妊娠中の安定期はいつからいつまでのことをいうのでしょうか。安定期がどのような時期かについてと、安定期にやってもよいことと、安定期であっても控えるべきことについて解説します。安定期の外出時の注意点と上手な過ごし方も併せてご紹介します。
一般的に妊娠16週~27週の妊娠5カ月~7カ月の妊娠中期の時期を安定期といいます。
胎盤が完成し、流産の危険性が減少します。ホルモンバランスが安定して精神的にも落ち着き、つわりの症状が治まる人も多いため安定期と呼ばれています。
しかし、つわりには個人差があり、安定期でもつわりが続く人もいます。
安定期になると体調や精神的にも落ち着き、できることも増える人が多いです。安定期にやってよいことをご紹介します。
ウォーキングやストレッチは、妊娠時期に関係なく、妊娠中に取り入れるとよいとされていますが、安定期に入ったら妊娠初期には控えた方がよいといわれているマタニティスイミングやマタニティヨガを行うこともできます。
妊娠中期になると、お腹も大きくなってくるので、浮力があるスイミングは大きなお腹にも負担がかかりにくくおすすめです。
妊娠後期に入ると、お腹がだいぶ大きくなってくるのでシャンプー台に仰向けになることがつらいと感じる人も多いため、安定期といわれる妊娠中期の時期に美容院に行くのがよいでしょう。
ただし、妊娠中は皮膚がいつもより敏感になっているため液剤で頭皮がかぶれてしまう可能性があります。妊娠していることを美容師さんに伝えて刺激が少ないものを選ぶようにしてもらいましょう。
安定期は、お腹の張りや下腹部痛などのトラブルがなく、医師から安静といわれていなければ旅行に行ってもよいでしょう。
しかし、安定期といっても確実に安心というわけではなく、急に体調が崩れるかもしれません。
身体を冷やさないように防寒対策をしっかりして、なるべく近場を選ぶようにしてください。
旅行中のスケジュールも無理なく、ゆったり過ごせるところがおすすめです。
安定期に入ったら何をしても安心というわけではなく、安定期でも控えた方がよいこともあります。
安定期に旅行に行ってはいけないという規定はありませんが、海外旅行で万が一何かがあった場合、日本の保険が適用されないため高額な費用がかかるかもしれません。
飛行機で長時間同じ姿勢をとると、エコノミー症候群にかかったり、妊婦さんの身体に負担がかかるので安定期であっても海外旅行はおすすめできません。
妊娠中期の妊娠6カ月頃くらいまでであればネイルをしてもよいといわれる場合もありますが、妊娠中期の後半や妊娠後期になると妊婦さんの爪の色を見て体調を判断することもあります。
安定期でも妊娠中期の後半には、ネイルを控えるように医師から指導される場合もあります。ジェルネイルをするときには、医師の判断に従うようにしましょう。
妊娠中はむくみやすく、むくみがひどいとマッサージに行きたくなる妊婦さんも多いかもしれません。
超音波やイオンを導入している機械は、お腹のなかの赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があるため、妊娠中は控えた方がよいです。
足つぼマッサージも子宮や内臓を刺激し、お腹の張りにつながることもあるのでやめておきましょう。
オールハンドで行うフェイシャルエステは妊娠中でもできる場合がありますが、マッサージを受ける前に妊娠していることを必ず伝えてください。
妊娠中は、外出するときに特に注意が必要です。どのようなことに注意したらよいでしょうか。
外出先で何かがあった場合、そのまま病院に行けるように以下の持ち物は必ず持ち歩くことが大切です。
妊娠中は身体を冷やさないことがとても大切です。
外出時は、腹巻をするなどお腹や腰回りは特に冷やさないように工夫をして、暖かい格好をして出かけましょう。
人混みは、お腹を押されたり、押された拍子に転倒する恐れがあります。
電車やバスを使って出かけるときには、通勤や退勤の混雑する時間帯は避け、平日やなるべく空いている時間帯を選ぶようにしましょう。
安定期がいつからいつごろまでかは、妊娠中期である妊娠5カ月(16週)~7カ月(27週)の時期をさします。
この時期は妊娠初期と比べてつわりが治まり、流産の可能性が減少するために安定期といわれていますが、安定期だから何をしても安心という時期ではありません。
マッサージは子宮を刺激する原因になる可能性があり、ネイルは妊婦さんの正しい体調を見極めるときに妨げになる場合があります。
マッサージやネイルは妊娠中は控えた方がよいです。
安定期に入り体調が落ち着くと、旅行を計画する人もいると思いますが、海外旅行で何かあったときには日本の保険がきかず、多額の医療費がかかることもあるので、海外旅行はやめておいた方がよいです。
安定期であっても、妊娠中は急に体調が崩れることもあるので、外出時は保険証、母子手帳、診察券は常に持ち歩くようにして、妊婦さんは自分の体調をみて無理せず過ごすことが大事です。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
2019年04月26日
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