【産婦人科医監修】妊娠中のおやつにナッツは食べても大丈夫?量や胎児への影響

【産婦人科医監修】妊娠中のおやつにナッツは食べても大丈夫?量や胎児への影響

ナッツに含まれる栄養分について

妊娠中のおやつにナッツ類を食べてもよいのか、控えた方がよいのか気になる人も多いかもしれません。ナッツ類を食べるとママやおなかの赤ちゃんにどんな影響があるのか、ナッツ類に含まれている栄養素、妊娠中のおやつにナッツを食べるときの注意点、摂取の目安量をまとめました。

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

妊娠中のナッツは控えた方がよい?

妊娠中、おやつに食べやすく満腹感を得やすいナッツ類を好んで食べている人もいるのではないでしょうか。食べ方に気をつけさえすれば、妊娠中にナッツ類を食べても問題はありません。ナッツに含まれる栄養素や購入するときの選び方を解説します。また妊娠中の摂取量と食べるときの注意点にはどのようなことがあるのでしょうか。

ナッツの種類

妊娠中に意識してとりたい栄養素が多く含まれているナッツの種類をご紹介します。

くるみ

くるみには、タンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなど妊娠中に摂取するとよい栄養素が豊富に含まれています。

くるみに多く含まれているオメガ3脂肪酸は血液をサラサラにする効果、悪玉コレステロールの排出を促す働きがあり、妊娠中の動脈硬化や妊娠高血圧症の予防改善が期待できます。

ストレス軽減作用やリラックス効果もあり、くるみは総合的に栄養価が高いナッツの一種です。

アーモンド

アーモンド
iStock.com/onairjiw

アーモンドには、ビタミンE、食物繊維、ビタミンB2、カルシウムなどの栄養素が豊富に含まれています。食物繊維はゴボウの約2倍含まれており、腸内環境を整える作用があるので便秘解消に効果的です。

カシューナッツ

カシューナッツには、亜鉛や鉄、ビタミンB1が豊富に含まれており、疲労回復に効果があります。

食感が柔らかく甘味があり、食べやすいのが特徴ですが、糖質が高いので食べすぎには注意が必要です。

ピーナッツ

ピーナッツは、厳密にはナッツ類ではなくマメ科の植物ですがナッツ類と同様に栄養価が高く、タンパク質、ビタミンEが豊富に含まれています。またオリゴ糖も含まれているため、腸内環境を整える効果が期待できます。

ピスタチオ

ピスタチオには、塩分を排出する効果があるカリウムが豊富に含まれており、高血圧症予防やむくみの解消の効果が期待できたり、コレステロールを低下させる効果もあります。

ナッツ類には、胎児の発育に欠かせない栄養素である葉酸が豊富に含まれているのも特徴です。妊娠中は、葉酸が不足しがちになりますが、数種類のナッツをミックスして食べることで、葉酸を含め妊娠中に必要な栄養素を手軽に摂取することができます。

妊娠中にナッツを食べるときの注意点

妊娠中はどのようなことに気をつけてナッツを食べるのがよいのでしょうか。

食べすぎない

ナッツの食べすぎを注意する妊婦
ilikeyellow/Shutterstock.com
ナッツ類は食べ始めると止まらなくなり、つい食べすぎてしまうこともあるでしょう。

ナッツは栄養価が非常に高く妊娠中、積極的に摂取したい食材ですが、脂質が多くカロリーも高いので、食べすぎると太る原因になってしまいます。妊娠中は、おやつとして少量食べる程度にしましょう。


無塩無糖のナッツを選ぶ

ナッツ入りチョコレート、おつまみ用のナッツなどは、油で揚げていたり、塩分や糖分を多く含むものもあります。塩分や糖分の摂りすぎにならないように、妊娠中は味付けされてない無添加のナッツを選ぶようにしてください。

また、くるみなどのナッツに含まれている不飽和脂肪酸はとても酸化しやすい成分です。購入後は密閉容器に入れ冷蔵庫など高温多湿を避け保存するようにしましょう。一回で食べきれるような小分けのものを購入するのがおすすめです。


加熱しない

くるみに多く含まれるオメガ3脂肪酸は、血液の流れを保ち、善玉コレステロールを増やし、骨密度の低下を防ぐと言われています。

しかし、熱に弱いため加熱すると成分が変わってしまったり、酸化しやすいため加熱せずにそのまま摂取するようにしましょう。

妊娠中のナッツの目安の摂取量

妊娠中は、体重管理のため過剰摂取は避けましょう。ナッツ類10gあたりのカロリーの目安は以下の通りです。

  • くるみ:約67キロカロリー
  • アーモンド:約60キロカロリー
  • ピーナッツ:約56キロカロリー
  • カシューナッツ:約58キロカロリー
  • ピスタチオ:約62キロカロリー
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)/文部科学省
ナッツ類は比較的カロリーが高い食べ物です。妊娠中のおやつに食べるときは、1日の摂取量を片手でつかめる15~30g(10~20粒)前後にしましょう。噛みごたえがあるので少量でも満腹感を得やすいです。

妊娠中のおやつは適量のナッツをバランスよく食べましょう

ナッツを食べる妊婦さん
3dvin/Shutterstock.com

元気な赤ちゃんを産むためにも、妊娠中の食生活、体重管理はとても大切です。栄養バランスのよい食事が妊婦さんやおなかの赤ちゃんの健康を守ることにも繋がります。

ナッツにも種類があり、ビタミン、食物繊維、ミネラル、カルシウムなどの栄養素が豊富に含まれています。妊娠中に不足しがちな栄養素を補うことができます。ただし、たくさん食べると腸内で脂肪分と水分が分かれて上手く消化されずに便秘を悪化させる可能性もあります。食べ過ぎに注意しながら、おやつなどで適切な量を食べるようにしましょう。

監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

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杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)監修の記事一覧(バックナンバー)

信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。

患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

田園調布オリーブレディースクリニック

2019年08月09日

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