相続した土地の売却方法は?特別控除や確定申告の仕方

相続した土地の売却方法は?特別控除や確定申告の仕方

相続税や住民税などの税金について

2019.03.18

相続した土地の売却の手順などが気になっているママやパパもいるかもしれません。すぐ売却する場合に相続税や評価価格はどのようになるのかや、売却後の確定申告をするときの特別控除や5年、3年以内などの税金の特例、土地の売却で扶養や住民税などが一定期間変わることなどについて資料と体験談をもとにご紹介します。

土地を相続したとき

土地を相続するとどのように活用するとよいのか悩むママやパパもいるのではないでしょうか。土地を相続したときに気になったことを聞いてみました。

「土地を相続することで相続税がかかるかもしれないと考えてはいましたが、固定資産税もかかるようになりました。毎年固定資産税を支払うのは大変だと思いました」(40代ママ)

「相続した土地を売却して家の購入の費用にしてはどうかと夫婦で話しあいました。どのような手順で売却するとよいのかや、売却したときにかかる税金などのことが気になっています」(40代パパ)

土地を相続した場合、売却して家づくりの資金にしようと考えることもあるようです。相続した土地はどのように売却するとよいのでしょう。また、売却にあたってどのような費用や税金がかかるのでしょう。

相続した土地の売却の手順

相続した土地はどのような手順で売却するのでしょう。実際に土地を売却した経験をもつママやパパに聞いてみました。


名義変更をする

「土地を相続したときは、売却する前に土地の名義を父から私に変更をしました。相続してすぐ売却することを決めていても一旦名義変更する必要があったので、司法書士の方に相談して所定の手続きをしました」(30代パパ)

相続した土地をすぐ売却する場合にも、一度名義変更が必要になるようです。

土地の名義変更をする際は、司法書士の方にお願いして所有権の移転の登記をするとよいようです。詳しくは管轄の地方法務局に問いあわせてみましょう。


評価価格を調べ売却価格を決める

芝生と林
iStock.com/CHRISsadowski

「土地の名義変更が完了したら、不動産業者に相談して土地の売却価格を決めました。売却価格は土地の評価価格にあわせて決めるようなので、まず評価価格を調べてもらい、その後業者と売却価格を相談しました」(40代ママ)

土地を売却する場合の価格は評価価格を参考に決めるとよいかもしれません。評価価格は変動することもあるようなので、専門の業者に委託すると調べやすそうです。早く売却するために評価価格より安い金額にしたという声もありました。


売却先を探す

「売却価格が決まったら業者に依頼して売却先を探しました。すぐ売却することは難しいと聞いたので複数の業者にお願いして探してもらうことにしました」(30代ママ)

売却先を探すときは専門の不動産業者などに依頼するとよいようです。家づくりの資金にするためにすぐ売却したいことをあらかじめ業者に相談したところ、広告の出し方などを工夫してもらえたという声もありました。

出典:不動産登記申請手続/法務局

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売却に関係する費用や税金について

相続した土地を売却する場合、いつどのような費用がかかるのでしょう。また、税金はどのようにかかってくるのでしょう。


売却時にかかる費用や税金

「土地を売却するときには契約書に貼る印紙税や不動産業者に払う仲介手数料がかかりました。土地の売却価格が1000万円になったので、印紙税として5000円支払いました。また、仲介をしてくれた不動産業者には売却価格の3%の手数料を支払いました」(40代パパ)

相続した土地を売却する場合、売却前や売却時にかかる費用もあるようです。国税庁の資料によると、売却の契約をするときには売却額に応じて印紙税が必要になるそうです。

また、不動産業者に支払う仲介手数料は最高3%という取り決めがあり、業者によって異なるようです。


売却後にかかる税金

電卓、ペン、ノート
© Nishihama - Fotolia

「相続した土地の売却後には所得税や住民税などの税金がかかりました。所得税は売却した翌年の5月頃に支払いました。住民税はさらにその翌年にかかりましたが、住民税がかかった期間は1年間だけでした」(30代ママ)

土地の売却後には譲渡所得に所得税や住民税がかかります。課税対象の所得である「課税譲渡所得」の計算方法は、

譲渡価格 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額(一定の場合)

となります。土地の所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」5年以下の場合は「短期譲渡所得」になり、税率が異なります。

また、土地を売却したときの特例として特別控除を受けられる場合があり、特別控除額は特例毎に限度額が違ってくるようです。


売却に関しての特例

「相続した土地をすぐ売却することにしたので、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例を受けることができました。特例を受けるためには譲渡するまでの期間などの条件があるようなので、しっかり調べて相続税の申告期限から3年以内に売却できるようにしました」(40代パパ)

国税庁の資料によると相続した土地を売却する場合に「相続税が取得費に加算される特例」があるそうです。

この特例を受けるためには「土地を相続した人に相続税が課税されていること」や「土地を相続した日の翌日から相続税の申告期限の翌日以降3年以内に譲渡すること」などの条件があるようです。

出典:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置/国税庁
出典:土地売買契約書/国税庁
出典:土地や建物を売ったとき/国税庁
出典:譲渡所得の特別控除の種類/国税庁
出典:相続財産を譲渡した場合の取得費の特例/国税庁

土地を売却したときに気をつけたこと

相続した土地を売却したときには税金の支払い以外に行なうことがあるようです。土地を売却してから気をつけたことをママやパパに聞いてみました。


確定申告をする

「相続した土地を売却した翌年に、忘れずに確定申告をするように気をつけました。その際、売却したときの契約書や業者に支払った費用などの書類を見て『譲渡所得の内訳書』などの各種明細書の作成をしてから確定申告書に記載しました」(30代パパ)

土地を売却した場合、翌年に確定申告をすることが必要になってくるようです。土地売却に関係する確定申告を行うと、その年に所得税が請求され翌年に住民税の所得割が請求されるそうです。

特定の民間住宅造成事業などで土地を譲渡した場合、特別控除が適用されることもあるようなので、確定申告の際に確認するとよいかもしれません。


扶養から外れるか確認する

「相続した土地をすぐ売却したところ、私名義の土地だったので所得が多くなり1年間夫の扶養から外れました。扶養から外れることで健康保険や年金、住民税などを支払うことになったので、売却した所得から支払えるように準備しておきました」(40代ママ)

妻の所得が一定の金額以内のために夫の扶養になっている場合、土地の売却金額が所得となって扶養から外れることがあるようです。

また、夫名義の土地を売却した場合も、売却額が高額になって所得が限度額を超えることで妻が扶養から外れることもあるかもしれません。

出典:平成30年分譲渡所得の申告のしかた(記載例)/国税庁
出典:確定申告書の記載手順/国税庁
出典:平成30年度税制改正のあらまし/国税庁
出典:配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しについて/国税庁

相続した土地の売却について考えよう

パパ、ママ、子供
iStock.com/Yagi-Studio

相続した土地を売却する場合、すぐ売却するか5年または3年以内に売却するかなどの売却までの期間によって特例や税率などが変わるようです。

土地を売却した翌々年には住民税がかかったり扶養から外れたりすることもあるようなので、確定申告をするときに特別控除のことも含めて確認しておくとよいかもしれません。

相続税や土地の評価価格についてもしっかり調べて土地を売却できるとよいですね。


※記事内で使用している参照内容は、2019年3月10日時点で作成した記事になります。

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