睡眠×科学 赤ちゃんが朝までぐっすり眠る赤い光とは?
赤ちゃんの睡眠と光の色の関係について知ろう。
人間の体にはおよそ24時間周期でリズムを維持しようとするサーカディアン・リズムがあります。
このサーカディアン・リズムと体内時計を合わせることを「同調」と言い、同調している場合、毎朝同じ時間に目覚めることができます。
そして、強くて明るい光を早朝に浴びると朝型に、夜の早い時間に浴びることで夜型になることが分かっています。
さらに重要なのが、強い光は眠っている間に浴びても体内時計は大きく乱れるということです。
「光」と一言で言っても、さまざまな波長があり、それにより色も変わります。
朝の日光には青の光が多く、夕方には青が減少して赤が増加することで、夕焼け空は赤く見えるのです。
実はこの青い光こそが、体内時計と睡眠にもっとも大きな影響を与えることが分かっています。
青い光を浴びると、睡眠をうながすホルモンであるメラトニンが減少し、寝つきが悪くなります。
そのため、夕方に強いオレンジの光を2時間浴びるより、同じ時間帯に弱い青い光を2時間浴びるほうが、睡眠には悪影響なのです。
青い光を含むのは日光だけではありません。
白熱電球、LED、テレビ、タブレット、スマホの画面などの人工的な光はすべて青い光を発し、体内時計に昼間のサインを送ります。
これが青い光、つまり「ブルーライト」が睡眠に悪影響を与えるといわれる理由です。
さらに、小さな子どもほど、光が睡眠に及ぼす影響が大きいことも分かっています。
日中の日光に含まれる青い光は赤ちゃんの目覚めをうながすホルモンであるコルチゾールやセロトニンの濃度を上げ、睡眠をうながすホルモンのメラトニンを減少させます。
一方、夕方の日光は青より赤が多くなり、体内のメラトニン濃度が上がっていくことで、赤ちゃんは眠ることができるのです。
赤ちゃんがオムツ替え、授乳などで夜中に目覚めたとき、明かりが必要になりますが、その時の寝室のライトを60W相当の赤いLED電球に変えることで、夜中に青い光を浴びることがなくなり、赤ちゃんが再び眠りに入る際の寝つきがよくなります。
また、授乳中にスマホを見るお母さんは多いと思いますが、スマホの画面から出る光には、夕方の自然光より多くの青い光が含まれています。
そして、夜にこの光を浴びるとメラトニンの生成が遅れ、寝つきが悪くなることも証明されています。
スマホのナイトシフト(iOS)やナイトライト(Android)機能を使うか、ブルーライトをフィルタリングする無料アプリをインストールすることで、青い光を浴びる量が減り、授乳後もスムーズに入眠できるでしょう。