんは、ここ十数年で日本の家計の金融資産がどれだけ増加したか、ご存知でしょうか。

 

日本では、1999年から2019年の20年間で金融資産が約1.4倍、増加したそうです。一方、同じ期間でアメリカは2.7倍、イギリスは2.3倍、金融資産が増加しています。

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比較してみるとその差は歴然。日本の家計の金融資産の増加率は、アメリカやイギリスと比べてとても低いことがわかります。

 

アメリカやイギリスと日本の違いは、「子どもの金融教育」への関心度。日本に比べて、アメリカやイギリスは、「お金教育」について関心が高いと言われています。日本でも、2022年度から高校の授業で「資産形成」の内容が組み込まれるなど、徐々に関心が高まっています。

これからはじまる子どもの「お金教育」。親はどうする?

そこで、心配なのが親自身のお金に対するリテラシー。親世代の多くが、学校で「お金教育」を受ける機会がなかったため、「お金の知識に自信がない…」というのが本音なのではないでしょうか。そこで今回は、アメリカの子どもたちの間で読まれている「13歳からの億万長者入門」の内容をご紹介します。

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「1億円」と「1カ月間毎日2倍に増え続ける1円」どっちがお得?

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もしも、お金がもらえるとしたら、AとBどちらがお得でしょうか。

 

A. 1億円

B. 1カ月間毎日に2倍に増え続ける1円

 

Bの場合、初日は1円、翌日は2円、3日目には4円、4日目には8円…というように、1カ月間毎日2倍に増え続けます。Aの場合は、1カ月後も1億円のまま。

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1億円も悪くないですが、1円が毎日2倍になったら1カ月で5億円以上になるのです。ポイントは「複利の力」。「複利」とは、元本と金利の両方に利子がつく金利の計算方法です。

お金の増え方が加速していく「複利の力」

「複利」に対して、元本のみに金利がつく計算方法を「単利」と言います。元本が10万円、金利が年間10%の場合を例として考えると、「単利」は50年後、10万円が60万円になります。一方「複利」は、元本と金利の両方に利子がついていくので、50年後には10万円が1200万円に!(単利、複利ともに金利が変わらず10%で増え続けた場合)

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「複利」では、元本と利子が積み上がっていくにつれ、お金の増え方が加速していくのです。そのため、「複利」を利用した貯金は、はじめる時期が早ければ早いほど、お金が速く大きく育っていきます。

 

また、「複利」にはもう一つヒミツがあります。それは、定期的に元本を足していくと「複利の力」の効果が跳ね上がるということ。ジェイミーとエレンという、ともに15歳の子どもたちの貯金を例として説明します。

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ジェイミーとエレンは2人とも、おこづかいやお手伝いなどで集めた50万円をそれぞれ貯金することにしました。どちらも50年間貯金を続け、平均年率リターンは8%。ジェイミーは最初に50万円を貯金した後、元本を足しませんでした。一方エレンは50年間、毎年10万円ずつ、ひと月でいうと8,333円、元本を積み上げていきました。元本を長期にわたって積み増していくとどうなるか。

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エレンの貯金額はあと数年で1億年に達します。毎月8,333円を50年間積み増していっただけで、自分のお金を大きく育てることができたのです。


「複利の力」を最大限に活かしてお金を大きく育てるためには、できるだけ早く貯金をはじめたほうが有利でしょう。そのためにも早いうちからお金に関する知識を得ることは意義があるのではないでしょうか。

 

次回は、『13歳からの億万長者入門──1万円を1億円にする「お金の教科書」』の翻訳者の関 美和さんから、親が子どもにできる「お金教育」について伺います。

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