子どもが嘘をついたとき、あなたならどうしますか?親としての対応法

子どもが嘘をついたとき、あなたならどうしますか?親としての対応法

2017.02.17

Profile

製造メーカーの生産開発部、情報システム会社の開発部で長く勤務。執筆活動としては、育児サイトやITサイトへのコラム執筆や教育関連の電子書籍4冊出版など。プライベートでは4児の父。

子どもが少し大きくなってくると、親に嘘をつくことがあります。そんなときに親はどうすればいいのでしょうか。嘘はすぐに叱るべきであることが多いのですが、ときには嘘だとわかっても信じてあげることも必要です。嘘をつくことについて、子どもにどう教えていけばいいのかを考えてみましょう。

子どもが小さなうちに嘘について教えておきましょう

子どもが少し大きくなってくると、親に対して秘密を持つようになります。秘密を持つことも成長のうちですし、幼児のうちは嘘をついても見え見えでかわいいものです。けれども小学生、中学生になってからたちの悪い嘘をつくようになってしまっては困ります。子どもがまだ小さいうちに嘘をつくことについて教えておきましょう。そして子どもが嘘をついたときには適切な対応をとることが必要です。

日本人は嘘に寛容?!

私が学生のころ、外国人のP先生がこう言っていました。「私ノ国デハ、『嘘ツキ!』ト言ワレルコトガ、最大ノ侮辱デス」。そして嘘をついてはいけない、と厳しく言われました。けれども外国人に比べると日本人は嘘に対して寛容なように思えます。

日本には「嘘も方便」という言葉があります。時と場合によっては嘘をつくこともいいこととされるのです。

また、本音と建前も区別されます。建前には嘘があっても許されているのです。さらには、「美人ですねえ」と思ってもいないお世辞を言ったり、「つまらないものですが」と高級品を渡す謙譲の美徳があったりと嘘が必ずしも悪いことではないのです。

日本語では、言葉上では事実と違っていても、相手が嘘だとわかるのなら許されるという文化になっているようです。日本語って難しいですね。

私たちはその難しい日本語とその文化を子どもたちに教えなくてはいけません。ついていい嘘をいけない嘘をはっきりと区別して教えることが必要です。

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悪気のない嘘は信じてあげる

私の友人のK氏は小学校の先生をやっています。そのK先生に聞いた児童が嘘をついたときの話を紹介しましょう。


ママからのクレーム

あるとき、K先生に児童の親からクレームが入りました。

「うちのS夫ちゃんが給食で手に火傷をしたザマス。どうしてくれるザマスか!」

K先生はそんなことがあったなんて覚えがありませんでした。けれどもS夫ちゃんママの迫力に押されてK先生は「監督不行き届きでした」と平謝り。でもいつそんなことがあったのだろうか?と不思議に思っていました。


S夫君の自白

K先生はあとでS夫君を呼び止めて聞いてみました。するとS夫君はしばらくはもじもじして黙っていましたが、やがて自白しました。実は火傷したのは給食のときではありませんでした。家でこっそり買ったカップラーメンを食べようとしてお湯をこぼしたのです。そのときの火傷でした。でもカップラーメンを買い食いしたことをママに言うと怒られてしまいます。なので「給食で火傷した」ととっさに嘘をついてしまったのです。

「なんだそうだったのか。先生が怒られちゃったじゃないか」

ベテランのK先生は笑って許してあげたそうです。


子どもをどこまで信じるべきか

もしもあなたがS夫君のママで「給食で火傷した」とS夫君に言われたらどうしますか?すぐに学校の先生にクレームを言いに行くでしょうか?

子どもの話を疑ってかかるのはよいことではありません。けれども給食のときに何でどうやって火傷したのか、事実確認はしておきたいところです。そして「じゃあ給食のときに注意するように先生に言っておいたほうがいいかな?」と子どもにきいてみます。子どもの返答と態度を見れば、その子の性格を知っているママなら本当かどうかわかるのではないでしょうか。


嘘だと思っても「私はいつもあなたを信じている」

仮に本当に給食で火傷をしたとします。その場合でも、子どもは親に説明するときは自分に非があることは隠して話すものです。もしかしたら先生が注意したことを守らなかったために火傷をしたのかもしれません。そんな場合は親が学校にクレームを言いに行くと言い出せば「行かなくていいよ」と止めようとするはずです。

そういうことも考慮して、クレームを言うのは子どもの様子を見てからにしたいですね。そして子どもが嘘をついているな、と思っても、頭ごなしに嘘だと決めつけるのはよくありません。「私はあなたを信じているわ、いつでもあなたの味方よ」という態度は貫きましょう。

人を傷つける嘘は厳しく叱って

TVなどでたまに見かけますが、ある人が事件の容疑者として疑惑の人となったときに、いくらなんでもそれはあり得ないでしょう、と思えるような無理な嘘をつくことがあります。「私は全く知りませんでした。全部◯◯が独断でやったことです」というように罪をなすりつけられてしまう事もあります。

そんなことが通用してしまうのは悲しいことです。そして子どもたちは、そんな嘘を平気で言えるような大人には育ってほしくありません。他人を陥れたり傷つけたりする嘘をついてはいけません。そのことだけは子どもに厳しく言っておきましょう。

子どもの嘘に対して気をつけたい3つのこと

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日本の社会で生きていくためには、お世辞や建前も少しは言えなくてはいけません。ですからどこまでの嘘なら許されるのかを子どもに教える必要があります。

「子どもが嘘をついていてもまずは信じてあげること」
「悪気のない嘘は許してあげること」
「他人を傷つけるような嘘をついたら厳しく叱ること」

子どもが嘘をついたときにはこの3つのことに気をつけてみてください。


ライター:四児の父・あべっかん

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本職はIT系のエンジニアです。息子二人と娘二人を育てながら教育関係のブログを書いています。

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